さあ、祝祭の歌を歌おう!
Title:カンテ・ディアスポラ
Musician:ソウル・フラワー・ユニオン
約3年ぶりとなるソウル・フラワー・ユニオンのニューアルバム。
久しぶりの新譜とはいえ、その間、シングルをコンスタントにリリースしていたり、ベスト盤のリリースがあったり、ライブ活動を積極的に行っていたり、と、決してSFUとしての活動が停滞していたわけではありません。
それを示すように、本作も、聴いていて実に楽しく、踊れる曲やハッピーになれる曲の並んだ傑作になっています。
三線の演奏にアカペラが重なるイントロから、一気に高らかに鳴り響くホーンセッションがダンサナブルなリズムを奏でる「月光ファンファーレ」から、実に彼ららしい、祝祭色の豊かな、ダンスミュージックからスタート、アルバムへの期待がいやおうなしに高まります。
ただ、その後に関しては、いままでのアルバムに比べて、チンドン色が薄く、ワールドミュージックの色合いが強い、少々垢抜けた印象すら感じる内容になっていました。
カントリー風の「道草節」や、中東の雰囲気の漂い「パレスチナ」、さらにはインスト曲の「朝ぼらけ」は、ジャズのテイストも感じるほど。民俗音楽的な「泥臭さ」はそのままなのですが、日本の下町テイストは「泥臭さ」は薄れていたように感じました。
あ、それがいいとか悪いとか、という話ではないのですが。
一方、彼ららしい反骨精神や社会風刺は本作でももちろん健在。
ストレートな社会風刺ソングの「国境線上のカルナバル~ヒャクショウ・ソウル」や、沖縄の米軍基地建設への反対運動に向けて歌った「辺野古節」など、彼ららしい骨太の社会批判の曲も並んでいます。
かと思えば、「もっとおっぱい」みたいにユニークな曲が続いていたりするのもまた、SFUらしさ、といったところで(笑)。
祝祭の歌が響き渡る傑作アルバム。ライブも文句なしで楽しそうだなぁ。
評価:★★★★★
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