職人技その2
Title:Vitamin C
Musician:COIL
最近は、他のミュージシャンへの楽曲提供や、福耳への参加などでの活躍が目立ち、ミュージシャンとしての活動がご無沙汰していましたが、福耳がリリースした、COILへのトリビュートアルバムと同時発売で、待望のニューアルバムがリリースされました!!7月にリリースした「ギャルソン」はセルフカバーアルバムだったので、純然たるオリジナルとしては、約3年ぶりということになりました。
基本的には、ポップなメロディーが楽しめる、パワーポップあるいはギターロック系の作品が並んでいるのですが、どの作品もメロディー、アレンジともにしっかりと作りこまれているのが特徴的。メロディーラインは決して派手ではないものの、耳に残るフックをどこかに必ず潜ませており、聴いた後に、どこか印象に残る作品に仕上げています。
また、女性ボーカルをフューチャーしたバラード「あんのうん」や、アコギにピアノ、ストリングスを入れて、美しいアレンジを聴かせる「虹に記憶」、パンキッシュな「マボロシ」など、ギターロック主軸ながらも、様々なジャンルを取り入れてきて、音楽の幅を持たせているところも彼らの実力所以。
その中で一番彼ららしかったのが、「AWA」というナンバーで、「あわ ブクブクブクブク」という、そのまんまのユニークな歌詞が頭に残ります。また、ファンクのリズムに挑戦しており、このアルバムの流れの中で、ひとつのインパクトとなっています。
ポピュラリティー、ユーモア、挑戦心、いろいろな観点で、ある種の「隙のなさ」を感じるアルバムで、これぞ「職人技」を感じさせてくれます。(ちなみに、前作「ギャルソン」のCD評でタイトルを「職人技」としたので、今回は「その2」で・・・)ただ、これは「ギャルソン」でも感じたのですが、彼らの唯一の欠点は、華のなさなんだよなぁ(失礼!)。そういう意味では、ここ最近の傾向のように、他のミュージシャンへの楽曲提供を今後は主軸にしていくことになるのかなぁ。とはいえ、COILとしての新譜も是非是非聴きたいところ!次はもっとリリース間隔を短くして、新譜を待ってます!!
評価:★★★★★
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