純粋に音楽が好きなんだろうなぁ。
Title:ファイヤーエイジ
Musician:ザ・クロマニヨンズ
ヒロト&マーシーのコンビは、ブルーハーツ→ハイロウズ→クロマニヨンズ とそのバンドの形態を変えるごとに、その音楽がどんどん「純化」しているように感じられます。
「純化」ってのはどういう意味か、というと、変な理屈や小難しい理論や狙いを抜きに、純粋に音楽を奏でることを楽しんでいる、ということ。このアルバムでもそう。変な理屈やら、ロッキンオンが喜びそうな「物語」抜きで、裏表なくロックンロールを楽しんでいるなぁ、という印象を強く受けます。
そこらへんは、曲のタイトルが如実に物語っています。1曲目「エイトビート」から、そのまんま。内容も、そのまま軽快なエイトビートの楽曲。その他にも「ゴーゴーゴー」や「ニャオニャオニャー」など、ヘタな理屈など無用といわんばかりのタイトルが並んでいます。
しかし、音楽が純化していく一方で、音楽性には幅と深みがより出てきているように感じます。以前から、単純にパンクだけではなく、背景に様々な音楽性を感じられた彼らですが、本作でも、パンク、ハードロックといったジャンルのみならず、「スピードとナイフ」では軽快なモータウンサウンドの要素を取り込むなど、ロックの枠組みに捕らわれない音楽性を見せてくれています。
「音楽は楽しければいいんだ!」という主張が聞こえてきそうな、本当に楽しいアルバムでした。今後も彼らはたくさん音楽の楽しさを私たちに伝えてくれそうです。
評価:★★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2008年」カテゴリの記事
- 堀込弟脱退!(2013.03.03)
- マイラバらしい作品(2009.12.26)
- ロックンロールの楽しさを伝える(2008.12.30)
- がんばる真夜ちゃん!(2008.12.28)
- 手堅いポップソング(2008.12.27)
コメント