ポップスの理想形
Title:Expressions
Musician:竹内まりや
デビュー30周年を記念してリリースされた、竹内まりやのオールタイムベスト。シンガーソングライターとしての竹内まりやだけではなく、ソングライターとしての竹内まりやも意識したベスト盤らしく、薬師丸ひろ子に提供した「元気を出して」や、河合奈保子に提供した「けんかはやめて」など、他の歌手への提供曲のセルフカバーも積極的に収録されており、竹内まりやのオール・ワークスに対するベスト盤となっています。
内容の良し悪しに関しては、いまさら言うまでもないと思います。珠玉のポップスの連続。ただ、驚くことは、この30年の間で、クオリティーにほとんど変化がない、という点です。30年前のデビュー直後の、まだあくまでも「シンガー」だった時代の曲も、ここ最近のヒット曲も、並列に聴いていてほとんど違和感がありません。
しかし、ポップソングを歌い続けていても、ほとんどマンネリを感じさせないというのは、やはりメロディーセンスの良さゆえんなのでしょうね。決して派手な曲ではありません。派手ではないからこそ、勢いみたいな部分に頼らず、あくまでもメロディーの良さで勝負をしている。その結果が、このような、エバーグリーンのポップスを多く産み出すことになったのでしょうね。
また、これはベスト盤のライナーツノートにも書かれていたのですが、彼女の場合、周りにも本当に恵まれていますね。「シンガー」だった時代から、一流のポップス職人による名曲を歌い続け、その後も公私共にパートナーとなった山下達郎の全面バックアップを受け続ける・・・特に、天性のポップス職人山下達郎のアレンジは、もちろん竹内まりやのベスト盤でも、光輝いています。
3枚組というフルボリュームですが、最後まで飽きることなく聴けてしまいます。ポップス好きならまずは抑えておくべきベスト盤でしょう。
評価:★★★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2008年」カテゴリの記事
- 堀込弟脱退!(2013.03.03)
- マイラバらしい作品(2009.12.26)
- ロックンロールの楽しさを伝える(2008.12.30)
- がんばる真夜ちゃん!(2008.12.28)
- 手堅いポップソング(2008.12.27)
コメント