ミュージシャンの本質がわかるライブ盤
ライブというのは、ミュージシャンの本来持っている魅力がダイレクトで伝わる場。そのライブの模様を収録したライブ盤は、時として、実際のライブの迫力をなかなか伝えられず、CD単品で聴くには厳しいものがあったりします。しかし、オリジナルアルバム以上に、ミュージシャンの魅力を伝えてくれるのもまた、ライブ盤だったりします。そんなライブ盤が2枚、リリースされました。
まず1枚目は、KANのピアノ弾き語りライブの模様を収録した本作。
Title:LIVE弾き語りばったり#7~ウルトラタブン~
Musician:KAN
今年行われた、ピアノ1本での弾き語りライブツアーの模様を収録したライブアルバム。なんといってもファンとしてうれしいのは、ホームページ会員限定でリリースされたCDに収録されていた「何の変哲もないLove Song」が収録されている点。その他にも、Billy Joelの「ALLENTOWN」や、ミスチルの「抱きしめたい」のカバーも聴き所となっています。
ピアノ1本での弾き語りであるがゆえ、KANの書くメロディーや歌詞の素晴らしさがダイレクトに伝わってくるライブアルバムになっています。ユーモアというKANの持つもうひとつの大きな魅力がタイトル以外に出ていない点を差し引いても、KANを知るためには、ベスト盤の次に聴いて欲しいライブ盤といえるかもしれません。
KANちゃんが、日本を代表すべき素晴らしいシンガーソングライターである、という言い分が、決して大げさではないことがわかるライブアルバムの傑作です。
評価:★★★★★
そして、聴かせるKANのアルバムとは対極的なのがPOLYSICSの本作。
Title:We ate the show!!
Musician:POLYSICS
今年8月に行われた、新木場STUDIO COASTでのライブを完全収録したライブアルバム。
もともとPOLYSICSは、ずっと、「ライブはいいけど、CD音源がね・・・」みたいな言われ方をしており、事実、その演奏から伝わるパッションが彼らの魅力の大きな要素となっていた彼らにとって、なかなかCD音源では、その魅力が伝わりにくくなっていました。
しかしここ最近、メロディーを売りにできるようなポップな曲も増えて、CD音源でも彼らの魅力が徐々に伝わるようになってきていました。そして、このライブ盤も、そんなポップな曲が増えた結果、ライブのパッションがそのまま伝わりながらも、CDで聴いていても楽しめるようなライブアルバムに仕上がっています。
ライブバンドとしてのPOLYSICSと、ポップなメロディーを楽しませられるPOLYSICSという、2つの魅力が同時に楽しめるライブアルバムになっていました。POLYSICSというバンドをそのまま伝えてくれるライブアルバムだったと思います。こちらは、ベスト盤以上に、POLYSICS入門盤としてピッタリな1枚でした。
評価:★★★★★
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