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2008年10月

2008年10月31日 (金)

ここが帰着点?

Title:ルート3
Musician:FREENOTE

ルート3

デビュー当初は元気のよいガールズパワーポップ、1stアルバムはサブカル系方面に進み、2ndアルバムは一気に売れ線系のポップス路線・・・なんか「迷走」という言葉がこれほどピッタリ来るバンドも珍しいかもしれませんが(苦笑)、最新作はまた路線を変えてきました。

最新作は、しっとりとした聴かせるポップス路線。AORテイストやシティーポップの影響すら垣間見れる作品で、デビュー以来感じさせるメロディーのポピュラリティーは随所に感じられるものの、デビュー当初の元気の良さはすっかりとなりをひそめてしまっています。

でも、これもまた、完全に迷走だよなぁ・・・。

ソウルテイストをどこか感じる「東京ラブストーリー」など、おもしろさや新たな一歩を感じさせるような曲もあったのですが、全体的には、メロディーにしろアレンジにしろおもしろさがなく、FREENOTEとしての個性を出せたとは言い難い作品でした。

これが3枚目。これが帰着点なのでしょうか?ただ、この作品のレベルなら、もっともっと超えなくてはいけない壁は多そうです。それに、そろそろメジャー契約が切れちゃいそうな雰囲気も・・・。次回作で成長を感じられるのか、楽しみですが、出せれるのか?次回作・・・。

評価:★★★

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2008年10月30日 (木)

ロックに対する純粋な愛情

Title:ウツセミ
Musician:Plastic Tree

ウツセミ(初回限定盤)(DVD付)

最近、また人気を盛り返してきているビジュアル系というジャンル。その音楽性にはいろいろとあるものの、ビジュアル系といわれるバンドのうち多くは、ヘヴィーメタルからの影響を受けたバンドが主流でした。

そんな中で、数少ない、オルタナ系ロックからの影響を受けたバンドが彼らPlastic Tree。バンド名もRADIOHEADの曲名から取られていることからもわかるとおり、90年代のイギリスギターロックからの影響を顕著に感じるバンドです。

以前から、そんなオルタナ系ロックからの影響を隠すことなく曲に反映されてきた彼らですが、最新作である本作は、その影響をさらに強く感じます。あまりにストレートなその姿勢は、ほほえましさを感じるほどでした。

イントロ的な1曲目に続く2曲目の「ウツセミ」から、My Bloody Valentine直系のシューゲイザーサウンド。その後も前半は、90年代前半のマンチェスタームーブメントやその後のブリットポップあたりの影響を感じるストレートなギターロックが続きます。この時期のバンドの影響を受けた日本のバンドは多いのですが、今なおここまでストレートな影響を感じるバンドは数少ないのではないでしょうか。

一方で後半も、「斜陽」はTALKING HEAD、「GEKKO OVERHEAD」ではTELEVISIONの影響をストレートに感じます。露骨な影響は、一歩間違えれば「パクリ」呼ばわりされそうですが、彼らの場合、その愛情ゆえでしょうか、決して嫌味にならず、純粋に楽しむことが出来ました。

相変わらずの鼻にかかった歌い方は抵抗を感じる方も多いでしょうし、正直、オリジナリティーという側面では、少々物足りなさはあるのですが、メロディー、アレンジともに、普段ビジュアル系を聴かないような層も楽しめる1枚だと思います。

90年代のビジュアル系ブームの時期にデビューし、ここ最近、再び人気が上昇。このアルバムもベスト10ヒットを記録しています。90年代のビジュアル系ブームの数少ない生き残りの彼らですが、この作品を聴けば、その理由が、決してビジュアルだけではない、バンドとしての実力と実感できると思います。今後もまだまだこの人気は続いていきそうです。

評価:★★★★

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2008年10月29日 (水)

もはや音楽番組?

・・・と思ったのはアルバムチャート1位のアルバムで・・・。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

まずはシングルチャート。今週1位を獲得したのは、Hey!Say!JUMPの「真夜中のシャドーボーイ」。これでデビューから4作連続の1位で、本作は、前作の初動16万枚を上回る、初動21万枚のセールスを記録しました。

以下、今週は初登場曲がズラリと並んだ今週のチャート・・・

2位福山雅治は初動11万枚と健闘ながらも、ジャニーズの壁に阻まれた模様。

3位はAKB48。異常ともいえる、なりふり構わない販売方法が話題になっているみたいですが、ここまで来ると、結局、ファンも共犯、という感じがしないでもないですが・・・(^^;;スタイルは昔のおにゃんこクラブから全く進化がなくて、いつまでもこういう売り方が通用してしまう点(以前にも述べたとおり)今の音楽シーンの限界を感じてしまうのですが、一方で、「大声ダイアモンド」というタイトルだけは、今風ですね・・・。

4位mihimaruGT、5位中川翔子、7位堀江由衣、9位GARNET CROW。ここらへんはコンスタントにベスト10ヒットは飛ばすものの、「大ヒット」には結びつかないタイプ。ただ、意外とここらへんが、しっかりと固定ファンをかかえて、地道に強かったりするんですよね、最近。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

で、冒頭のコメント。今週のアルバムチャート1位は、最近、羞恥心などをアイドルユニットを産み出して話題となっている、フジテレビ系バラエティー「クイズ!ヘキサゴンII」のコンピレーションアルバム「WE LOVE ヘキサゴン」が見事に1位を獲得しました。バラエティー系のコンピレーションアルバムとしは史上3作目だそうで、前回は、1991年の「やまだかつてないテレビ」のコンピレーション・・・って懐かしいなぁ、おい。KANの「愛は勝つ」をヒットさせた番組ですね。

2位に相変わらず強い竹内まりやをはさんで、3位は、オーストラリアの人気ハードロックバンドAC/DC「悪魔の氷」がランクインしています。彼らのファンも根強いですね。しかし、邦題がすごいなぁ・・・ちなみに原題は"Black Ice"だそうです。

5位のSHAKALABBITSは、意外と根強い人気を見せていますね。かつての同胞の175Rとは対照的に(苦笑)。

7位に入ってきたのがドラマCD「ヘタリア ドラマCD第一巻」。なにか人気のアニメかなぁ、と思ったら、Web漫画出身のドラマCDらしいですね。最近は、Web初のヒットが、いよいよ本格的になってきたなぁ。

9位初登場は福耳「10th Anniversary Songs~Tribute to COIL」で、あのオフィスオーガスタ所属ミュージシャンによるユニット福耳のニューアルバム。タイトルの通り、同じくオフィスオーガスタ所属で、福耳の一員でもあるCOILに捧げるというスタイルのアルバム。COILが好きな私としてはうれしい企画で、人気は低くても実力のあるユニットをしっかり取り上げる点、オフィスオーガスタの良さを感じます。ただ、同日にCOILもアルバムを発売しているのですが、こちらは残念ながらベスト50に入っていませんでした・・・COIL、もっとがんばってほしいなぁ。

で、最後。10位にはさだまさしのアルバムがランクイン・・・って、えー?ちなみに本作は、美空ひばりのカバーアルバムという企画盤だそうです。同日には、中西圭三、THE ALFEE、SEAMOによるさだまさしのトリビュートアルバムも発売。ベスト10ヒットしちゃうだけの人気があるんですね。ちょっと意外ながらも、根強い人気を感じさせます。

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2008年10月28日 (火)

セルアウト

Title:12 Love Stories
Musician:童子-T

12 Love Stories

「売りに走った」。こう批判されるミュージシャンは、古今東西後を立ちません。しかし・・・

ここまで露骨なセルアウトははじめて見ました・・・(^^;;

例えばDragon AshだとかRIP SLYMEだとかも、セルアウト(=露骨に「売り」に走ること)と批判されることはよくあります。しかし、彼らの場合は、ポップな路線でヒットシーンに殴りこみをかけ、HIP HOPというジャンルを広めていこう、という確固たる意志を感じます。そしてなによりも、彼らの場合は、彼らが売れることによって、結果、彼らのやっている音楽が「売れ線」になった訳で、決して、最初から「売れる音楽」を計算していたわけではありません。

しかし、今回の童子-Tの作品の場合は全く話が違います。女性ボーカルによるラブ・バラードに薄いラップを重ねる楽曲-最近で言えば、青山テルマの「そばにいるね」などのヒットによって、「ヒットチャートの王道」ともいえるタイプの楽曲をあえてリリース。それも、以前はハードコア路線だった彼が、その路線を変えてまで、リリースしています。

つまり、露骨に「売れること」のみを目的とした楽曲な訳です。

正直言うと、ここまで露骨にセルアウトを行う、というのは逆になんかの意図があるのでは?と思ってしまいます。特にHIP HOPというシーンは、他のジャンル以上に、セルアウトという行為を嫌うジャンル。それだけに、ひょっとしたら、このセルアウトは何らかの目的があって、あえてやっているのでは?なんて思ってしまいます・・・例えば、これで「ファン」を増やし、次回作で、ハードコア路線に戻すことにより、彼が本当にやりたい音楽を、できるだけ多くのリスナーに聴かせるために、あえて「売れ線」のアルバムを作った、とか・・・。

はっきりいって、このアルバムに限れば、「売る」ことだけを露骨に狙った薄っぺらい楽曲ばかりで、何らおもしろみがありません。それだけに、こんなアルバムをつくった意図を、聞いてみたいくらい。ある意味、次のアルバムにその答えはあるのかも。とりあえず、以下の評価は、このアルバムだけでの評価なのですが、次のアルバムが逆に楽しみになってくるようなアルバムでした。

評価:★★

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2008年10月27日 (月)

ボーカリストとして

Title:kiss
Musician:chara

kiss

前作からわずか3ヶ月というインターバルでリリースされたCharaのニューアルバム。

本作は、5曲入りのミニアルバムで、映画「蛇にピアス」の主題歌「きえる」に、「きえる」を、Charaの世界観で歌詞を書き下ろした、アナザーリリックバージョンの「kiss」、さらにミュージカルアニーに使用されている「Tomorrow」、サザンオールスターズの「Ya Ya(あの時代を忘れない)」、そしてシンディー・ローパーの「Time After Time」の3曲のカバーが収録されています。

そんなカバー曲を中心に収録した企画盤であるから当たり前かもしれませんが、本作は、ボーカリストとしてのCharaを強く全面に打ち出したアルバムでした。彼女の、舌たらずの甘い雰囲気ながらも力強いボーカルが特に印象に残るアルバムで、アレンジなどをシンプルに仕上げることによって、より彼女のボーカルが前に出てくるような構成になっていたと思います。

5曲だけなのであっという間で、特に派手な展開などもありませんが、彼女の力強いボーカルが、非常に印象に残るアルバムでした。ボーカリストとしての彼女の実力を感じられるミニアルバムです。

評価:★★★★★

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2008年10月26日 (日)

東京と京都

Title:COVER GIRL2
Musician:つじあやの

COVER GIRL2(初回限定盤)(DVD付)

4年前にリリースされた「COVER GIRL」に続くカバーアルバムの第2弾。

今回の作品でユニークなのは、CD2枚組となる本作は、1枚目が「tokyo side」、2枚目が「kyoto side」と名づけられている点。「tokyo side」は、バンドアレンジなども加わった、実験的な作風に、そして「kyoto side」は、彼女の地元、京都の街角で、ウクレレ1本の演奏で録音された、アットホームなカバーが収録されています。

実験的な「tokyo side」は、それゆえに、出来不出来の差が大きい印象を受けました。いろいろな意味でユニークだったのが、1曲目のm-flo「come again」のカバー。もともとは、ハウスのアレンジの作品で、フロア志向の強い曲を、無理やりアコースティックテイストにカバーした本作は、決して成功しているとは言い難いのですが、彼女のチャレンジスピリットを感じる問題作といえるカバーでした。

一方、名カバーだったのが2曲目松田聖子の「SWEET MEMORIES」でしょうか。もともとからメロディーの優れたナンバーなのですが、変な飾りつけなしのアレンジや歌い方が曲にピッタリマッチし、より曲の良さを際立たせていました。

「kyoto side」の方は、京都の街角で録音したということで、街の騒音も一緒に録音されているのがとてもユニーク。また、おそらく選曲も、彼女が本当に気に入っている曲なんでしょうね。いい意味で肩の力が抜けたカバーに仕上がっていました。

まあ、こちらは「意外な視点に驚かされる」ようなカバーはなかったのですが、どれも原曲を大切にしていることが伝わる、丁寧なカバーに仕上がっていたと思います。彼女の人柄も伝わってくるような、そんなカバーでした。

2枚組にわけることにより、より幅の広いカバーに挑戦することのできたアルバムに仕上がっていました。ただ、どの曲も、メロディーや歌詞をしっかりと大切にしたカバーになっていて、彼女の音楽に対する真摯な姿勢が伝わってくるカバーだったと思います。決して派手なヒットを飛ばしているわけではなくても、つじあやのというミュージシャンが強い支持を受けている理由がわかるような、素敵なカバーアルバムでした。

評価:★★★★★

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2008年10月25日 (土)

音楽性の広さを感じる

Title:23
Musician:RYTHEM

23

23歳となった2人がつくりあげたアルバム・・・

23歳かぁ。若いなぁ(笑)。

ただ、もうデビューから5年が経過しているんですよね。5年といえば、ミュージシャンのキャリア的には既に「中堅」の領域。そして、事実このアルバムも、以前の作品に比べて、より音楽的な「幅」を感じられる作品に仕上がっていました。

まず目立つのが、キマグレンとのコラボレートによる「Love Call」。キマグレンという他のミュージシャンとのコラボにより、曲の幅がグッと広がっています。

また、RYTHEMといえば、アコースティックな印象も強いのですが、本作では、「東京メトロガール」ではいきなりイントロ、エレクトロサウンドからスタート。中田ヤスタカの影響すら感じられるサウンドに驚かされます。

その後も「Joyful」はアメリカンハードロック風、「Like a Friend」はニューオーリンズジャズ風、そして「Banana moon」では、またシンセのサウンドを用いてくるなど、音楽性の広がりを強く感じさせてくれます。

一方では、「首すじライン」のような、ストリングスのアレンジが印象的なバラードナンバーなど、RYTHEMらしい作風も貫かれていて、根本の部分はいままでと変わっていないなぁ、とも感じられます。

メロディーやアレンジといった部分では、既に女性ポップスシンガーの中では、トップクラスの実力の持ち主ではないでしょうか?ただ、一方、少々弱さを感じてしまったのが歌詞。もちろん、彼女の等身大のリアルなラブソングが楽しめます。しかし、少々ドラマ性が弱く、ハッとさせられるような描写には出会えません。ポップスシンガーとしては、やはりもうひとひねりふたひねりの歌詞が欲しいところ。今の歌詞も決して悪い訳じゃないんですけどね・・・大ブレイクまであと一歩足りないのは、この歌詞のような印象を受けました。

評価:★★★★

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2008年10月24日 (金)

国内盤は発売中止だってさ

Title:Perfect Symmetry
Musician:KEANE

Perfect Symmetry

Keaneといえば、ピアノを中心としたバンドサウンドのアレンジに、叙情的なメロディーラインが心に響くバンド・・・

なのですが、本作では、1曲目からそのイメージと大きく異なるサウンドからスタートします。

1曲目「SPIRALLING」は、80年代ニューウェーヴを思い起こさせるような、シンセサウンドが全開のチューン。その後「THE LOVERS AND LOSING」もニューウェーヴテイストの強いサウンドですし、いままでと違った雰囲気の曲風に戸惑わされるのではないでしょうか。

その後、タイトル曲でもある「PERFECT SYMMETRY」「YOU DON'T SEE ME」のようなピアノが印象的に用いられた、「KEANEらしい」曲もあるものの、全体としては、ニューウェーヴテイストの強い、いままでの彼らとは少々異なる作風のアルバムになっていました。

う~ん、おそらく、いままでと違う雰囲気の曲調にチャレンジした結果だとは思うんだけど、なんでこんな中途半端な挑戦しちゃうかなぁ。

確かに、ロックバンドとしては、「マンネリ」をおそれるというのはすごくわかるんだけど、中途半端に自分のスタイルを変えるくらいなら、「大いなるマンネリ」の方がよほど魅力的だと思うんですけどね。

特にKEANEはしっかりとメロディーで勝負できるバンド。それだけに、中途半端な挑戦は、彼らの音楽にとって、雑音になっちゃうと思うんですよね。

今回、国内盤が直前に販売中止になったみたいですが、確かに、私が日本のレコード会社の担当者としたら、このアルバムの発売は躊躇しちゃうなぁ。メロディーの良さは本作でも随所に感じられるだけに、ちょっと残念な作品でした。

評価:★★★


ほかに聴いたアルバム

GRADUATION/KANYE WEST

ポップで、ほどよく最先端のサウンドも使われていて、とてもバランスの良さを感じました。ただ、良作ではあるけども、傑作か、といわれると、無難にまとめられすぎて、少々物足りなさも感じるかも。

評価:★★★★

T.I. vs T.I.P./T.I.

T.I.が、T.I.P.という別人格を作り上げて、両者の対比という形でつくりあげたアルバム。力強いリリックとサウンドが印象に残りました。歌詞の内容とか、詳しくはわからないけど、人気の理由はなんとなくわかる気がする作品。

評価:★★★★

ECHOES,SILENCE,PATIENCE&GRACE/FOO FIGHTERS

カントリー色が強く、全体的にポップステイストの強い作品。一方で、力強い骨太のロックンロールも聴かせてくれ、幅広いリスナー層に支持されそう。

評価:★★★★

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2008年10月23日 (木)

ZEEBRAの功績と限界

Title:The Anthology
Musician:ZEEBRA

The Anthology(DELUXE EDITION)

キングギドラ結成から15年。日本のHIP HOPシーンの中心で、いまなお活躍を続けるZEEBRAのオールタイムベストが発売されました。豪華3枚組となる本作では、1枚目2枚目ではZEEBRAソロとしての作品を収録し、3枚目では彼が客演した曲や、キングギドラとしてのナンバーも収録された、ZEEBRAとしてのオール・ワークス・ベストとなっています。

彼の作品をあらためて聴いてみてまず感じるのは、やはり彼の実力は、日本のHIP HOPシーンの中で頭ひとつ出ているな、ということでした。トラックのカッコよさやバリエーションの多さといい、リリックの強度、展開のおもしろさといい、なによりも、その上でポップにまとめあげているバランス感覚といい、日本でも実力あるHIP HOPシンガーが続々とデビューしている中でもなお、ZEEBRAの実力というのは、まだまだ日本のトップクラスであることは間違いないでしょう。

そしてそんな彼が、「セル・アウト」という非難をおそれずに、積極的にメディアに露出し、HIP HOPという音楽を広めていっていること、そして、(決別してしまいましたが)Dragon AshやRIZE、ドリカムや安室奈美恵といったポップ・アイコンとも積極的にコラボレートしていき、HIP HOPリスナーの裾野を広げていること、それこそが、彼の最大の功績ではないでしょうか。おそらく、HIP HOPという音楽を一気に日本の音楽シーンの中心に押し出したのは、Dragon Ashかもしれませんが、その後も決して単発ヒットで終らせることなく、日本においてもジャンルのひとつとして定着させたのは、ZEEBRAというミュージシャンがいたから、という点が大きいと思います。

ただ一方で、このベスト盤では、ZEEBRAの限界も強く感じてしまいました。

ZEEBRAの限界、それは、彼のスタイルがあくまでもアメリカのシーンなどの模倣の枠組みを出ておらず、日本独自のHIP HOPスタイルを築くところまで至っていないという点でした。

そのため彼の曲はカッコよさや耳なじみやすさは感じられても、他では聴けないような新鮮さ、という面では、少々物足りなさも感じます。また、文化や歴史が全く違うアメリカからの模倣を行っているため、そのスタイルが様式化してしまっている点が見受けられるのも彼の限界かもしれません。実際、HIP HOPがヒットシーンに定着してから、10年もたっていないのに、例えば、いかにもB-BOYスタイルの男性が、手を上げて「Yo-Yo」みたいに言っているスタイルが、様式化されたHIP HOPのスタイルとしてバラエティーなどで時として嘲笑されているのも、アメリカの模倣からいまだに抜け出せていない点を揶揄されていると取れるかもしれません。

また、彼自身も「悪そうな奴と大体友達」といいながらも、途中でドロップアウトしたとはいえ、慶應附属に幼稚舎から通っていたおぼっちゃん。そういう育ちのよさが随所に感じられ、アメリカのHIP HOPに感じられるような、ストリート文化のやばさみたいな部分があまり感じられないのも限界と言えるでしょう。

で、ここまで書いていて思ったのは、ZEEBRAの限界って、ZEEBRAのスタイルをパクって、決別したDragon Ashの降谷建志がかかえている限界と全く同じだよなぁ。ZEEBRAが降谷建志と決別したのは、ある種の同族嫌悪なのか??(苦笑)

評価:★★★★

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2008年10月22日 (水)

音楽界はいまだ韓流ブーム??

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

「韓流ブーム」といえば、一時期、おばちゃん勢の間で爆発的なブームとなり、その後、沈静化。最近ではほとんど話題にならなくなりました。

しかし、ヒットチャートではいまだに韓国ブームが続いている様子。今週は1位東方神起「呪文-MIROTIC-」、2位イ・ビョンホン「いつか」、そして4位リュ・シウォン「君と僕」と、3組の韓国系シンガーがランクインしています。

ブームというよりも、完全に定着した感すらありますが・・・どちらかといえば、ヒットシーンの市場が小さくなって、一部の熱烈なファンの支持だけでも、ヒットチャートの上位に食い込めるようになった、という感じでしょうか?ある意味、今どきのヒットチャートらしいと言えるかもしれません。

一方対する日本勢は、3位新垣結衣「赤い糸」、5位いきものがかり「プラネタリウム」と、シンガーとしては少々小粒か?ガッキーの新曲はコブクロのカバー。いきものがかりは相変わらずの健闘ぶりですね。

6位ASIAN KUNG-FU GENERATION「藤沢ルーザー」。11月にアルバムが予定されている影響もあるかもしれませんが、少々苦戦気味ですね。ここらへんで頭打ちなのかなぁ。

9位仙台貨物「うまなみで。」は、ビジュアル系バンドナイトメアの別名のコミックバンド。奇抜なパフォーマンスも大きな話題のバンド、らしいです。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

強いですね・・・アルバムチャートは、竹内まりやが3週連続の1位獲得。7万枚の売上を確保しており、2位以下をダブルスコアで引き離しています。このヒットはまだまだ続くか?

以下、今週初登場組は、いわゆるサブカル方面のミュージシャンがずらり。その中で、見事2位を獲得したのが、最近、人気急上昇中の9mm Parabellum Bullet「VAMPIRE」!以前から、その実力が話題となり、人気を伸ばしてきましたが、ついに新作は2位まで上りつめました。今後のロックシーンをひっぱっていくバンドになるか?

3位にはクロマニヨンズ「FIRE AGE」、4位EGO-WRAPPIN'「ベストラッピン1996-2008」、6位THE PREDATORS「牙をみせろ」そして9位に電気グルーヴ「YELLOW」がそれぞれランクインしています。

EGO-WRAPPIN'は、最近、ちょっと名前がご無沙汰だったような印象があります。で、久しぶりにリリースされたのがベスト盤・・・ちょっと気になるリリースパターンです。

電気グルーヴは9位かぁ・・・ちょっと苦戦気味かも。前作とのインターバルが短すぎたのが原因でしょうか??

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2008年10月21日 (火)

まじめな1枚

Title:YELLOW
Musician:電気グルーヴ

YELLOW(初回生産限定盤)(DVD付)

約8年ぶりとなった新作「J-POP」のリリースからわずか半年。早くも電気グルーヴのニューアルバムが発売となりました。

前作「J-POP」では、電気グルーヴの「ユーモラス」な部分を後ろに下げ、テクノミュージシャンとしての実力をいかんなく発揮した作風になっていましたが、続く本作も、前作と同様、テクノミュージシャン電気グルーヴとしての実力を全面に押し出したような作品に仕上がっていました。

とはいってもそこは電気グルーヴ。「Mole~モグラ獣人の告白」や、「どんだけtheジャイアント」などといった作品では、不条理ギャグテイストのユニークな歌詞も聴かせてくれており、ここらへんは、電気グルーヴのユーモラスの側面を楽しみにしている人も満足できるかもしれません。しかし、ここらへんの作品も、ボーカルが後ろに下がり、打ち込みのサウンドが前に出てくるような楽曲構成。歌詞もあくまでもリズムの一環としてしあげられていて、あくまでもストイックな音楽を追求する内容に仕上がっています。

今後のライブの定番アンセムとなりそうな、ダンサナブルな「Area Arena」や、ディスコチューン「The Words」など、心地よいダンスチューンもちりばめられていて、全体的にはフロア志向のアルバムになっていたように感じました。ただ、一方では、前作の「モノノケダンス」のような、コアになりそうなインパクトのある曲は見当たらず、そういう面においても、安易なインパクトあるメロディー、サウンドに頼らないストイックな姿勢を感じるアルバムでした。

前作「J-POP」とあわせて、あくまでもミュージシャン電気グルーヴの本質をむき出しにしてきた傑作アルバムだったと思います。その実力をいかんなく感じさせてくれた作品でした。

評価:★★★★★

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2008年10月20日 (月)

ポップスの理想形

Title:Expressions
Musician:竹内まりや

Expressions (通常盤)

デビュー30周年を記念してリリースされた、竹内まりやのオールタイムベスト。シンガーソングライターとしての竹内まりやだけではなく、ソングライターとしての竹内まりやも意識したベスト盤らしく、薬師丸ひろ子に提供した「元気を出して」や、河合奈保子に提供した「けんかはやめて」など、他の歌手への提供曲のセルフカバーも積極的に収録されており、竹内まりやのオール・ワークスに対するベスト盤となっています。

内容の良し悪しに関しては、いまさら言うまでもないと思います。珠玉のポップスの連続。ただ、驚くことは、この30年の間で、クオリティーにほとんど変化がない、という点です。30年前のデビュー直後の、まだあくまでも「シンガー」だった時代の曲も、ここ最近のヒット曲も、並列に聴いていてほとんど違和感がありません。

しかし、ポップソングを歌い続けていても、ほとんどマンネリを感じさせないというのは、やはりメロディーセンスの良さゆえんなのでしょうね。決して派手な曲ではありません。派手ではないからこそ、勢いみたいな部分に頼らず、あくまでもメロディーの良さで勝負をしている。その結果が、このような、エバーグリーンのポップスを多く産み出すことになったのでしょうね。

また、これはベスト盤のライナーツノートにも書かれていたのですが、彼女の場合、周りにも本当に恵まれていますね。「シンガー」だった時代から、一流のポップス職人による名曲を歌い続け、その後も公私共にパートナーとなった山下達郎の全面バックアップを受け続ける・・・特に、天性のポップス職人山下達郎のアレンジは、もちろん竹内まりやのベスト盤でも、光輝いています。

3枚組というフルボリュームですが、最後まで飽きることなく聴けてしまいます。ポップス好きならまずは抑えておくべきベスト盤でしょう。

評価:★★★★★

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2008年10月19日 (日)

渡辺美里の今

Title:Dear My Songs
Musician:渡辺美里

Dear My Songs

デビュー25周年にむけてリリースされた企画盤。彼女の過去の名曲を、リアレンジしてカバーしたセルフカバーアルバムです。

まず聴いて感じたこと。

ファンとして、こういうことを言うのは禁句かもしれないのですが・・・彼女、歌、下手になってない??(苦笑)

ボーカリストとして類まれなる声量を持っているのは間違いないと思うんです。もちろん音痴でもない。だから安定感があって、安心して聴いていられるボーカルというのは間違いありません。

ただ、感情表現が乏しいというのか、どの曲もパワフルなボーカルに頼っていて、少々ワンパターンな感じがするんですよね。下手すれば、声量は少々乏しいものの、初々しくくて、それが強みになっていた、初期の頃の方がボーカリストとして特徴があってうまかったかも?とも思ってしまうくらいで。

それだけに、曲によっては、原曲の方がよかったのでは?なんて思ってしまう曲もチラホラ。

もうひとつ、アレンジに関しては、よく出来たアレンジと、酷い出来だったのが二極化しているように感じました。

「Lovin' You」とか「悲しきボーイフレンド」などはもとの曲の良さを生かした、いいアレンジだったと思います。

一方で、酷かったのがまず「PAJAMA TIME」。あのメロディーで、ニューオリンズジャズ風のアレンジってのはありえないだろ?曲の雰囲気をズタズタにしていて、曲とアレンジの雰囲気が乖離している酷いアレンジでした。

そして一番酷かったのは「悲しいね」でした。もともとメロディー自体がドラマチックな曲なのに、アレンジを、あんなサスペンスドラマばりの仰々しいアレンジにしてしまっていて、全体のバランスがすごく悪くなってしまっています。

全体的に小室哲哉作曲の曲に関してはアレンジが酷かったなぁ。小室哲哉の曲って、もともとからドラマチックだから、アレンジは少々抑え目の方が曲が引き立つと思うのですが、どのアレンジもアレンジャーの自己主張を強くした結果、曲としてバランスが悪くなっていました。

原曲がよいナンバーが並んでいるだけに、聴いていて楽しめるアルバムだったのは間違いありませんが、セルフカバーとしては、いまひとつ・・・というより曲により差が出てしまったアルバムでした。渡辺美里の今が、いい意味でも悪い意味でもわかるアルバムだと思います。

評価:★★★★

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2008年10月18日 (土)

基本的には原点回帰なんだけど・・・

Title:MADE IN LOVE
Musician:TRICERATOPS

MADE IN LOVE(初回限定盤)(DVD付)

ポップなメロディー

軽快なギターリフ

踊れるロックンロール

いずれもTRICERATOPSというバンドを象徴するキーワードです。

TRICERATOPSというバンドは、いままでの楽曲はほとんどすべて、このバンドのテーマともいえるキーワードを主軸とした楽曲をつくってきました。

今回、avexに移籍してはじめてとなるこのアルバムは、まさにこのキーワードを主軸とする、TRICERATOPSの原点に戻ったアルバムといえるでしょう。

アルバムのイントロともいえる1曲目に続くのは、ギターリフを主軸としたアップテンポな曲が展開される、まさにTRICERATOPSの王道ともいえる「FUTURE FOLDER」からスタート。その後も「PYRAMID CRASH」「LOONY'S ANTHEM」といった、アップテンポな踊れるロックンロールナンバーが続いていきます。

また、一方で「FOREVER」「MILK&SUGAR」など、ミディアムテンポで聴かせるナンバーも、美メロを特徴とするトライセラの真骨頂ともいえるナンバー。緩急つけた展開が楽しめます。

そしてラストの「MADE IN LOVE」がまた、実に彼ららしいアップテンポなダンスチューン。楽曲のタイトルも歌詞も、TRICERATOPSというバンドを象徴するようなナンバーで、これをタイトルチューンとしてもってくるあたり、彼らがavexに移籍し、原点回帰をはかっているんだなぁ、ということを強く印象づけられます。

で、それだけに悪いアルバムでないのは事実なんだけど・・・

正直言うと、残念ながら、大絶賛というアルバムではなかったような印象を受けます。

まず第一の理由は、原点に戻ってきたけど、次に彼らがどこへ向かうのか、いまひとつわからなかった点だと思います。

原点回帰という以上、原点に戻った上で、デビュー時のアルバムとは異なる、次のアプローチを感じる側面がほしいところ。ただ、残念なことに、このアルバムからは、次に彼らが向かう先がいまひとつ見えなかったような印象を受けます。

そしておそらく最大の理由が、デビュー当初の、神がかったようなポップなメロディーを本作ではあまり感じられなかった点でしょう。

原点回帰する以上、あの名曲「Raspberry」と比べてしまうことになるのですが、「Raspberry」はもちろん、あのデビュー時期の神がかったようなポップなメロディーと比べると、本作の曲は、確かにポップで印象に残る曲が多いのは間違いありませんが、少々弱く感じてしまいます。

間違いなく、ファンを楽しませることのできるアルバムだったと思います。ただ、原点回帰し、次の一歩となるべきアルバムとしては、少々弱い部分が残ってしまったアルバムにも感じられました。いいアルバムには間違いないと思うのですが・・・。

評価:★★★★

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2008年10月17日 (金)

おいしいところどり

Title:NO DOUBT!!!-NO LIMIT-
Musician:LGYankees

NO DOUBT!!!−NO LIMIT(初回限定盤)(DVD付)

この作品で、いきなりベスト10ヒットを記録し、ブレイクした仙台出身のHIP HOPユニット。

本作にも収録されている「Dear Mama」では、なんと小田和正をフューチャーし、話題を呼びました。

で、私はこのアルバムではじめて彼らの曲に触れたわけですが

なんか、いまどきのHIP HOPユニットだなぁ
(HIP HOP自体が「いまどき」なのでは?という突っ込みはなしの方向で)

というのは、あくまでもポップであることを主眼として、いろいろなスタイルを取り込んでいるんですよね。

パーティーチューンの「PARTY UP!!」から、しっとりバラードナンバーの「Bye for Now」「Eternal」「Pure Hope」は思いっきり社会派だし、「Because...」は、女性ボーカルをフューチャーした、青山テルマあたり以降のいまどきの売れ線ポップス。

トラックもハードコア風あり、ディスコチューンあり、ポップ風ありと様々。ここらへんのいい意味でも悪い意味でも節操のない感じが、いまどきの雰囲気を感じました。

ただ、結局のところ、どの路線もいまひとつ中途半端。既存のスタイルを取り込んだというレベルに過ぎないため、いまひとつ彼らとしての個性を出せていないように感じました。

どの曲もポップで聴きやすく、「売れ線」なユニットかもしれません。ただ、少なくともここから何かはじまりそう・・・という雰囲気は伝わらなかったなぁ。もうちょっとLGYankeesしかないものを出さないと、フェイドアウトしちゃいそう。

評価:★★★

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2008年10月16日 (木)

あの頃の君はすごかった・・・

Title:B'z The Best "ULTRA Treasure"
Musician:B'z

B'z The Best “ULTRA Treasure”(3CD)

デビュー20周年を記念してリリースされたベスト盤の第2弾。本作は、ファン投票により選ばれた楽曲を収録しています。

まず、このベスト盤に対して一言あるとすれば・・・

1曲目の「BLOWIN'」から、5曲目「恋心(KOI-GOKORO)」までの展開は、まさに神がかっています。

「もう一度キスしたかった」など、ここまで歌詞とメロディーがうまく一致しているバラードって、お目にかかったことありませんし、「恋心」は、歌詞、メロディーともに文句なしの名曲。

いや、ここらへんの曲って、自分が中高生のころに聴いた曲なんで、やはり思い入れがあるから、過大評価しているのかなぁ・・・と思いながらその後を聴いたのですが・・・

その後の曲を聴けば聴くほど、この頃のB'zって本当にすごかったんだなぁ、と実感しました(^^;;

というのも、その後の曲って、基本的にこの時代に確立したB'zらしさを、縮小再生産し続けているんですよね。

まあ「F・E・A・R」「DEVIL」のように、へヴィーなサウンドを推し進めることによって、新たな境地を切り開こうとした曲もあるんですが、結局ここらへんの曲って、アメリカのへヴィーロックのスタイルの模倣の域を出ず、冒頭の5曲のような、へヴィーロックのスタイルを模倣しながらも、B'zらしいポップスに仕上げている曲とは、ちょっと違いました。

結局、最近の曲も、最初の頃の曲の縮小再生産路線に戻ってしまっていますし。

とりあえず、最初の5曲を聴くだけでも損のないアルバムだと思います。

評価:★★★★

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2008年10月15日 (水)

ヒットシーンの問題点

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は、チャート1位から3位が初登場で独占しました。

1位は倖田來未「TABOO」。続く2位にはポルノグラフィティ「Love,too Death,too」、そして3位にはGIRL NEXT DOOR「Drive Away」という結果となっています。

1位2位はともに初動6万枚。少々谷間的な週といった感じでしょうか?ただ、どちらも既に人気のピークを超えたという印象のあるミュージシャンながらも、しぶとく(?)がんばっているなぁ、という感想を持ちました。

で、気になるのが3位のGIRL NEXT DOOR。「globe以来、13年ぶりの快挙」だそうですが、なんでも、「男女混合ユニットによる、2作連続ベスト3入り」という記録を達成したそうです。

どうでもいいようなニッチな記録でさわぎたてるのが実にオリコンっぽくて素敵なのですが(苦笑)、ちょっと気になるのが、このGIRL NEXT DOORというバンド、その売り出し方がglobeの頃から全く変わっていないんですよね。高音のアイドル的ルックスの女性ボーカル+影の薄い男性2人組というスタイルもここ15年近く変わっていないavex系売れ線ユニットのスタイルをそのまま踏襲しているし、テレビにCMを大量に流して、各種タイアップなどとからめてブレイクを狙うというスタイルも、ここ10年以上、かわらない「売れ線」のスタイルです。

でも、移り変わりの激しい社会で、10年来、売るための手段が全く変わっていないというのは、すごく異常な事態だと思います。

また、これこそがCD媒体からダウンロードへと音楽をめぐる状況の変化に、レコード会社がまったくついていっていない証拠ではないでしょうか。そして彼女たちのような商法をとったミュージシャンがそこそこ成功してしまう事実が、ヒットシーンに全く新しい空気が取り込まれておらず、ヒットシーンが停滞してしまっていて、結果、シーン全体の売上が伸び悩んでいる大きな理由ではないかなぁと思います。

そしてベスト10にはあと1曲。10位に秦基博「フォーエバーソング」がランクインしています。派手な大ヒットはありませんが、着実に人気を伸ばしていますね。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週の1位は先週に続き、竹内まりや「Expressions」が1位を獲得しています。2週目にして13万枚を売り上げており、今後のロングヒットも期待できそう・・・。

2位はヒットチャートでもおなじみ、テレビアニメ「マクロスF」のサントラ「マクロスF O・S・T 娘トラ。」がランクイン。相変わらずの強さを見せ付けてくれました。

他には・・・

4位にmelody.のベスト盤「The Best of melody.Timeline」が、8位に藤井フミヤ「F's Kitchen」が、そして10位にHOME MADE 家族「HOME」がそれぞれランクインしています。

(すいません。今回はパソコンの都合でちょっと短めです・・・)

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2008年10月14日 (火)

泣きメロ卒業?

Title:Ode to J.Smith
Musician:Travis

Ode to J. Smith

個人的に、Travisといえば、同じ泣きメロ系(?)のミュージシャンとしてColdplayと重なる点の多いような印象を受けていました。ただ、このTravisの新作と、Coldplayの先日発売された新作を比べると、その違いがかなり際立ってきたよなぁ、という印象を強く受けました。

Coldplayの新作からは、ある種の大物としての貫禄を感じます。それも、スタジアムロック系の大物の風格を・・・同じUKでいえば、U2みたいな、日本でいえばミスチルのような風格を感じました。曲から、そういう大物風の余裕や、あるいはスケール感を覚えることができるんですよね。

一方、Travisの新作からは、そういう大物然とした雰囲気はありません。「Song To Self」のようなスケール感のあるポップスもあるのですが、アルバム全体としては、むしろインディーポップの色合いを強く感じます。タイプ的には、日本でいえばスピッツといった感じでしょうか?曲のタイプは少々違いますが。

また、そういうインディーロックテイストが強くなった大きな理由として、アルバム全体として、力強いバンドサウンドを多く入れてきて、いままでのアコースティックテイストを一変し、むしろグランジロックの雰囲気が強くなったのも大きな理由でしょう。

そこらへんの変化が印象的なのが「Last Words」で、全体的には、以前のTravisらしい、アコースティックなポップなのですが、その間に迫力のあるノイジーなギターサウンドが入ることにより、以前からのイメージとは違うぞ、ということをリスナーに印象づけています。

ただし、一方では、哀愁漂うメロディーの「Quiet Free」「Friends」のような、美メロ、泣きメロも随所に見られ、決していままでのTravisを否定しているわけではありません。むしろ、いままでのTravisの可能性を、さらに引き伸ばしたアルバム、といえるかもしれません。

・・・とはいうものの、いままでの作品に比べると、少々インパクトの面で弱さがあるのは否めないかなぁ、とも思うのも本作。メロディーの印象の薄さをバンドサウンドでおぎなったのか?といじわるな見方もできてしまうような、ちょっと印象の薄さを感じてしまいました。

悪いアルバムではないので、美メロが好きなら、聴いて損のないアルバムです。ただ、個人的には、もう一歩がんばってほしかったかな?次回作に期待。

評価:★★★★

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2008年10月13日 (月)

バンドとして、歌手として

Title:Odani Misako Trio
Musician:小谷美紗子

Odani Misako Trio(初回限定盤)(DVD付)

100sのメンバーとしても活躍している、玉田豊夢、山口寛雄と「Odani Misako Trio」というピアノトリオを結成し、最近はアルバムのリリースを続けている彼女。その「Odani Misako Trio」としての集大成ともいえるベスト盤がこのたびリリースされました。

以前の小谷美紗子ソロで活動していた時にくらべて、やはりピアノトリオでの活動ということを強く意識しているのでしょうか、よりピアノの音色が強く表に出ている他、バンドサウンドとしての音づくりを意識したような構成になっています。

また、ロックのテイストが強く出ている曲が多く、以前より、「ビート」「リズム」を表に出しているようなナンバーが増えているような印象を受けます。先日、ここで紹介した「極東最前線」にも参加するなど、ロックミュージシャンとのコラボレーションやライブイベントの参加が増えている最近、より、ロックに対する興味が増していることが、このベスト盤では、強く感じられます。

ただ、もう一方の特徴として、あくまでも芯を貫いているのは、ボーカリスト小谷美紗子の歌、という点。そのため、バンドサウンドを表に出しているとはいえ、あくまでもボーカルを生かすという構成に終始しており、必要以上にバンドが自己主張はしていません。

楽曲を支配しているのは、あくまでも小谷美紗子の力強く、感情あふれるボーカル。音としてはロックのテイストが強くなった最近の作品ですが、根本に流れるものは、デビューシングル「嘆きの雪」以来、何もかわっていないな、そう再認識できたベスト盤でした。

むしろ個人的には、情熱的だったけど、青臭さの度が過ぎている部分があったデビュー当初より、情熱的な部分を残しつつ、青臭さがなくなってきて、大人になった最近の作品の方について、かなりの進歩を感じます。そういう意味で、もっともっと売れてもいいミュージシャンだと思うんですけどね。これからの活動も楽しみです。

評価:★★★★★

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2008年10月12日 (日)

「普通」のアルバム

Title:Songs in A&E
Musician:Spiritualized

Songs in A & E

Spiritualizedといえば、サイケデリックなポップでリスナーを魅せてくれるミュージシャンです。

しかし、そんな彼の最新アルバムの内容は・・・

うーん、「普通」のポップスアルバム・・・(^^;;

ゴスペル風の雰囲気を持った「Sweet Talk」「Borrowed Your Gun」、ストレートなアメリカンロック風の「I Gotta Fire」、ガレージパンク風のギターサウンドが特徴的な「You Lie You Cheat」など、曲のバリエーションは豊富。一方で、曲の途中で「Harmony」というインタールードをはさんでくるなど、アルバム全体でのまとまりをつくろうとする努力は見受けられます。

ただ、全体として、「よく出来たポップス」という枠組みを超えるレベルでは、残念ながらなかったような感じがします。音の選び方や構成に、特段かわった点やひかれる点は感じられませんでしたし、サイケな世界にトリップできるような音もありませんでした。

よく出来たポップスアルバムなのは間違いないので、ポップスリスナーなら素直に楽しめる出来とは思うんですけどね。Spiritualizedとしては少々物足りないかも。ちょっと残念な作品でした。

評価:★★★

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2008年10月11日 (土)

キング・オブ・男性ソロ(笑)

Title:FUNKAHOLiC
Musician:スガシカオ

FUNKAHOLiC(初回生産限定盤)(DVD付)

以前の作風と比べて、かな~り明るい作風になりましたね。

特に1曲目「バナナの国の黄色い戦争」など、ホーンセッションを全面的に取り入れた、ジェームス・ブラウンばりにファンキーな作品。このリズム感に関しては、ある意味日本人ばなれしていて、ファンクという音楽が、スガシカオの身体にしっかりと染み付いていることが確認できます。

その後もポップで明るい作品が多く、以前のような、内向きな作品に比べると、かなりの路線変更。そのため、本作も、ファンの間では完全に賛否両論みたいです。

で、私個人の感想を言えば、この路線は大好き。もちろん、昔みたいな内向きな曲も好きなのですが、個人的にポップス好きということもあるし、なによりファンキーなリズムが光っている作品も多いし、この作品は名盤だと思います。

ただ、表面的には明るいのですが、歌詞の内容からすると、心の底に、どこか闇があるよなぁ、とも感じてしまいます。

「ねぇ 明日の朝 あなたの心を裸にして 消毒したい
明日の朝 あなたの体の 全ての毛を剃り落としたいの…」

(「潔癖」より 作詞 スガシカオ)

なんて表現、どこか病んでいるなぁ、とも感じますし、

「どこにも居場所がないって思う人 ぼくのこの指とまれ
ムリヤリもう 探さなくていい
希望見つけるのやんなっちゃった人 ぼくとかくれんぼしようよ
必ず君みつけるよ」

(「コノヨビトマレ」より 作詞 スガシカオ)

なんて歌詞がかけるのも、本人がどこかで孤独をかかえている部分があるからなんでしょうね。

賛否両論あるアルバムなのですが、個人的には文句ないしに楽しめたアルバムでした。ポップ路線、暗い路線、どちらもOKなのですが・・・また、名曲を期待しています。

評価:★★★★★

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2008年10月10日 (金)

oasisの宿命

Title:DIG OUT YOUR SOUL
Musician:oasis

ディグ・アウト・ユア・ソウル(初回生産限定盤)(DVD付)

oasisの悲劇、それは音楽史に残る傑作アルバムをつくってしまったことでしょう。それも、デビュー作から2作続けて。

その後も彼らの作品は、その2作と比べ続けられ、また、彼らも、いつまでもその2作品を重い鎖のようにぶらさげながら活動を続けているように感じます。

それはある意味、彼らの最大のライバルblurが、早い段階でブリットポップに見切りをつけ、ローファイ路線にシフトしたのとは対照的に。

本作に関しては、彼らは、過去のメロディー主体の路線から決別し、バンド独自のグルーヴを出してきた、そういうレコ評をよく見られました。

そうかぁ??

いや、確かに本作は、メロディー以上にバンドサウンドで聴かせようとするスタンスを強く感じます。

しかし、方向性としては、音の厚みを増し、音数を増やしてバンドサウンドを表に出させようとする手法。バンドとしての演奏力に頼ったというよりも、構成に頼ったようなサウンドに感じられ、それだけで聴かせるには、少々力不足に感じられました。

・・・・ごめん、力不足はいいすぎ。このアルバム、少なくとも、凡百のイギリスギターロックバンドのはるか上を行く出来なのは間違いないです。このグルーヴ感、おそらく、今のイギリスのバンドの中でも1、2を争うほどだと思います。

それにも関わらずいまひとつはまりきれないのは、このアルバムのバンドサウンドから感じる「ワクワク感」が、1st、2ndのメロディーから感じられる「ワクワク感」にまだまだ及ばないんだよね。

結局、あまりにも1st、2ndが素晴らしすぎた、それこそがoasisのかかえる大きな宿命。また、なんだかんだいっても本人たちも、いまだに1st、2ndを引きずっている点もチラホラ見受けられてしまうのも、どうしても1st、2ndと比べてしまう大きな要因になってしまいます。

そういう意味で、全く別路線に行ってしまったblurは、ある意味正しかったのかもしれません。

単独で見れば間違いなく傑作なんだけどなぁ。ただやはりデビュー当初を考えると、このバンドの力はこんなものじゃないと思ってしまうんですよ!もっと傑作を聴かせてくれ!!

評価:★★★★

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2008年10月 9日 (木)

ブレイクしそこねたミュージシャン

Title:SUPER BETTER BETTER DOG
Musician:SUPER BUTTER DOG

SUPER BETTER BETTER DOG

どーもSUPER BUTTER DOGといえば、ブレイクしそこねたミュージシャンというイメージが強いんですよね。

というのも、音楽ファンの間で注目を集める中、「サヨナラCOLOR」が話題となり、徐々に知名度もあがってきて、このまま行けば・・・・・・

という頃に突然の活動休止。

最近は、CDの売上が全体的に落ちた影響もあり、サブカル系ミュージシャンが続々とヒットを飛ばしていますが、SUPER BUTTER DOGもあのまま行けば、アルバムでチャート1位くらい取れる人気になったんじゃないかなぁ、といまさらながら残念に思います。

そんな彼らもおととし、ライブでの突然の活動再開となったのですが、その後は結局あたらしいアイテムをリリースすることなく、今後は正式な解散発表となりました。

その後発売されたのが本作。彼らいわく、ベストアルバムではなく、ベターアルバムだそうです。SUPER BUTTER DOGのベストは、それぞれファンの心の中にある、ということなのでしょうか?

言うまでもなく名曲が揃った本作。活動前半の作品をまとめたDisc1でも、ファンキーでポップな作品が楽しめるのですが、なんといっても素晴らしいのは2枚目でしょう。

リズムは以前にましてファンキーさを増しています。というよりも、SUPER BUTTER DOGらしいリズムというのを確立してしまっています。なおかつユニークなのが歌詞。「FUNKYウーロン茶」「マッケンLO」など、一度聴いたら忘れられないのと同時に、言葉の選び方も秀逸。特にリズムにピッタリとマッチしていて、リズムと歌詞の相乗効果により、よりファンキーでポップな作品に仕上がっています。

かといって、キラーチューンともいえる「サヨナラCOLOR」のようなしんみりと聴かせるような作品もあったりして・・・これで、なんで大ブレイクできなかったのか、不思議に感じてしまいます。

いまからでも遅くないので、是非とも聴いて欲しいミュージシャンです。メンバーそれぞれのソロでの活躍から考えても、本当にすごいバンドだったんだなぁ。いまさらながら気がつかされました。

評価:★★★★★

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2008年10月 8日 (水)

大物ベテラン強し

タイトルはアルバムチャートで。

今週のシングルチャート
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強いですね~。今週1位はジャニーズ系アイドル、NEWS「Happy Birthday」が初動20万枚で1位を獲得しています。Kinki Kids以来史上2組目のデビュー以来10作連続の1位獲得だそうで、ここ最近のジャニーズ系の勢いを示す結果になりました。

一方2位初登場も、人気声優水樹奈々「Trickstar」が獲得。1位2位ともに固定ファン人気に支えられた、実に最近のチャートらしい結果となっています。

以下、ベスト10のうち7曲が初登場となった今週のチャート。同じく固定ファン人気に支えられた氷川きよしは今週4位という結果に。5位KOH+はご存知福山雅治と柴咲コウによるユニット。最近、よく宣伝されている映画「容疑者Xの献身」の主題歌になっています。

ここらへんは、初動5万枚前後でほぼ並んでいて、そこそこ健闘といった結果に。

以下、チャートラッシュの影響か、売り上げが伸び悩んでしまった曲が・・・

7位のBAReeeeeeeeeeNは大人気のGReeeeNと、BACK-ONというバンドのユニットだそうです。GReeeN人気に比べると売り上げいまひとつなのが気にかかるところ。まあ、もっとも、この手のユニットは、単独での売上を下回るケースがほとんどなので、こんなものなのかもしれませんが。

8位Aqua Timezも、もっと人気あると思っていたんだけどなぁ。前作「虹」が、初動5万5千枚で2位と比べると、今回の初動1万8千枚というのはかなりの落ち込みよう。前作がドラマタイアップという好タイアップというのもあったのですが、この落ち込みようは気になります。

そしてギリギリ10位にCHAGE&ASKAのASKAのソロ作がランクイン。確かに、チャゲアスとしても一時期ほどの人気はないものの、この落ち込みようも気になるところです。

以上。今週は、勢いのあるミュージシャンと、勢いが落ちてきたミュージシャンの差が明確に出ちゃったかなぁ。こういうのって、初登場ラッシュの時によくある傾向なのですよね。まあ、すでにベテランのASKAはともかく、Aqua Timezの落ち込みぶりが気にかかります。


今週のアルバムチャート
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今週の1位、2位は、日英の大物がそれぞれランクイン!

1位は日本から。竹内まりやのベスト盤「Expressions」が見事1位を獲得しています。そして続く2位には、イギリスから。oasisの新作「Dig Out Your Soul」がランクインです。

竹内まりやは、女性シンガーとしては、史上最長キャリアでの1位獲得だそうです。さすが、といったところですが、ただ、日本のポップシーンが成熟してきた、という側面も強い記録で、続くユーミンや中島みゆきも、(オリジナルアルバムはともかく)同じようなベスト盤をリリースしたら、十分1位を獲得できる可能性のあるシンガーなだけに、今後、この記録は次々と塗り替えられそうな感じはします。

もちろん、竹内まりやの実力がすごい、という点では間違いないと思いますけどね。

2位はイギリスの人気バンド。前作は1位を獲得していますが、本作は、竹内まりやの初動30万枚という記録の前に負けてしまいましたね。ただ、前作は初動9万枚売上に対して、本作は初動6万9千枚と、少々落ち込み気味。本作は、メディア等の評判もいいだけに、ちょっと残念なところなのですが・・・。

以下、7位にテレビサントラ「仮面ライダー電王 いーじゃん!いーじゃん!スゲーじゃん!?」が、9位には、最近、チャートでもおなじみの「コードギアス 反逆のルルーシュR2 Sound Episode 4」がそれぞれランクインしています。

そして最後、10位にはSpontania「MUSIC」がランクインしてきました。先日リリースしたシングル「君のすべてに」が、着うた主導で大ヒットを記録し話題となりました。それを考えると、少々厳しい結果かな?ただ、CDでの売上は、最高位7位だったので、それを考えると、それなりにファンは確保できた、といった感じでしょうか?

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2008年10月 7日 (火)

正統派ながら随所にひねりも。

Title:HYPER HYP8R HYPER
Musician:8otto

HYPER,HYP8R,HYPER

最近、よくその名前を聞くようになってきた新人バンドの3作目。ちょっとかわったバンド名ですが「オットー」と読むそうです。

アルバムのプレイボタンを押すと、まずガツンとくる荒い音感のギターからスタート。激しいパンク系のナンバーから、最初は、ガレージパンクのバンドかなぁ、と思いながら聴き進めて行きました。

しかし、その後は徐々にダウナーな感じの曲が増えて、メロディーを聴かせるタイプの曲が増えてきます。タイプ的にはむしろ、シャーラタンズ、the verve、初期RADIOHEADあたりを彷彿とさせるような、イギリスのギターロックの影響を強く感じるような曲が続きました。

ただ、一方では、ガレージパンクような荒々しいギターサウンドを聴かせるようなアレンジも多く、また、その一方では、凝ったサウンドを取り込んでくるなど、一癖も感じさせるような点も。全体的には正統派のギターロックと感じながらも、強烈な個性も随所に感じられました。

もっとも、メロディーのインパクトが少々薄かったり、音にしても、まだまだ強烈にリスナーをアピールできるような面が薄かったりと、まだまだ成長の余地のあるバンドでした。ただ、成長次第では今後が楽しみなバンド。奇妙な名前ともども、どこかひっかかるバンドでした。

評価:★★★★

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2008年10月 6日 (月)

最前線の戦場にて

Title:極東最前線2

極東最前線2

eastern youthが自らリスペクトするミュージシャンたちを誘い、実施しているライブシリーズ「極東最前線」。そのイベントに参加したミュージシャンたちによるコラボレーションアルバムの第2弾が発売されました。

参加ミュージシャンたちを一言で言えば

知っている人は知っている。知らない人は知らない。

といった感じでしょうか?(笑)

ここに並んでいるミュージシャンは決してヒットチャートでおみかけするようなミュージシャンではありません。正直、ロッキンオンあたりでもあまりみかけないかもしれません。

しかし、その名前を知っている人にとっては、その豪華さに驚くような面子が並んでいます。

それも、興味深いのは、eastern youthはハードコアのバンドなのですが、参加ミュージシャンは、必ずしもコア系とは限らないという点。ロックですら限りません。

OWKMJSAKE ROCKはジャズの影響を強く感じるミュージシャンですし、Miscorner/C+Llooqtortionの曲はエレクトロニカやノイズの影響を感じさせます。また、このサイトでもよく取り上げている小谷美紗子はポップス系のシンガーです。

しかし、全員に共通しているのは、どの曲も、単純なポップスやロックではなく、どこか強烈な、ひとひねりふたりねりある個性と、曲の中心に確かな一本の筋を感じる楽曲ばかりなんですよね。おそらくライブでは、強烈な個性がぶつかりあって、すさまじいことになるんだろうなぁ。その片鱗は間違いなくこのアルバムからも感じられました。

個人的には、やはり前述の小谷美紗子と、ゆらゆら帝国の曲が特によかったかなぁ。小谷美紗子は、このアルバムの中で、一番迫力のある感情こもったボーカルを聴かせてくれましたし、ゆらゆら帝国の独特の世界観は、このアルバムの中ですら、異質なものを感じました。

他にも個性的なミュージシャンばかり。おそらく、気に入るミュージシャンを一組、二組と見つけられるでしょう。

評価:★★★★★

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2008年10月 5日 (日)

やわらかな音

Title:BABY'S CHOICE
Musician:TWIGY

BABY’S CHOICE

最近のTWIGYは、前作「AKASATANA」では、PREFUSE73とコラボレートをするなど、エレクトロニカ系へと興味がむかっていました。

しかし、本作はその反動でしょうか、やわらかい雰囲気のトラックの目立つ作品となっていました。

エレクトロ路線への興味は随所に感じられるのですが、生の音を取り入れた音づくりは、暖かさを感じさせます。まあ、アコースティックテイストバリバリのオーガニックサウンド・・・とまではいかないのですが。

また、女性ボーカルをフューチャーし、R&B風ポップス+ラップと、最近の売れ線っぽいポップナンバー「OOO BABY」や、60年代モータウン風のトラックが特徴的な「WUTUWUN?」など、ポップなナンバーも多く、実験性が先立っていた前作とは大きな違いを感じられます。

ただ、一方では「TOAST'N HONEY」のような実験的な要素の強いナンバーも収録されていたり、あらたな可能性の模索も感じ取れました。

あえていえば、ポップな作品はあくまでもポップに、実験的な作品は実験的に、と、ポピュラリティーと実験性の両立という観点からは、バラバラに構成されていて、少々アルバムとしてのまとまりも欠けていたかもしれません。

しかし、様式化しがちな最近のHIP HOPシーンの中で、確固たる個性を感じさせるアルバムなのは間違いありません。TWIGYの音は、まだまだ進化していきそうです。

評価:★★★★★

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2008年10月 4日 (土)

渋谷系とメタルを一緒にしたら?

 Coaltar Of The Deepers/Breastroke - The Best Of Coaltar Of The Deepers

Title:THE BREAKSTROKE
~The Best of COALTAR OF THE DEEPERS

Musician:COALTAR OF THE DEEPERS

先日見に行った、「デトロイト・メタル・シティ」は、渋谷系ポップスを好み主人公が、ひょうなことから、デスメタルバンドのボーカリストとして活動をする話でした。

主人公の好きな「渋谷系」という音楽と、「デスメタル」とのギャップの大きさが笑いのポイントの一つでしたが、世の中は広いもので、渋谷系音楽とメタルを両立させちゃっているバンドがいたりします。

それが彼ら、COALTAR OF THE DEEPERS

当サイトでは以前から応援しているのでご存知の方も少なくないかと。また、最近は、ボーカルのNARASAKIは、大槻ケンジと組んでいろいろと活躍しているので、その名前をみかける機会も増えてきました。

本作は、1998年にリリースされ、その後廃盤となった、初期ディーパーズのベスト盤です。初期ディーパーズの音は、昨年、EP BOXの発売こそありましたが、なかなか聴ける機会がなく、貴重なアルバムと言えるでしょう。

渋谷系とメタルの融合・・・といっても、融合されているのはそれだけではありません。メタル以上に強い要素がシューゲイザーサウンド。甘~いノイジーなギターサウンドに、ポップなメロディーをかぶさるという手法は、The Jesus And Mary Chainを彷彿とさせますが、そこにメタルの要素を加えることにより、ジザメリともマイブラともRIDEとも異なる、独特のサウンドを作り上げています。

最近の作品は、実験的に様々なジャンルの音を取り込むケースが多いのですが、初期ベストの曲は、シューゲイザー直系の楽曲が並んでいます。また、この段階で、既に自分たちの世界を確立していたんですね。日本にも、決してイギリスの模倣ではないシューゲイザーバンドがいたことを、このアルバムを聴いて再認識してほしいです。ギタポ好きはまずは聴いて欲しい作品です。

評価:★★★★★

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2008年10月 3日 (金)

空間で音を鳴らす

Title:I'm not fine,thank you.And you?
Musician:54-71

I'm not fine, thank you. And you?

54-71というバンドを一言で言ってしまうと、「空間で音を鳴らすバンド」と言えるでしょう。

とことんまでそぎ落としたシンプルなバンドサウンドに、淡々としながらも、どこか狂気を秘めたようなラップが乗る。既存のどのロックバンドとも違う、どのHIP HOPグループとは異なる、音世界を作り上げています。

音を最小限までそぎ落としているからこそ、ひとつひとつの音が最大限の主張をなげかけています。また、音と音の間ですら、私たちに何か語りかけてくるよう。どんな音を詰め込んでも、彼らの音から出てくる主張にかなうことはないでしょう。

前作から5年ぶりとなる本作。その路線はかわらなかったのですが・・・

どうもいまひとつ、マンネリ気味に感じられてしまったんですよね。全体的に、音から狂気が薄くなってしまったように感じられます。以前の作品に感じた、1つ1つの音の緊迫感が、この作品では若干薄れてしまったかも。

あまりに音がシンプルなだけに、ミュージシャンの微妙な変化がすぐ音に反映してくるのでしょうか。いままでの作品に感じたすごみが、本作では少々後退してしまったように感じました。

ただ、その点を差し引いても、なお感じられる狂気、研ぎ澄まされた音の主張、やはり唯一無二のバンドだと思います。いままで聴いたことないような音の世界に触れたい方は、一聴を。

評価:★★★★

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2008年10月 2日 (木)

世界観にさらなる磨きをかけて

Title:パルス
Musician:THE BACK HORN

パルス(初回限定盤)(DVD付)

メジャーデビューから既に7年目。立場的には「中堅」の彼らですが、ここに来て、人気が急上昇してきています。

きっかけは昨年リリースされたシングル「罠」が、アニメ「機動戦士ガンダム00」のテーマ曲となり、チャート9位を記録したこと。しかし、この手のアニメタイアップはしばしば、ファンが極端に曲にだけつき、ミュージシャンとしてのファンがほとんどつかないケースが往々にしてあります。

しかし、その後リリースしたベスト盤が、なんと初のベスト10ヒットを記録。次のシングル「覚醒」もチャート15位と好成績を記録し、そしてこのアルバムは、初登場5位を記録。アニメタイアップでつかんだファンもしっかりと取り込んで見事ブレイクを果たしました。

でも、その理由もこのアルバムを聴くとわかる気がするんですよね。

このアルバム、いままでのアルバムに比べて、とてもわかりやすいポップな内容になっています。

なんてこと書くと、「売りに走ったか?」と思われそうなのですが、そうではなくて・・・

例えば歌詞。あいかわらず徹底して日本語のみで綴った内容なのですが、悲しみや苦しみが多い世界の中で、それでも前向きに生きていこうというメッセージが、よりストレートに伝わってきます。

シングル「覚醒」でも

「僕らはいつだって独りじゃない ここに居るよ
未来がどんな遠くても
世界が目覚める あの夜明けに手を伸ばすよ
溢れる本当の想い重ねて」

(「覚醒」より 作詞 菅波栄純)

とストレートながら心に響く内容になっています。

そして例えばメロディー。マイナー調主導のコード進行は基本的にかわらないものの、音がよりメロディアスに、ポップになっているように感じました。いい意味で、垢抜けたかも。また、アレンジも比較的シンプルで、より彼らの主張が伝わりやすい内容になっていたと思います。

アルバムの内容の出来と、人気の動向が一致する、これほど幸せな結果はありません。彼らにとってもファンにとってもとても幸福な1枚。まだまだTHE BACK HORNの快進撃は続きそうです。

評価:★★★★★

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2008年10月 1日 (水)

人気者勢ぞろい

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週のベスト3はいずれも初登場。いずれもチャートの常連が並んでいます。

1位EXILE「The Birthday~Ti Amo~」。初動17万枚。シングルの初動売上としては十分すぎる結果なのですが、アルバムの売上から考えると、少々寂しいかも。浜崎あゆみとか倖田來未なんかもそうなんですが、最近のavex勢って、売上面から人気はあるはずなんですが、誰もが知っているヒット曲が少ないような感じがするんだよなぁ。

2位も人気もの同士のユニット、絢香×コブクロ「あなたと」がランクインしてきています。「WINDING ROAD」以来、2作目。この手の企画モノが2作続くのは、少々珍しいかも。絢香の人気が少々縮小気味なので、テコ入れ的な要素もあるのか?

で、3位がモーニング娘。「ペッパー警部」でした。初動3万8千枚というのは、昔に比べればかな~り寂しいとはいえ、なんだかんだいってもチャート3位に入ってくるの根強い人気はあるんですね。曲はご存知、ピンクレディーの大ヒット曲のカバー。一応、原曲の最高位4位を上回る結果を見せたのですが、向こうは勢いにのってきているデビューシングル、こちらは落ち目だからなぁ・・・(苦笑)。

以上3曲、ベスト10常連がベスト3を締めました。一方、6位に入ってきたのは、これが2作目となるBREAKERZ「世界は踊る」がランクインしてきています。今、いろいろと話題のDAIGOのバンドですね(^^;;前作初登場10位を上回る人気を見せました。もっとも、売上的には前作初動1万5千枚に対して、1万9千枚と微妙な程度の増加なのですが・・・(それでも26%増なので、十分な上昇と言えるかもしれませんが)。

ちなみに彼ら、れっきとしたビーイング系なのですが、ビーイング系の中で今、一番勢いがあるのは(B'zは例外として)彼らでしょうね。それにしてもビーイング系といえば、かつてはシンガーのキャラクター性を徹底的に隠してきていたのに、今や、シンガーのキャラクター性で人気を確保しているバンドが一番人気というのにすごく皮肉を感じます。

初登場はあと2曲。9位に加藤ミリヤ「SAYONARAベイベー」、10位に三木眞一郎 come across ロック・オン・ストラス「永遠の螺旋」がランクイン。10位は「機動戦士ガンダム00」のタイアップ曲ですね。

チャートラッシュも一区切りで、今週は、ここ最近強いロングヒットも見てみたいと思います。

まずはなんといってもポニョ(笑)。映画のヒットももちろんのこと、シングルも今週も8位にランクイン。5位→9位→5位→8位となかなかしぶとい強さを見せています。まだまだロングヒットは続きそう。

そしてMr.Children「HANABI」。こちらも今週4位にランクイン。1位→1位→2位→4位と徐々にランクダウンはしていますが、まだまだロングヒットしそうな予感がします。

また、今後の動向に注目なのが、アンジェラ・アキ「手紙~拝啓、十五の君へ~」でしょうか。3位→5位という動向なのですが、曲の内容が、幅広い層に受け入れられそうなタイプなだけに、ロングヒットの予感がします。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週アルバムチャートで1位を獲得したのが、SMAP「super.modern.artistic.performance」でした。この作品、なんといっても作家陣が超豪華。Perfumeで話題の中田ヤスタカや、久保田利伸、菅野よう子らが参加している他、なんと!あのバート・バカラックも楽曲を提供している超豪華さ。つーか、この作品に限らず、ジャニーズ系って、使っているミュージシャンが結構豪華なんだよね、いつも・・・。

ちなみにこのアルバムでSMAPはアルバム総売り上げ1,000万枚を突破したそうです。これは、CHAGE&ASKAについで、男性ボーカルグループでは2組目・・・男性ボーカルグループ??相変わらずオリコンらしい重箱の隅をつつくような記録なのですが、チャゲアスと同じ括りにするか?フツー・・・。それならば、「男性アイドルグループでは史上初」(だよね、多分)にした方がはるかに響きがいいと思うんだけども、変なところでジャニーズに配慮しているのか??

そして3位には、先日シングル「もう一度」をヒットさせた童子-Tのアルバム「12 Love Stories」がランクイン!彼自身、アルバムでは初となるベスト10ヒット。本格的にブレイクか?

初となるベスト10ヒットといえば、9位のPlastic Tree「ウツセミ」も同様。最近、ビジュアル系が再ブームになりつつあるので、その流れでしょうか?ただ、彼らの場合、既にキャリア10年以上のベテラン。以前からその音楽性は、ビジュアル系の枠組みを超えて評価されていたバンドなだけに、ブームにのったのかもしれませんが、人気が上昇してきているのはやはりうれしい話です。

他には・・・5位「D.Gray-man COMPLETE BEST」。こちらはアニメ「D Gray-man」の主題歌集です。

10位にはマイケル・ジャクソン「KING OF POP」がランクイン。マイケル・ジャクソンのベスト盤なのですが、国ごとに曲が微妙に異なるみたいですね。マイケル・ジャクソンといえば、かつては、このアルバムのタイトルのように言われていたんですよね。最近は、すっかりスキャンダルまみれで、その影がありませんが・・・。

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