特別な作品
Title:Atlas
Musician:上田現
今年3月、肺ガンのため急逝した上田現が、HDの中に残していた音楽を基に、仲間たちが完成されたラストアルバムです。
正直言って、「未発表音源」を周りが完成させた作品だけあって、完成度という側面ではあまり高くありません。そりゃもちろんプロの仕事。ある一定以上の水準に到達していることは間違いないんですが、ボーカルと周りの演奏のバランスが少々チグハグな部分もあったりして、上田現自体が最後まで完成させていたらなぁ、なんてことを思ってしまいます。
ただ、なんかね、やはりこのアルバム、そんな評価などぶっ飛ばすくらいの、「思い」を感じてしまうんですよね。
志半ばで、この世を去らなければいけなかった上田現の最後の結晶を完成させようとする仲間たちの思いを。
そして、そんな上田現が残した楽曲自体は、とてもよく出来ているんですよ。ジャンルもロックからレゲエ、スカ、さらにシューゲイザーっぽい曲まであったりして、幅広い音楽性に、音楽に対する真摯な愛情を感じることが出来るポップチューンの数々。最後の最後までミュージシャンとして生きた一人の男の生き様を感じることが出来ました。
レピッシュや上田現に対する思いいれの深さ次第で、このアルバムに対する感情もかわってきそうですね。個人的には正直、そんなに大ファンというわけではなかったのですが・・・それでも何か、伝わってくるものがある作品でした。
評価:★★★★
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