想像以上に本格派
Title:Stock Delivery
Musician:SEAMO
まずはなんといっても、1曲目「天狗~祭りのテーマ~」の一節でしょう。
「尾張のうつけ達ここに集合 ドームよりむしろナゴヤ球場」
(「天狗~祭りのテーマ~」より 作詞 Naoki Takada)
もうね、「ドームよりむしろナゴヤ球場」の一文だけで、こいつわかってるなぁ・・・と思ったドラゴンズファンも多いのではないでしょうか(笑)。HOME MADE家族やnobody knows+のような、名古屋出身のHIP HOP勢の中で、一番ストレートに地元文化をリリックに読み込んでいる彼ですが、こういう一文に、彼の素直な地元への(つーか、ドラゴンズへの)愛情が伺われます。
さて、シングルのカップリング曲を集めた本作を聴いて、まず感じるのは
SEAMOって、イメージよりずっと本格的なHIP HOPミュージシャンなんだなぁ
という点。
SEAMOというと、「マタアイマショウ」や「ルパン・ザ・ファイヤー」のヒットのイメージから、どちらかというと、HIP HOPというよりも、かなりポップス寄り。もっといってしまえば、歌謡曲寄りというイメージを強く持たれているかと思います。
確かに本作で収録されている曲も、ポップなパーティーチューンが多く、そういうイメージも一概に間違ってるとは思いません。
ただ一方で、「好奇心」では、かなり本格的でかつ渋い、つくりこまれたトラックが楽しめますし、「We Fight!」は、むしろハードコアのテイストが強い作品に仕上がっています。また、「無想転生」では、ロックテイストの強い曲に挑戦したりと、決して明るくポップなだけのミュージシャンではないということが、嫌というほどわかるかと思います。
こういう曲は、むしろシングルカットした方がおもしろいと思うのですが、まだまだ、現状の彼の人気では難しいということなんでしょうか。
SEAMOの「裏ベスト」とも言える本作ですが、「裏ベスト」という言い方に紛うことなく、彼のシングルで見せる顔とは別の顔を見せてくれるアルバムでした。
評価:★★★★★
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