世界観にさらなる磨きをかけて
Title:パルス
Musician:THE BACK HORN
メジャーデビューから既に7年目。立場的には「中堅」の彼らですが、ここに来て、人気が急上昇してきています。
きっかけは昨年リリースされたシングル「罠」が、アニメ「機動戦士ガンダム00」のテーマ曲となり、チャート9位を記録したこと。しかし、この手のアニメタイアップはしばしば、ファンが極端に曲にだけつき、ミュージシャンとしてのファンがほとんどつかないケースが往々にしてあります。
しかし、その後リリースしたベスト盤が、なんと初のベスト10ヒットを記録。次のシングル「覚醒」もチャート15位と好成績を記録し、そしてこのアルバムは、初登場5位を記録。アニメタイアップでつかんだファンもしっかりと取り込んで見事ブレイクを果たしました。
でも、その理由もこのアルバムを聴くとわかる気がするんですよね。
このアルバム、いままでのアルバムに比べて、とてもわかりやすいポップな内容になっています。
なんてこと書くと、「売りに走ったか?」と思われそうなのですが、そうではなくて・・・
例えば歌詞。あいかわらず徹底して日本語のみで綴った内容なのですが、悲しみや苦しみが多い世界の中で、それでも前向きに生きていこうというメッセージが、よりストレートに伝わってきます。
シングル「覚醒」でも
「僕らはいつだって独りじゃない ここに居るよ
未来がどんな遠くても
世界が目覚める あの夜明けに手を伸ばすよ
溢れる本当の想い重ねて」
(「覚醒」より 作詞 菅波栄純)
とストレートながら心に響く内容になっています。
そして例えばメロディー。マイナー調主導のコード進行は基本的にかわらないものの、音がよりメロディアスに、ポップになっているように感じました。いい意味で、垢抜けたかも。また、アレンジも比較的シンプルで、より彼らの主張が伝わりやすい内容になっていたと思います。
アルバムの内容の出来と、人気の動向が一致する、これほど幸せな結果はありません。彼らにとってもファンにとってもとても幸福な1枚。まだまだTHE BACK HORNの快進撃は続きそうです。
評価:★★★★★
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