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2009年1月 2日 (金)

期待の新人

Title:Umbrella
Musician:清水翔太

Umbrella

アメリカの「アポロシアター」でのアマチュアナイトで、平成生まれの日本人としてはじめて出演したり(ただし、プロモーション枠での出演だったみたいですが・・・)、10代の男性シンガーソングライターのデビュー作としては、初のベスト5ヒットとなったりと、デビュー作から様々な話題を振りまいている若干19歳のシンガーソングライターのデビュー作。平成産まれだって。若いなぁ・・・(^^;;

ただ、アルバムとしての出来に関しては、今風のR&Bをなぞった感じという程度に留まっており、決して新鮮だったり、斬新だったりする訳ではありません。R&Bがすっかり日本のチャートに浸透した今の時点では、目新しいという印象は受けません。

特に前半に関しては、「ラップ」+「メロウでポップなメロディーライン」という、いかにも今時の売れ線風の曲が並んでいて、少々興ざめ気味。ここらへんは、売るために強制されたと思いたいところなのですが、「売る」狙いが見えすぎていて、はっきりいって聴いていて辛いものがありました。

しかし一転、後半に関しては、ジャズ風なバラードで聴かせる「Rainy Day's Morning」や、アコースティックなサウンドが魅力的な「My Love」など、魅力的な彼のボーカルをしっかりと聴かせるバラードナンバーが続きます。彼の澄んだボーカルも魅力的ですし、また、しっかと聴かせるメロディーラインも心に残ります。清水翔太というミュージシャンの魅力をしっかり詰め込んだ内容になっていました。

正直、曲のバリエーションとして、「ラップを取り込んだポップス」か「バラード」かの2パターンしかなく、また、少々「売る」ための狙いが露骨に鼻につく内容になっており、少々ハイプ的な売り方も含めて、周りにコントロールされて無理やり売り出されているという印象は否めません。

ただ、その点を差し引いても、実力のあるミュージシャンなのは間違いないでしょう。まだまだ今後、表現力が課題となるボーカルといい、バリエーションを増やしていきたいソングライターとしての実力といい、乗り越えたい壁は多いものの、逆に伸びしろの多さも感じられ、それもまた、今後の彼の成長が楽しみになってくる大きな要素となっています。

今後の成長が期待のシンガーのデビュー作としては及第点といったところでしょうか。2作目3作目に期待したいところです。

評価:★★★★

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