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2008年7月 6日 (日)

しかし、このジャケ写はちょっと・・・。

Title:Með Suð Í Eyrum Við Spilum Endalaust(残響)
Musician:Sigur Ros

Med Sud I Eyrum Vid Spilum Endalaust

正直言って、このジャケ写は、CD屋で手にとるのをためらわせるレベルなのですが・・・。

オリジナルとしては3年ぶりとなる新作は、いままでの作品のような、歪んだギターノイズを全面に押し出してくるアレンジではなく、アコースティックなサウンドをメインにすえた作品に仕上がっています。

具体的に言うと・・・

1曲目「Gobbledigook」は、いきなりアフロビート風のドラムスを前に据えた曲。いままでの彼らとは大きく異なった作風になっています。その後、アコースティックなサウンドをメインにすえた「Inn Mr Syngur Vitleysingur」や、ホーンの音も取り込んだ「Vi Spilum Endalaust」などと続きます。

しかし、このアルバムのクライマックスといえるのが、5曲目の「Festival」と7曲目の「ra Btur」ではないでしょうか。

「Festival」は、最初、幻想的な賛美歌風、教会音楽風な雰囲気でスタートしたかと思うと、後半は、ギターやドラムス、ストリングスなども加わり、どんどん壮大になっていきます。そして、「ra Btur」も、最初は、ピアノとファルセットボイスの対比が美しい、シンプルな楽曲ながらも、後半、ストリングスが入り、どんどん壮大になり、ラスト前ではオーケストラにまで発展します。しかしラストは、再びピアノとファルセットボイスのみの楽曲に戻り、この壮大な楽曲は幕を閉じるのです。

今回の作品は、アコースティックな音がメインで、音を歪ませたり、幻想的な音を入れたりする曲はあまりありません。しかし、ストリングスやピアノの音を効果的に用いることにより、いままでの作品以上に幻想的な作品に仕上げていました。

個人的には、今回のアルバムには、とてもファンタジックな世界観を感じました。

それはいわば、キリスト教文化が入ってくる前のヨーロッパのような、自然と一体化した世界。本当に、妖精も出てきそうなら、ホビットにも出会えそうなそんな世界。

そう考えると、ひょっとして、今回のジャケットは、そんな自然と一体化した人たちの姿を表現しようとした、のかもしれないですね。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

DOUBLE UP/R.KELLY

かなり強面のジャケット写真と比べると、アルバムの楽曲自体はかなりポップで聴きやすい。HIP HOPベースながらも、しっかりとしたメロディーが流れていて、ポップでありながら、どこかHIP HOP独特の「やばさ」も兼ね合わせているのが魅力的な作品。

評価:★★★★

Lost Highway/BON JOVI

これって、ロックじゃなくて、完全にカントリーのアルバムだよなぁ・・・と思ったら、やはりカントリー調を意識した作品だったらしいですね。でも、日本じゃあ、カントリーはほとんど売れないのに、BON JOVIという名前で売れちゃうんですね。

耳障りのいいポップなメロディーラインはあいかわらずだけど、それだけでほとんどおもしろみは感じられないなぁ。無難にポップな作品って感じでしょうか。

評価:★★★

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