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2008年9月 5日 (金)

あらゆる音楽のごった煮

Title:ZERO
Musician:クレイジーケンバンド

ZERO

R&B、ソウル、歌謡曲、ハードロック、シティーポップ、レゲエ、ファンク、ジャズ・・・私が今回のアルバムの中で感じた音楽の要素をざっと並べてみました。いえいえ、これだけではありません。もともと、ありとあらゆる音楽をどん欲に取り入れて、独自の世界を築いている彼らですが、今回は、その傾向がさらに強くなった、まさに「音楽のごった煮」ともいえるアルバムになっていました。

特に前半は、世界中の音楽がひとつに凝縮されたような、ドロドロの濃さが展開されています。

フレンチポップ+歌謡曲風の「猫」に、インド音楽にジャズを加えたような「中古車」に、同じくインド音楽風の雰囲気にレゲエの要素を加えた「夏」。クレイジーケンバンド流ファンクともいうべき「蜂」に、ブラジル音楽の影響を感じる「島の娘」に、バリバリのハードロックが繰り広げられる「魚」と、ありとあらゆる音楽の要素を、クレイジーケンバンド流に調理した作品が続きます。

「人間摩天楼」「宇宙興業」あたりは、ムード歌謡曲風で、クレイジーケンバンドの王道といったところでしょうか。しかし、「福富町ブーガルー」あたりに至っては、昭和歌謡曲を飛び越えて、戦前の流行歌だよなぁ・・・。

こんな濃い展開が続く前半なのですが、後半はうってかわって、さわやかな今風のR&B路線に転換されます。

「音楽力」は、HIP HOPの要素も加わる、まさに今時のR&Bですし、「Smile Again」では、女性ボーカルをフューチャー。前半の濃さとはうってかわって、さわやかな路線へと突き進んでいきました。ここらへんは、前半とは異なるクレイジーケンバンドの側面を見事みせつけてくれています。

70分を超える、CD容量ギリギリのフルボリュームながらも、この濃さのため、聴いていてあっという間。そして、これだけいろいろな曲の要素を取り込みながら、すべてどこか和風にまとめあげていて、しっかりとクレイジーケンバンドとしてのひとつの主軸を作り上げていました。

ひょっとしたら、彼らの最高傑作かも?とまで思える傑作に仕上がっていた作品。前半の濃さゆえに、少々最初、抵抗感を持つ方もいるかもしれませんが、徐々にその世界にはまっていくようなアルバムだと思います。あらためてクレイジーケンバンドのすごさを感じた作品でした。

評価:★★★★★

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