第2のミスチルを作りたいのか?
Title:風のクロマ
Musician:レミオロメン
「粉雪」で大ブレイクしてからのレミオロメンって、小林武史が、第2のミスチルを作りたがっているような感じがしちゃうんですよね。
様々な音を入れて、スケール感を増したアレンジといい、ポップで聴きやすく、バラードも積極的に取り入れてくるメロディーラインといい、インディーズ時代のライブハウススケールのポップスバンドから、一気にスタジアムレベルのバンドに持ち上げてこようとする意図を、随所に感じてしまうんですよ。
でもなぁ、レミオロメンって、ミスチルと根本的に違うタイプのバンドだと思うんですよね。
例えるならば、ミスチルが「僕たちと君たち」という歌を歌うバンドならば、レミオロメンは「君と僕」という歌を歌うバンド。あえていえば、ミスチルというよりもスピッツにタイプが近いバンドに感じます。
だから、ミスチルのように、スタジアムバンドスケールで作られたアルバムって、すごく違和感を覚えるんです。そして最新作のこの作品もそんな違和感を覚えてしまいました。1曲1曲は悪い曲ではありません。ただ、中途半端にスケール感をアレンジに与えて、曲も必要以上に万人受けを狙った結果、面白みのないアルバムになってしまいました。
この路線は、どう考えてもインディーズ時代に感じたレミオロメンの良さを生かしているとは、どうしても思えないんだよなぁ。プロデューサーを変えて、別の方向性を目指したようないいと思う。このままじゃあ、せっかくの才能がもったいない・・・。
評価:★★★
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コメント
まだ本作は聴いてないんですけど、やっぱり方向性は変わらずですかー。
この間の童子兄さんじゃないですけど、敏腕の小林武志ともあろうものが、
今のレミオロメンの音の凸凹加減の違和感に気付かないはずない、
自分の評判も落ちるし誰一人得する者がいないことぐらい把握できていると思ってるんですけどねー。
何だかんだ言ってある程度の売れ行きは確保できるんでしょうし、
音楽業界的に彼らを手放せない何かがあるんでしょうね。
メジャーシーンって辛そうです。
投稿: 501 | 2008年11月 8日 (土) 03時00分
ここのところのレミオロメンを見ていると、
『粉雪がピークになってしまう恐さ』
を感じずにはいられません。
もともと、オリジナリティのあったバンドが、
有名プロデューサーによって画一化されてしまうというのは見ていて辛いものがあります。
こういう売れ方をして、消えていったアーティストも多いわけで……
『小林武史の音』が嫌いなわけではないですし、ある程度の『いい歌』は作っているように感じます。
けれど、彼らには、小林武史を踏み台にするぐらいの気持ちで、『レミオロメンの音』を作って欲しいと感じてしまいます。
投稿: everblue | 2008年11月 8日 (土) 08時59分
>501さん
小林武史って、昔、渡辺美里のプロデュースを手がけた時もそうだったのですが、なにげにミュージシャンとあわない時って、全然あわないんですよね。
ひょっとしたら、小林武史とレミオロメンって、本質的にあわないタイプなのかもしれないです。ちょっと残念。もっとシンプルな曲を聴かせてほしいなぁ。
>everblueさん
「粉雪」がピーク・・・としたら本当にざんんです。
小林武史自体、癖のあるプロデューサーなだけに、本人たちも強く癖を出さないと厳しいんでしょうか?このまま消えていったら本当に残念です。
彼らも、小林武史を踏み台にするくらいにがんばってほしいですね!
投稿: ゆういち | 2008年11月 8日 (土) 23時27分