ポップで勢いはあるけど。
Title:SHAKALABBITS
Musician:SHAKALABBITS
初となるセルフタイトルのアルバム。
セルフタイトルの作品・・・つまり、これぞSHAKALABBITSとしてのスタイル、と主張している訳です。デビュー当初のスカパンク的な位置付けから離れて、ハードロックのスタイルをより鮮明にして久しい彼女たち。本作も、ハードロックを主軸にしながら、キャッチーなメロディーと軽快なリズムでポップな楽曲を展開していく、という、ここ最近のSHAKALABBITSとしてのスタイルを、忠実に守り続けています。
ただ、一方で、彼女たちが取り入れているスタイルである、ハードロック主軸のポップスロックというのは、80年代後半以降の売れ線のポップスロックの典型的なスタイル。ハードなギターリフを積極的に取り入れることで、バンドサウンドを前に押し出すことにより、いかにもJ-POP的なビートロックになることをたくみに避けようとしており、それはそれで効果をあげていますが、全体的には、よくありがちな平凡なポップスロックという枠組みからは抜け出していません。
個人的には、このタイプのガールズロックは嫌いじゃないのですが、積極的にお勧めできるか、といわれるとビミョー・・・(^^;;サウンドもメロディーも、もうひとひねりふたひねり欲しいところです。
評価:★★★
そしてかつて彼女たちが呼ばれていた「スカパンク」というジャンル。同じガールズロックながらも、今、「スカパンク」で注目を集めているのが彼女たちです。
Title:What a Wonderful World! vol.1
Musician:オレスカバンド
海外でのライブ活動などでも注目を集める彼女たち。
平均年齢が20歳以下という抜群の若さが、いい意味での勢いに反映され、軽快なスカパンクを聴かせてくれます。また、スカパンクのサウンドの中に、一本の筋として通っている、ギター主体のバンドサウンドがしっかりとした土台付けをしていて、安心して聴いていられる音作りをしています。
ただ、全体的には、スカパンクバンド全体としての傾向なのかもしれませんが、少々単調気味なのが気にかかるところ。もっとも、本作は、わずか6曲入りのミニアルバムということもあって、単調さなど気になる前に最後まで聴ききってしまいますが。
評価:★★★★
で、同じく「勢いはあるけれど・・・」と気になったのが彼ら。
Title:DEATH or GLORY
Musician:Radio Caroline
バンドサウンドに関しては、随所にカッコよさを見せてくれるのですが、どうも一方で、メロディーの平坦さが気にかかります。メロディーの不備をサウンドで補っている・・・という見方も出来るのですが、曲によっては、サウンドも後ろでただ鳴っているだけ、という印象も受けてしまい、どうもいまひとつ、Radio Carolineとしてのカッコよさが上手く出せていないのではないでしょうか?確かに「ポップで勢いはあるけど」それプラスアルファに欠ける作品でした。
評価:★★★
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