爽やかなインストポップ
Title:ホニャララ
Musician:SAKEROCK
「晴れ渡る青空のような、爽やかなインストポップ」
SAKEROCKのニューアルバムは、まさにそんな表現がピッタリと来るような、爽やかなポップソングでした。
基本的に、リズム隊のギター、ベース、ドラムスにのせてトロンボーンでメロディーを奏でるシンプルな構成。そこにマリンバが印象的な美しい音色をのせたり、シンセの音を効果的に載せてきたりしています。
シンプルなだけに、メロディーやリズムがしっかりと伝わってくるんですよね。それも、楽しいポップなメロディーラインだから、とても印象に残ります。インストポップでありながら、メロディーからは「歌心」も感じられ、ライブだと一緒に踊れそうだなぁ、と感じながらも、しっかりと聴き入ってしまうような、そんなメロディーが多く演奏されています。
「爽やか」といっても、決してコンビニのBGMみたいに、薬にも毒にもならないようなインストポップではありません。爽やかな中にも、個々の楽器がいろいろと自己主張を繰り広げています。そんな個々のメンバーの主張が、メロディーの「歌心」につながっているのかもしれません。
また、トロンボーンにミュートをかぶせた音の表現がとてもユーモラス。特に、ストリングスとミュートをかぶせたトロンボーンを競演させた「におい」などは、インストながらもユーモアをたっぷり感じられる作品で、タイトル通り、なにか「におい」が漂ってきそうな(笑)作品でした。
「インストだから・・・」なんて忌避するのがもったいない。文句なしに最上級のポップスアルバムです。とても楽しく、踊れて、でもどこかしんみりとしてしまうようなアルバムでした。
評価:★★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2009年」カテゴリの記事
- ハードなバンドサウンド(2009.12.29)
- 日本から世界へ???(2009.12.28)
- 間口は広く(2009.12.27)
- バランス感覚の良さ(2009.12.25)
- 直系ガレージパンク!(2009.12.24)
コメント