PARTY IS OVER
Title:SINGLE COLLECTION-2006~2008- A-side trax
Musician:DJ OZMA
DJ OZMAは、どー考えても「売れすぎちゃった」よなぁ・・・。
もともと、DJ OZMAというミュージシャンは、決して万人受けを目指すタイプではなく、どちらかというと、おたく的なノリ-わかる人にはわかるみたいなのりの-を目指すタイプのミュージシャンだったと思います。
これは、氣志團でもその傾向は顕著に見られます。もともと、氣志團の面白さは、80年代文化のパロディーにあって、そこをわからないと、ヘタすれば「時代遅れのヤンキースタイル」とすらとらえかねられません。
DJ OZMAが不幸だったのは、例の紅白騒動によって、DJ OZMAという「人物」に注目する層が、一部のファンから、一気にお茶の間レベルにまで広がってしまったことでしょう。
実際、その後のDJ OZMAに対する、特にワイドショーレベルの報道は酷いものでした。本人は、おそらく100%ジョークでやっている行動を、額面どおりに受け止めて報道するスタイルが目立ち、DJ OZMAのジョークがからまわりし、痛々しくすら感じてしまいました。
それでも、最後の最後まで、「一部の層に受ける」スタイルを維持した彼は立派だと思いますが・・・。
ただ、このベストアルバムから感じられるのは、そんな「売れすぎてしまった」DJ OZMAが、やめるにやめられず、売れた曲の縮小再生産を続ける姿。
どう考えても、DJ OZMAとして長く続けすぎたんだよなぁ・・・。辞め時を間違えちゃいましたね。本人も、うすうす感じていたとは思うのですが。
しかし、最後に発売された↓このアルバムは、最後である、ということもあり、はじけまくっています。
Title:I LOVE PARTY PEOPLE 3
Musician:DJ OZMA
DJ OZMAこと綾小路翔は、実は私と同じ年(らしい)。そうすると、ちょうど思春期に90年代初頭の音楽に触れていたと思います。
このアルバム、冒頭からいきなりバリバリのユーロビートで飛ばしまくります。そう、ちょうど90年代あたりにはやっていた雰囲気の音で。
はっきりいって、「軽薄」の一言につきるようなダンスナンバーなのですが、あくまでもノルことを主眼とした吹っ切れたナンバー。それだけに、その軽薄さがかえって曲にパワーを与えています。
「シリョン」のようなHIP HOP風のナンバーがあったり、hideの「ever free」を、デジロック風にカバーするなどのバリエーションも楽しめるのですが、全編通じて90年代のテイストを感じるアルバム。おそらく、彼の音楽の原点である時代の音を、そのままパーティーチューンとして再現したのではないでしょうか。はっきりいって、アルバム全編通じて、吹っ切れまくっています。ラストアルバムであるからこそ、彼のやりたいように、自由につくったアルバムなのではないでしょうか。心の底から楽しめる、最高のパーティーアルバムでした。
次はどうもまた、氣志團が復活するらしいのですが・・・。このDJ OZMAとしての活動が、どう氣志團にフィードバックされるのか・・・正直、氣志團も既にマンネリ気味なだけに、今後、どう活動をすすめていくのか、注目しあいところです。
評価:
「SINGLE COLLECTION」★★★★
「I LOVE PARTY PEOPLE 3」★★★★★
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