ジャケットとはイメージが異なります
Title:Oracular Spectacular
Musician:MGMT
イギリスの音専誌「NME」で、年間1位に選ばれたり、日本のクロスビートでも1位に選ばれたりと、とにかく評判が高い本作。ちょっと気になったので聴いてみたのですが、amazonのレビューにも書いている方がいるのですが、ジャケットの印象は、ポップ・グループ。
つーか、完全に、↓のジャケ写のイメージなのですが・・・
ただ、CDのプレイボタンを押した直後から、その印象は大きく裏切られます。
鳥の鳴き声のようなエフェクトから、シンセの響きが入りだして、やがてポップなメロディーが流れ始める「Time To Pretend」・・・
その後も、ドリーミーなエフェクトに、とことん甘くポップなメロディーライン。これまた多くの方が指摘していますが、フレーミングリップスを彷彿させるような、夢の世界が繰り広げられます。
ただ、鮮やかなエフェクトが印象的だった前半に比べると、中盤以降は少々、彼らの違う顔が見えてきます。
「Kids」では、シンセのリフが心地よい、4つ打ちのダンサナブルなナンバーを聴かせてくれたかと思えば、続く「4th Dimensional Transition」も、打ち込みのドラムスのリズムが心地よいナンバー。
かと思えば、後半、「Pieces of What」はアコギメインでしっかりと聴かせるナンバーですし、「Of Moons,Birds&Monsters」は、60年代のギターポップを思い起こさせるようなナンバー。どこか歌謡曲的ですらあり、日本人にも耳なじみやすいナンバーになっています。
しかしラストは、また、彼らの王道とも呼べるナンバーに戻ってきます。
「The Handshake」「Future Reflections」いずれも、このアルバムの集大成ともいえる、ポップでドリーミーな音の世界を楽しめるナンバー。この夢のようなアルバムの幕引きにふさわしい展開となっています。
冒頭から最後まで、ポップで甘いメロディーラインは一貫していて、ジャケ写からは想像できないような(笑)、夢のような、そしてどこか暖かみを感じる世界を体験できる、素敵な1枚です。
各地での高い評価も納得の、極上のポップスアルバム。そんな大ヒットしたわけではないので、まだチェックしていない方もいるかもしれませんが・・・まだ聴いていない方は、新譜ラッシュがはじまる前に是非。
評価:★★★★★
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