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2008年12月 2日 (火)

矢野顕子の魅力が存分に発揮された傑作

Title:akiko
Musician:矢野顕子

akiko

矢野顕子の新譜が実に素晴らしい。

グラミー賞を受賞したプロデューサー、T・ボーン・バーネットを迎えたことでも話題となった新作。タイトルも、いわばセルフタイトルなだけに、彼女のこのアルバムにかける思いも感じることが出来ます。

もともと、T・ボーン・バーネットというプロデューサーは、アメリカン・ロックのプロデューサーだそうで、アルバムには、ロック志向が見て取れます。鳴り響くハードなギターに、重いビートを刻むドラムス。そして、そんなバンドサウンドに上を自由に動き回る、矢野顕子の個性的なピアノの音色が実に魅力的です。

レッド・ツェッペリンの「胸いっぱいの愛を」や、THE DOORSの「People Are Strange」などのカバー曲は、特にそれらのロック志向を強く感じますが、その他にも、低音が響く「いいこだね」や、明るいポップな曲の中のハードロックなテイストが魅力的な「変わるし」など、ロックテイストの楽曲が並んでいます。

しかし一方で、アメリカン・ロック志向でありながらも、東洋的な、不思議なサウンドメイキングになっているのが特徴的。矢野顕子の個性的で、エキゾチックな雰囲気のボーカルやピアノが、単純なアメリカン・ロックに留まらせない曲の広がりを生み出しています。

弦楽器とピアノの音色が東洋的な雰囲気を出している「The Long Time Now」や、中国風な雰囲気のアレンジが、矢野顕子の声に実にマッチしている「Evacuation Plan」など、前半はエキゾチックな雰囲気の曲が並んでいました。

矢野顕子の独特なボーカルを、王道のロックともいえるアレンジと見事に対比させ、矢野顕子のボーカリストとしての魅力を上手くいかしながらも、バンドサウンドが楽曲としての深みをさらに深化させています。間違いなく、矢野顕子の代表作のひとつとなる傑作でしょう。そして、今年を代表する1枚にもなりうる作品だと思います。デビューから30年以上たちながらも、いまだに最前線で活躍する、彼女の実力と魅力をふんだんに取り込んだアルバムでした。

評価:★★★★★

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