王道ラブソング
Title:60
Musician:東京60WATTS
ラブソング。ポップスシンガーがもっともその歌の題材として取り入れるテーマ。人間の感情がもっとも発露する恋愛という胸の高まりは、もっとも歌の素材として取り上げられやすいテーマです。それこそ、万葉集の時代から(笑)。
個人的な好みの問題も含まれるのですが、やはりラブソングは、歌から、具体的なカップル像が映し出されるような曲が王道であり、かつ、心をうつのではないでしょうか。例えば槇原敬之。言うまでもなく、彼の書くラブソングには、男女のドラマと、具体的なカップル像が明確に映し出されています。
そして彼ら東京60WATTSのラブソングも、歌の中にしっかりとしたドラマとカップル像が映し出されているのではないでしょうか。「ソラミミソファ」では、同棲していた彼女とわかれて間もない男性が、ソファに彼女の思い出を重ね合わせる様子が具体的に展開されていますし、「うたたね」では、おそらく20代後半くらいの、ちょっと子供っぽいところがかわいらしい彼女の様子が描かれています。
また、一方で、スキマスイッチの常田真太郎プロデュースで話題となった「たまにはこんなラブ・ソング」では、長いつきあいのカップル(夫婦?)の様子が描かれていたり、さらに「ボサノババア」では、既に子供も大きくなったお母さんの日常が描かれていたりと、ユニークな視点の曲も楽しめます。
ただ、全体的には登場人物は、20代後半以降とちょっと大人向きかな?それを、ジャズ、ソウル、ボサノヴァ、ポップスなどの要素をうまく取り込んだ、暖かく、ポピュラリティーのあるメロディーで聴かせてくれます。
ある種の新鮮さみたいなものはないのですが、大人が素直に楽しめるポップスアルバムだと思います。
評価:★★★★
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