ついに大ブレイク
Title:My Song Your Song
Musician:いきものがかり
このアルバムで、チャート1位に輝き、名実共に大ブレイクしたいきものがかり。
正直、最初のうちはソニーがむりやり売り出そうとしているハイプの感が否めなかったのですが、最近はシングルもコンスタントにヒットして、「人気ミュージシャン」の一組になったのは間違いないでしょうね。
いきものがかりといえば、女性ボーカル+バックに男性のポップスバンド、というスタイルから、LINDBERGやJUDY&MARYみたいなガールズバンドと比較されることが多いような印象を受けます。
ただ、このアルバムを聴くと、LINDBERGやジュディマリみたいな、はじけたロックテイストのポップというよりは、しっかりと聴かせるポップソングが多いな、という印象を受けます。
そもそも、このアルバムも、1曲目のピアノとストリングスでしんみり聴かせる「プラネタリウム」からはじまり、2曲目の「気まぐれロマンチック」こそアップテンポなナンバーですが、「ブルーバード」「スパイス・マジック」としんみりと聴かせるナンバーが続きます。
また、ガールズバンドがあくまでも「バンド」としてのスタイルにこだわるのに対して、彼女たちは、ピアノやストリングス、ホーンなども積極的に入れてきます。逆に「バンド」としての臨場感はほとんどありません。つーか、そもそもボーカル+ギター×2でバンドじゃないし。
そういう意味でも、いきものがかりって、ガールズバンドの流れというよりも、純然としたポップユニット。タイプ的には、最近人気のコブクロに近いものを感じました。ま、むしろ辛島美登里や永井真理子、谷村有美あたりのガールズポップに近いのかもしれません。
コブクロに近い、といったのは、楽曲のタイプも近いものを感じた、という点。1度聴いたら忘れられないような、凝ったメロディーを書いているわけでもありませんし、ドラマ性のあるインパクトある歌詞を書いているわけでもありません。
ただ、コンスタントに、聴いていて安心できるポップソングを歌い続けています。
肩肘あらず、どんな環境でも、そして広い層が楽しめるポップソングを書けるミュージシャン。だからこそ、チャート1位という高い支持を集めたのでしょう。
また、バラードや聴かせる曲がメインながらも、ロックテイストの強い、ユニコーンあたりを彷彿とさせるユーモアのあるナンバー「ブギウグ」や、マイナーコードで危うさを感じさせる「幻」など、ほどよく楽曲に幅を持たせている点も、人気の秘訣といった点でしょうか?
なんとな~く、高い人気の理由がわかるようなポップスアルバムでした。ひょっとしたら、コブクロ並みの、ミリオンアーティストになっていく、のかな??
評価:★★★★
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