ポップス路線
Title:Just a Souvenir
Musician:Squarepusher
前にも書いたと思うのですが・・・「エレクトロニカ」やら「ポストロック」やら、いわゆる「実験的」といわれる音楽をやっているミュージシャンの難しさは、その「実験性」を継続しなければならない点だと思います。
しかし、斬新な音楽は簡単に見つけられるわけではありません。そこで、「実験性」に行き詰まったミュージシャンはどんな選択をするのか。
Squarepusherが出した答えは、実験性を残しながらも、ポップ路線に走るという答えでした。
「Star Time2」から、YMOを彷彿とさせるようなテクノポップ路線からスタート。その後、「A Real Woman」はPOLYSICS、というよりDevoを彷彿させるようなニューウェーヴパンクですし、「Delta-v」は、デジタルパンクといった感じでしょうか?いずれもポップで聴きやすい作風に仕上げています。
一方では、「Aqueduct」「Potential Govane」のような、音響派、ポストロック風の作品や、フリージャズ風の「Duotone Moonbea」のように、ある一定の実験性持ち合わせており、リスナーを飽きさせません。
前作「Hello Everything」から、次の一歩を探し続けている感はありましたが、本作では、ある種のマンネリに陥ることなく、かといって必要以上にセルアウトすることなく、次のベクトルを見つけ出すことに一定の成功をおさめたといえるのではないでしょうか。
先駆性や斬新さという側面では少々物足りなさも感じてしまうのも事実。そういう意味では、もろ手をあげて絶賛できる作品ではないのですが・・・最後まで飽きることなく、その独特な世界を十分楽しめる作品でした。
評価:★★★★
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