王道のオルタナロック
Title:Who are you?
Musician:NICO Touches the Walls
最近話題の4人組ロックバンドNICO Touches the Wallsの、メジャーデビューフルアルバム。かなり以前にライブで彼らを見たことがあるのですが、音源を聴くのはこれがはじめてです。
彼らの音に対して、まず感じるのは、まさにNIRVANA以来続く、オルタナティヴ、グランジロックの王道ともいえる楽曲だなぁ、ということ。ハードロックとパンクとポップスから等距離を保ったハードなロックチューンで、勢いは感じる一方、NICO Touches the Wallsとしての個性は、少々薄く感じました。
一方で、アルバム全体を通じて印象に残るのが、「THE BUNGY」や「バニーガールとダニーボーイ」といった、アップテンポでダンサナブルな、グランジ以上にガレージパンクや60年代ロックンロールからの影響を感じるロックナンバー。ポップなナンバーで耳なじみもよく、今後の彼らの核にしていけるタイプかもしれません。
また、このアルバムを最後まで聴いてはじめて気がついたのが、彼らの歌謡曲からの影響でした。
意識しているのか無意識なのかわかりませんが、彼らの楽曲からは、どこか歌謡曲っぽい憂いを感じることが出来ます。一番典型的だったのは「anytime,anywhere」で、これなどは多少露骨だったのですが、あらためて彼らの楽曲を振り返ると、そこらかしこに歌謡曲っぽさが見え隠れしているように感じました。
また、叙情的に歌い上げるようなボーカルスタイルも、歌謡曲っぽさをさらに演出していたかもしれません。これに関しては、どこかミスチルの桜井に似ているようにも感じましたが・・・(^^;;
王道のオルタナティヴロックである一方、どこか日本のバンドらしさも感じるアルバム。まだまだ個性という側面では物足りなさが残るものの、今後の成長次第ではおもしろいバンドになるかも。注目していきたいところです。
評価:★★★★
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