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2008年10月28日 (火)

セルアウト

Title:12 Love Stories
Musician:童子-T

12 Love Stories

「売りに走った」。こう批判されるミュージシャンは、古今東西後を立ちません。しかし・・・

ここまで露骨なセルアウトははじめて見ました・・・(^^;;

例えばDragon AshだとかRIP SLYMEだとかも、セルアウト(=露骨に「売り」に走ること)と批判されることはよくあります。しかし、彼らの場合は、ポップな路線でヒットシーンに殴りこみをかけ、HIP HOPというジャンルを広めていこう、という確固たる意志を感じます。そしてなによりも、彼らの場合は、彼らが売れることによって、結果、彼らのやっている音楽が「売れ線」になった訳で、決して、最初から「売れる音楽」を計算していたわけではありません。

しかし、今回の童子-Tの作品の場合は全く話が違います。女性ボーカルによるラブ・バラードに薄いラップを重ねる楽曲-最近で言えば、青山テルマの「そばにいるね」などのヒットによって、「ヒットチャートの王道」ともいえるタイプの楽曲をあえてリリース。それも、以前はハードコア路線だった彼が、その路線を変えてまで、リリースしています。

つまり、露骨に「売れること」のみを目的とした楽曲な訳です。

正直言うと、ここまで露骨にセルアウトを行う、というのは逆になんかの意図があるのでは?と思ってしまいます。特にHIP HOPというシーンは、他のジャンル以上に、セルアウトという行為を嫌うジャンル。それだけに、ひょっとしたら、このセルアウトは何らかの目的があって、あえてやっているのでは?なんて思ってしまいます・・・例えば、これで「ファン」を増やし、次回作で、ハードコア路線に戻すことにより、彼が本当にやりたい音楽を、できるだけ多くのリスナーに聴かせるために、あえて「売れ線」のアルバムを作った、とか・・・。

はっきりいって、このアルバムに限れば、「売る」ことだけを露骨に狙った薄っぺらい楽曲ばかりで、何らおもしろみがありません。それだけに、こんなアルバムをつくった意図を、聞いてみたいくらい。ある意味、次のアルバムにその答えはあるのかも。とりあえず、以下の評価は、このアルバムだけでの評価なのですが、次のアルバムが逆に楽しみになってくるようなアルバムでした。

評価:★★

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アルバムレビュー(邦楽)2008年」カテゴリの記事

コメント

出た究極のセルアウト作品(笑)
しかもこのアルバム、一年前に出したアルバムからの再収録の多いこと多いこと…。確かにここまで露骨な作品もありませんよねえ。

かつては全国のB-BOYの憧れであった「童子兄さん」から、すっかり「童子兄さん(笑)」へと変貌を遂げた彼ですが、予想通りここまでやっても大してブレイクしていない辺り、やはり今の状況を自虐的に楽しんでいるんじゃないかと勘繰ってしまいます。とんだドM。

レーベルにもかつての朋友達にも愛想を尽かされたであろう現状から、どんな目論見があるのか…
確かに非常に楽しみな存在ですね。

投稿: 501 | 2008年10月29日 (水) 00時06分

「他力本願アルバム」として、スタッフ内で話題の作品です(笑
でもこれが、それなりに売れてしまっています。
例によって、東北の店舗で売り上げが高いのですが…
これは想像なんですけど、地方って都市部に比べて車を使う人が多いので、
音楽を聴く場も車内である人が多いと思います。
そうすると求められるのは「車内で気軽に聴けるBGM」で、
たとえば完成度の高い作品やオリジナリティのある作品より、
耳触りのよい、当たり障りのないCDが都市部より売れるのかなぁと。
(こないだのLGYのアルバム然り…)
なんか、こういうの好きそうな田舎ヤンキーっぽい車多いし(笑

この作品に関しては、レコード会社にやらされたんだと思いますが、
こういった女性ボーカル+男性ラップでヒットした楽曲が
ことごとくユニバーサルミュージック製であることに、
なんだかなぁと思ってしまいます。
ひとつ当たれば同じものを次々と…って方針は浅はかだなと…。

「アイのうた2」も同社より出ますしね。
このタイトルどうなの。(笑

投稿: ブラックシープ | 2008年10月29日 (水) 01時58分

自分もちょっとこれには驚きました。
どうみても青山テルマとSoulJaの二番煎じにしか見えなかったシングルでも驚いたんですが、それはそれ、これはこれとして、アルバムではしっかり本来の自分を見せてくれるはず・・・と思ってたので・・・。

もし、次回作で本当の自分をみせるための前振りだとしても、なんか大掛かりすぎませんか・・?
大人の事情であのシングルを出す羽目になったとしても、ヒットした流れを逆に利用して、自分の本来の路線のアルバムを聴かせるという手もあるだけに、わざわざこういうアルバム1枚作ってというのも・・・。本当に売りに走っちゃったのかなぁ。

個人的にSoulJaはその辺りしっかりできていた印象なんですけどねぇ。

投稿: 亮 | 2008年10月29日 (水) 14時01分

>501さん
本当に、ここまで酷いと、逆に何か目的があるのではないかと思います。
ある意味、これからが楽しみかも(笑)。
そして、これが何気にヒットしてしまってるのも皮肉ですよね・・・。

>ブラックシープさん
確かに、ユニバーサルミュージックの作品が多いかもしれないですね。
何かあるのかなぁ。
東北地方の売上が多いってのも、確かにドライブミュージック目的の購入が多いのかもしれないですね。そこらへん、もっと追及すれば、ひょっとしたらおもしろいデータが出てくるかも(苦笑)。

>亮さん
Souljaは何気にいいバランスを保っていたんですよね。だからこそ、個人的には大絶賛の作品だったのですが。
いや、本気で次の作品の前ぶりとは思っていないんですが(笑)、でも、それにしてもここまで露骨なのは何か訳があったのでは、と思ってしまいます。

投稿: ゆういち | 2008年10月29日 (水) 22時53分

Dragon Ashもリップもヒップホップじゃありません。

Dragon Ashは音楽追及してますよ↑

投稿: にゃ | 2008年11月26日 (水) 03時07分

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