人気いまだ上昇中
Title:PIED PIPER
Musician:the pillows
最近、the pillowsの人気が急上昇しています。
別に特段あたらしいことを演っているわけでもなく、ある意味、「いつも通り」のスタイルを貫いているのですが、なぜか人気がうなぎのぼり状態なんですよね。
本作にも収録されている「トーキョ・バンビ」はシングルでなんと初のベスト10ヒットを記録!このアルバムも、デイリーで4位初登場を記録し、ベスト10ヒットを狙える位置に来ています。
なんでなんでしょうか?
正直言って、管理人本人も、その理由はよくわかりません(^^;;
あくまでも一ファンとしての推測にすぎないのですが、アジカン、バンプ、ELLEGARDENなど、ギターロックバンドに人気が集まった結果、the pillowsにも人気が集まってきたということ。ヒットシーンが全体的に地盤沈下を起こした結果、固定ファンに支えられた彼らみたいなバンドが浮かび上がってきたこと。また、前々作の大傑作「MY FOOT」や、トリビュートアルバムの影響などもあるのかもしれません。
また、彼らの歌の歌詞の大きな特徴となっている、孤独をうたった歌詞。また、孤独の中でも、どこかそのむこうの希望を追い求めている歌詞が、最近の若い世代の共感を得ているのかもしれません。
この作品でも、そんな孤独を歌った歌詞が目立ちます。
一番強烈的なのは、「Pueple Apple」でしょう。
全英語詞の作品なのですが、その中で、こんな一節があります。
「I called and called and called
but no one came.
I can live without friend.
(訳:何度叫んだけど誰も来なかったね
友達がいなくても生きていけるよ)」
(「Purple Apple」より 作詞 山中さわお)
しかし、そんな孤独をかかえながらも
「触れたら無くなりそうな夢を見て
それでも手を伸ばし続けている」
(「New Animal」より 作詞 山中さわお)
と歌い続ける彼ら。そして、その一方では、愛する人に対しては
「明日で世界が終わるなら
すぐにキミに会いたい
もう一度傍で笑ってくれ」
(「Last Holiday」より 作詞 山中さわお)
と純粋な愛情を歌う彼ら。
このスタンスは、「ストレンジカメレオン」の時代から変わっていないのですが、そんな彼らの言葉が、ようやく多くのリスナーの心に届いてきたのでしょう。
ただ、この作品は、そんな歌詞の世界も含めて、良くも悪くもthe pillowsらしさを体現化した作品だったように感じました。
メロディーやアレンジにしても、彼ららしいストレートでアップテンポなギターポップが大半で、ここ最近ファンになった方でも安心して聴ける作品になっています。
そういう意味では、純粋に良作だと思うのですが、少々気になるのは、前作あたりから、いままであまり感じられなかった「マンネリ」の影がちらついているんですよね・・・。
本人たちもそれを感じているのか、「PIED PIPER」の冒頭では、まるで昔のグループサウンズみたいなイントロを導入したり、「トーキョー・バンビ」では、ホーンセッションを取り入れたりと、新たな模索を感じられる部分もありました。
まあ、このまま「大いなるマンネリ」になってしまう手もあるとは思うのですが、でも、ロックバンドとして、それでは寂しすぎるんですよね。ここ2作ほど、同じように感じてしまった作品が続いているのが気になるところ。そういう意味では、人気がうなぎのぼりで、そのファンを確保した上での、次の一歩という意味でも、次の作品も非常に気にかかってくるところです。
評価:★★★★★
ほかに聴いた作品
MASTER LOW FOR.../LOW IQ 01
メロコアから、パンク、はてはアシッドジャズ風の作品まで、バラエティーに富んだ作品。どれもポップにまとめあげられていて、とても聴きやすい作品だった一方、LOW IQ 01としての軸足が、あまり感じられなかったのが残念なところ。
評価:★★★★
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