手堅いポップソング
Title:バースデー
Musician:スネオヘアー
スネオヘアーの曲って、いつも思うのですが、ポップで聴きやすいんですが、手堅くて、華がないんですよね。
このアルバムもそう。「共犯者」や「夏になったら帰ってきてね」は、ギターロックで耳障りがいいのですが、マイナーコード主体で、地味に仕上がっていますし、「電話」なども同じく疾走感あるポップスなのですが、マイナーコード。アップテンポな曲調が楽しめるチューンは「LOVE YOU」くらいでしょうか?
ここ最近、他人への楽曲提供やプロデュースなどが上手くいっている関係上、彼はあくまでも職業作家主体へとシフトしているのかなぁ。デビュー当初以上に、「売り」の姿勢が後ろに下がっている印象を受けます。まあ、確かに、「スネオヘアー」という名前のユニークさと裏腹に、さほど楽曲にユーモアさが入っておらず、いわば「華」の部分が薄いだけに、自分で曲を歌うよりも、他のミュージシャンへの楽曲提供が、彼にとっての適性なのかもしれません。
そこらへんを差し引くと、確かによく出来たポップスアルバムだと思います。ギターロック主体なのですが、ギターのアルペジオが印象的な「気まぐれな季節のせいで」や、アコースティックサウンドで歌い上げる「スターマイン」など、しっかり聴かせる曲もアルバムの中に配置されていて、メロディーメイカーとしての実力も発揮しています。
全体として、地味な印象はぬぐえないものの、よく出来たポップスアルバムだと思います。安心して聴ける1枚でした。
評価:★★★★
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