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2008年9月19日 (金)

音楽の好奇心をそそられます。

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先日、近くのブックオフで、中村とうよう「ポピュラー音楽の世紀」をみつけたので買ってきました。

20世紀を、「ポピュラー音楽の時代」と捉えた上で、概観的にポピュラーミュージック史を取り上げた作品。特に、脱アメリカ的な視点で書かれていて、非アメリカの民族音楽が、いかにポピュラー音楽に多大な影響を与えたかを、様々な視点より力説しています。

ジャズ、ロック、ソウル、HIP HOPなど、アメリカ中心で展開されがちなポピュラーミュージック史において、彼の観点は非常に興味深く、音楽ファンとしては好奇心をくすぐられます。特に聴いたことない音楽のジャンルには興味がそそられ、これをきっかけに、様々なワールドミュージックにも手を広げたくなってしまいました。

ただ、アメリカ的な大規模消費を前提とした商業音楽を完全否定してしまっているのは少々疑問点も。まあ、本作ではあえてアメリカの商業音楽をはずした部分もあるのですが、大規模消費を前提とした商業音楽が支持された、というのも、ポピュラー音楽としては大きな意味を持っている事実だと思うのですが・・・。単純なアンチ資本主義的な構図には少々疑問を持ちました。

また、クラッシック音楽を「芸術音楽」として、ポピュラー音楽と完全に分離させて語っているのも少々疑問が。いわゆるクラッシック音楽も、ポピュラー音楽と密にからむような部分もあるので、必ずしも、ポピュラー音楽と完全に別個のものと切り捨てられないと思うのですが。

ただ、以上の点をのぞいても、とても興味深く読める本だと思います。しかし、残念ながら、現在、廃刊状態みたいですね。もっとも、中古書店では、比較的容易に手に入ると思うので、いろいろな音楽に興味を持つ音楽ファンにはお勧めの作品だと思います。

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