懐かしさも感じます
Title:Glasvegas
Musician:Glasvegas
「アラン・マッギー絶賛」というあおり文句と、パッと聴き、まんまジザメリのシューゲイザーサウンドに、以前から気になっていたのですが、ようやく聴いてみました。最近話題のグラスゴー出身の4人組ロックバンド。
いやもうホントに、アラン・マッギーってこの手の音が好きなんだなぁ、とよくわかるサウンド。サウンドは、そのまんま80年代~90年代のシューゲイザー系サウンド。それも、The Jesus And Mary Chainそのまんまの雰囲気がアルバムを通じて感じられました。
ただジザメリが、特にシューゲイザーの傑作「PSYCHO CANDY」では、甘美なノイズの中に溶け込みそうな、甘くポップなメロディーラインが特徴的だったのに対して、彼らは、ノイズこそ甘美なれど、メロディーはむしろ甘いノイズに飲み込まれないように主張する、意外と骨太のメロディーを書いていました。
また、特に特徴的だったのが終盤。ベートーベンの「月光」をバックにボーカルの語りが入る「Stabbed」から雰囲気が変わり、メロディーをしっかりと聴かせる「S.A.D.Light」を経てラストの「Ice Cream Van」への流れが真骨頂。ラストの「Ice Cream Van」は、それまでの楽曲にない荘厳さをかもし出していて、シューゲイザー以上に教会音楽の影響すら感じました。
ジザメリ、マイブラなどシューゲイザー大好きの私には、文句なく壺だったアルバムでした。ただ・・・それでも既存のシューゲイザーの焼き直しという枠組みからはちょっと出ていなかったなぁ。ラスト3曲の流れみたいなものをベースに、Glasvegas独特のサウンドをもっと表に出してこればおもしろいのかもしれないけど・・・。
この手のバンドは、1枚絶賛されてもなかなかその後が続かないんだよなぁ。2作目が勝負ですね。
評価:★★★★★
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