デビュー作超えられず
Title:Best Angel for the Pianist-SUEMITSU&THE SUEMITH 05-08-
Musician:SUEMITSU&THE SUEMITH
SUEMITSU&THE SUEMITHといえば、デビュー当初、個人的にはまりまくってしまい、メジャーデビュー作「Man Here Plays The Piano」を一時期毎日のように聴きまくっていました。
しかしその後、アルバムがリリースされるごとに、残念ながら私の彼に対する熱は徐々に醒めていきました。その最大の理由は楽曲のバリエーションの少なさ。「ピアノ・エモ」ともいうべきテンポのよいピアノが心地よいポップスなのですが、ピアノの音色や、楽曲のテンポの良さなどに頼りがち。似たような楽曲が並んでしまい、どうもデビュー作を超える出来の作品には出逢えませんでした。
レコード会社や事務所も、デビュー当初からドラマタイアップや人気アニメのテーマ曲など、かなり「売ってきた」のですが、残念ながら、いまひとつブレイクにはむすびつかず。2ndアルバム「The Piano It's Me」の最高位18位という記録が、残念ながら(今のところの)自身最高位となってしまいました。
そして、残念ながら、このベスト盤を最後に、レコード会社と所属事務所から離れることに。デビュー当初、はまっていた身としてはとても残念なニュースなのですが・・・。ただ、あらためてベスト盤で彼の過去の作品を通して聴くと、いまひとつブレイクしきれなかったのは仕方ないのかなぁ、という印象を抱いてしまいました。
結局、最大の理由は前にも書いたとおり、楽曲のバリエーションの少なさ。デビューアルバムに収録されていた「Irony」「Arabesque」の出来があまりにも素晴らしい反面、その後リリースされた楽曲は、これらの作品の縮小再生産になってしまった部分が否めません。
「ピアノ」って楽器は、その音色だけで人をひきつけられるだけのパワーを持っているだけに、メロディー自体が少々弱くても、テンポの良さで押し切れちゃう部分があると思うんです。デビュー当初こそ、メロディーをきちんと作りこんできたのに、その後、ピアノの特性に頼りすぎて、メロディー自体の作りこみが弱くなってしまったのかなぁ。
デビュー作の作品をドラマタイアップやアニメタイアップに持ってこれれば、もうちょっとブレイクできたかもしれないんですけどね(ただ、それでも一発屋に終っていた可能性が高いけど)。残念な限り。新たなレコード会社と事務所で、再起を期待したいところです。
評価:★★★★
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