「世界観」を聴かせるバンド
Title:UROBOROS
Musician:Dir en grey
最近は、海外での人気の高まりが話題となる彼ら。今回の新譜は、アメリカでも発売され、ビルボードで200位以内にランクインするなど、徐々にその人気を確実なものとしています。
ただ、彼らの楽曲に関しては、正直、リスナーを選びそうだなぁ、という印象は強く受けます。
まあ、もともと、彼らの演っている、メタル、ハードコアというジャンルはただでもリスナーを選ぶのですが、それに加え、彼らは、ある種の「世界観」を聴かせようとするタイプのバンド。それはそれで彼らの持つ大きな個性であり強みなのですが、リスナー層を限らせてしまう諸刃の剣だったりします。
しかし、そんな点を差し引いても、このアルバムからは、その実力とオリジナリティーを感じさせます。メランコリックな雰囲気のメロディーラインから、一転、ハードなデス声と爆音を繰り出すアンバランスさは独特の面白さを持っています。
メタルやハードコアといったジャンルのミュージシャンって(偏見かもしれないけど)少々自らのジャンルを限定してしまい、マンネリに陥りがちな中、彼らは、ポップの要素を入れてきたり、「STUCK MAN」では、ファンクのリズムを取り入れたりとフットワークの軽さを感じます。
正直、「リスナーを選ぶ」という観点からすれば、私自身も決して「好み」のジャンルではないのですが、ハードコアやメタルが好きなら聴いてみて損のない作品だと思います。少々歌謡曲的な部分も含め、個性と捉えられ、海外で評価されるのも納得の新作です。
評価:★★★★★
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