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2008年12月12日 (金)

やさしさの中に感じる芯の強さ

Title:メロディ
Musician:空気公団

ちょっと久しぶり。2年ぶりとなる空気公団の新譜。昨年、ベストアルバムをリリースした彼女たちですが、ベストアルバム発売後初・・・となると、「新たな一歩を踏み出した」という型どおりの説明となるのでしょうか?

新たな一歩とはいっても、根本の部分は全くかわっていません。シンプルで淡々とした、しかし、どこか心に残るメロディーの曲が多く収録されています。サビで大きく盛り上がる、だの、フックの効いたメロディー、などといったものはほとんどありません。しかし、その優しいメロディーラインが、心のひだにそっと入り込むような、そんなメロディーが大きな魅力です。

一方で、このアルバムで特徴的だったのは、サウンドが太くなり、アレンジの幅が広がったという点でしょうか。ピアノの音色が優しく印象的な「出発」からはじまり、「こんな日」は、ギターサウンドが全面に出てくるロック色が強いアレンジに。さらに「たぬきにもみえる」では、打ち込みのサウンドを導入したりしています。

アレンジの面で最も印象的だったのが、バンドサウンドと美しいストリングスの対比が印象的だった「6度目の夢」や、打ち込みと生音を対比させ、独特の世界を感じさせる「メロディ」あたりでしょうか?また、「街ノート」のように、彼女たちの曲としてはメロディーにもアレンジにもインパクトを持たせたナンバーもあり、このアルバムの核として成立していました。

なんか、やさしいメロディーラインの中に、一本の芯として、強いアレンジをもってきたような、そんなアルバムでした。アレンジが多彩だった分、いままでの空気公団のアルバム以上に幅を感じる作品で、「融」と並んで彼女たちの傑作といっていいアルバムだったと思います。ポップスシンガーとして、そしてそれ以上にバンドとしての底力を感じる傑作でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

未来へのたすき/あみん

復帰第2弾となるアルバムなのですが、しかし、どの曲を切っても金太郎飴みたいな内容(^^;;おおいなるマンネリといってしまえばそれまでなのですが、それにしても、もうちょっとパターンがあった方がいいのでは??岡村孝子ソロもそうだったけど、さすがに最後まで聴くと飽きる・・・。

評価:★★★

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