まじめな1枚
Title:YELLOW
Musician:電気グルーヴ
約8年ぶりとなった新作「J-POP」のリリースからわずか半年。早くも電気グルーヴのニューアルバムが発売となりました。
前作「J-POP」では、電気グルーヴの「ユーモラス」な部分を後ろに下げ、テクノミュージシャンとしての実力をいかんなく発揮した作風になっていましたが、続く本作も、前作と同様、テクノミュージシャン電気グルーヴとしての実力を全面に押し出したような作品に仕上がっていました。
とはいってもそこは電気グルーヴ。「Mole~モグラ獣人の告白」や、「どんだけtheジャイアント」などといった作品では、不条理ギャグテイストのユニークな歌詞も聴かせてくれており、ここらへんは、電気グルーヴのユーモラスの側面を楽しみにしている人も満足できるかもしれません。しかし、ここらへんの作品も、ボーカルが後ろに下がり、打ち込みのサウンドが前に出てくるような楽曲構成。歌詞もあくまでもリズムの一環としてしあげられていて、あくまでもストイックな音楽を追求する内容に仕上がっています。
今後のライブの定番アンセムとなりそうな、ダンサナブルな「Area Arena」や、ディスコチューン「The Words」など、心地よいダンスチューンもちりばめられていて、全体的にはフロア志向のアルバムになっていたように感じました。ただ、一方では、前作の「モノノケダンス」のような、コアになりそうなインパクトのある曲は見当たらず、そういう面においても、安易なインパクトあるメロディー、サウンドに頼らないストイックな姿勢を感じるアルバムでした。
前作「J-POP」とあわせて、あくまでもミュージシャン電気グルーヴの本質をむき出しにしてきた傑作アルバムだったと思います。その実力をいかんなく感じさせてくれた作品でした。
評価:★★★★★
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