「売り狙い」も悪くはないと思うけど・・・。
Title:Unreal
Musician:flumpool
配信限定でリリースされた「花になれ」がauのCMソング、「Over the rain」がドラマ主題歌と、大型タイアップが続き、大プッシュ売出し中の4人組バンド。このアルバムは、オリコン2位にランクインし、見事ブレイクを果たしました。
そんな感じで、「売り」に走っているバンド、という言い方をしてしまうといやらしいのですが、インディー時代は本人たちが作詞作曲を手がけていたにもかかわらず、前述の2曲は、職業作家による手が加わるなど、少々「露骨」さを感じてしまいます。
いや、強調しておきたいのですが、個人的にはこの手の商業主義は否定しません。商業主義的にお金をかけた方が、素晴らしい曲を生み出していくケースも少なくありません。
ただ、私が好きではないのは、「所詮、この程度の曲でリスナーは喜んで飛びつくだろう」という狙いが見え隠れする、やっつけ仕事的、あるいは既存の楽曲のコピーのような曲を平気でリリースしてくるようなケースで、彼らの作品にも、そういう「狙い」が見え隠れしてしまいました。
はっきりいえば、彼らの楽曲は、Mr.ChildrenやBUMP OF CHIKENあたりのギターロックを軽くなぞっただけのポップス。耳障りはいいものの、面白さもオリジナリティーも皆無。歌詞にも何らひねりが感じられません。
ただ、その中で、唯一彼らの可能性を感じられるのは、このアルバムの中で、一番(というよりも唯一)良い曲に感じられたのが「labo」というインディーズ時代にリリースしたシングルで、これが彼らが作詞作曲を手がけたという事実。少々アシッドジャズ風味を取り入れている部分、the band apartをはじめとした、いまどきのバンドのフォロワー的なものは感じるのですが、それでも、メロディーラインなどに面白みを感じることが出来ました。
そういうことを考えると、ポテンシャルはあるバンドなのかもしれません。ただ、売り急いでいる感は否めません。もっと、ライブとかで場数を踏んで、徐々に成長していけば、おもしろくなるバンドだと思うのですが・・・。
今後の成長次第では可能性も感じる・・・といったところでしょうか?しかし、現段階では、正直少々辛い内容のミニアルバムでした。
評価:★★
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