ベンジー、大丈夫か??
Title:MAD DISCO
Musician:SHERBETS
いまさら言うまでもない話なのかもしれませんが、BLANKEY JET CITY解散以降のベンジーは、正直、かなり危機的状況だと思う。
ブランキー時代は、あれだけ名曲を世に出し続けたベンジーが、ブランキー解散後のソロでの作品については、そこそこの佳作こそあれ、傑作と思える作品をほとんど出していません。あえて例外を言えばAJICOとして出した作品くらいかな?
SHERBETSとして、約1年ぶりにリリースしたこの作品も、あまり期待はしていなかったのですが、やはり、決して納得のいく内容とはいえませんでした。
結局のところ、どれも似たようなアレンジ、似たような世界観、似たようなメロディーライン。似たような作品を作るのなら、もっと純化させ、徹底的に自分の世界観を追及するという手もあるのでしょうが、それも中途半端に終っています。
また、どうもその歌詞の世界も、少々手垢がつきすぎているというのか、平凡というのか・・・。例えば本作に収録されている「50/50」の歌詞
「トレーラーハウスに住んでみようぜ
街外れの空地なんかで」
(「50/50」より 作詞 KENICHI ASAI)
なんかね。まるっきり「古き良きアメリカの風景」なんだけど、ロックの世界では手垢がつきすぎている表現。ブランキーの時代から、ベンジーはこの手の歌詞が多いのですが、少々単調さを感じてしまいます。
この不調の原因、はっきりいって、アルバムを乱発しすぎだと思うんですよね。
今年こそはこのアルバム1枚のみのリリースながらも、昨年は、浅井健一ソロとして2枚+SHERBETSで1枚。おととしは浅井健一名義で1枚。その前の年はSHERBETSとして1枚、JUDEとして1枚・・・年に1枚のリリースならば十分すぎるペースの中、ほぼ毎年2枚程度のペースでリリースしており、そりゃあ、駄作も多くなるよな、と思ってしまいます。
このアルバムも、70分近く、ロックとしてはかなりの長さ。もっとしぼって40分くらいの長さにしたら、まだおもしろかったんでしょうけどね・・・。
もっと出す作品を絞った方がいいと思うんだけどなぁ。ヘタに自主レーベルを立ち上げちゃったんで、レーベル維持のために、数出さなくてはいけなくなっちゃったのかなぁ??変な乱発するよりも、傑作を1枚、早く聴かせてほしいです!
評価:★★★
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コメント
いつも楽しく拝見させていただいております。
今回のレビューまったくそのとおりだと思います。
あれだけ僕たちの心を震わせてくれたベンジーの歌とは思えないアルバムばかりですよね。
いちおう個人的にはsherbetsのオーロラってアルバムとベンジーのシングルBlack Jenny、JUDEのHighwayってアルバム。この3つはブランキーとはぜんぜん違うアプローチでそれがけっこうよかった気がします。
それにこの3作品はリリースも時間をかけていて作品の完成度も高かった気がします。
まえ何かのインタビューでベンジーが曲作りのことを話していたのですが、「ブランキー時代は結構曲作る時になやんだし、時間か会ったけど今は結構すんなりできる」って言ってました。
このすんなり曲ができちゃうことがまずいことなんじゃないかなぁと勝手に思いました。
投稿: ちゃめ | 2008年12月18日 (木) 12時28分
※追記
ちなみにJUDEのアルバムはHighway Childでした(^_^;)
投稿: ちゃめ | 2008年12月18日 (木) 12時29分
>ちゃめさん
はじめまして!書き込みありがとうございます。
本当、ここ最近のベンジーの曲は、いまひとつなんですよね(T T)
インタビューでそんなことを言っていたんですか・・・。確かに、もうちょっと腰を落ち着けて、しっかり曲づくりをしてほしいですよね。じっくり曲づくりにいどめば、また傑作を産み出してくれると思うんだけどなぁ~。
投稿: ゆういち | 2008年12月19日 (金) 00時16分