一発屋か、大物か
Title:Life In Cartoon Motion
Musician:MIKA
ポップスの楽しさというのに、理屈はいらないと思います。
例えばThe Beatles。彼らが現在、高く評価されるのは、その高い音楽性、実験的な作品の数々があるからに他なりません。しかし、今なお多くのリスナーに支持されるのは、なによりも、理屈抜きに楽しいポップソングをたくさんつくりあげたからだと思います。
昨年、イギリスで大ヒットを記録し、話題となったMIKAは、そんな理屈抜きで楽しめるポップスソングをたくさんつくっています。
彼は、自身の音楽の中に、心地よい音をたくさん盛り込んでいます。特に、彼自身のファルセット・ボイスを押し出したボーカルと、ピアノの音をふんだんに盛り込んだサウンドが大きな魅力と言えるでしょう。そんな彼らしさをめいっぱい詰め込んだ「Grace Kelly」はイギリスで大ヒットを記録しました。(あまりにヒットしすぎて、「イギリスでもっともうざい曲」の第5位に選ばれたとか(笑))
その他にも、ホーンセッションを取り込んだ「Love Today」や、軽快なダンスチューンの「Big Girl」。逆に、ストリングスを入れ、荘厳な雰囲気に仕上げた「Any Other World」や、ラストを飾る、雄大な雰囲気のバラードナンバー「Happy Ending」など、様々な側面から、理屈抜きに楽しいポップスをたくさん聴かせてくれています。
エルトン・ジョンやベックとも比較されることの多い彼。それだけに、今後も楽しみなポップシンガーなのは間違いないのですが・・・ただ、彼が本当にポップスシンガーとして今後も人気を持続できるかどうかは、今後が勝負かな、という印象も受けます。特に、前述の通り「Grace Kelly」が、イギリスでもっともうざい曲などにランクインされることからもわかる通り、この手のポップスは、ともすれば、すぐ飽きてしまう傾向にあります。実際、このアルバムも、底抜けに楽しい一方、何度か聴いたら飽きてしまうそうだなぁ、という感想も抱いてしまいました。
それだけに、良くも悪くも今度に注目したいミュージシャンということは間違いないでしょう。次、あるいはその次のアルバムが彼にとって勝負といったところでしょう。
評価:★★★★
ほかに聴いたアルバム
once again/John Legend
R&Bをベースながらも、60年代風のオールディーズ風の曲や、昔ながらのソウル風の曲が多く、今風という路線からは一歩離れている印象を受けます。まあ、それが彼にとっての個性なんでしょう。古き良き時代のブラックミュージックといった感じでしょうか?
評価:★★★★
Ain't Nothin' Like Me/Joe
逆に彼は、まさに今の時代のブラックミュージックといった感じ。HIP HOPや、今風のサウンドなどをふんだんに取り込みながらも、一方では、メロウでポップなメロディーを聴かせてくれます。
評価:★★★★
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コメント
こんにちは!
はじめてblogをチェックさせていただきました。
僕もヒップホップのblogをやっていますので、是非チェックしてみてください。
http://blog.goo.ne.jp/danpgr
投稿: Dan | 2008年7月18日 (金) 18時50分
>Danさん
はじめまして。書き込みありがとうございます!ブログもがんばってくださいね!
投稿: ゆういち | 2008年7月21日 (月) 23時49分