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2008年7月13日 (日)

本当に全米進出する気あるの?

Title:This Is LOVE PSYCHEDELICO~U.S.Best
Musician:LOVE PSYCHEDELICO

This is LOVE PSYCHEDELICO~U.S.BEST(期間限定生産)

なんでも、ここに来て、LOVE PSYCHEDELICOが全米進出するらしく、この作品は、先日、全米で発売された、全米デビュー作だそうです。基本的には、彼女たちの過去の代表曲を集めたベスト盤で、完全に以前発売した「Early Times」と内容はかぶるのですが、本作は、リマスタリングがほどこされている点、「Early Times」より、より聴きやすいアルバムに仕上がっています。

でもさぁ、なんでいまさらアメリカ進出??

LOVE PSYCHEDELICOといえば、以前、SXSWに参加し、現地で話題になった・・・というニュースが流れたことがあったのですが、アメリカ進出するなら、その段階だよなぁ。

そもそも、過去の彼女たちの作品を、日本語のまま収録しただけのアルバムを、デビュー作としてのやる気を全く感じさせません。

そもそも、英語以外の曲がヒットするケースがまれなアメリカで、あえて日本語の作品でデビューしようとする意図がわかりません。日本語を英語っぽく歌っておもしろがるのって、日本人だからであって、アメリカ人には意図不明だと思うんだけど?

例えばビジュアル系みたいに、日本独自の音楽文化を持ったミュージシャンが日本語のまま進出するのなら、それはそれで現地でおもしろがられて受け入れられそうなのですが、彼女たちみたいに、王道の欧米のロックを日本語で歌った曲が、現地で受け入れられるとは到底思えません。

結局のところ、意地悪な見方だけど、最近、日本での人気も頭打ちになってきたので、日本でのプロモーションを意図して、アメリカ進出という宣伝を打った、としか考えられないんだよなぁ。売れなくても話題になるし、万が一売れたりしたらラッキー、といったノリで。

そういうプロモーションのやり方はやり方で否定しないけどね。でも、いつまでたっても、この手のプロモーションが通用しちゃう日本のヒットシーンが少々情けなくも感じてしまうのですが・・・まあ、プロ野球みたいに、アメリカに進出して成功したポップスのミュージシャンが皆無なだけに、仕方ないんでしょうけどね。

肝心のアルバムの内容自体は、前述の通り、「Early Times」とかぶっている部分も多いし、新曲もないので、アルバムを持っているファンや、「Early Times」を聴いている方には、おもしろみのない作品かと。ただ、リマスタリングがほどこされているので、最近、LOVE PSYCHEDELICOを気になった方が、彼女たちの過去の作品を概括的に聴くには、ちょうどよい作品かと思います。

ただ、先日ここで取り上げたB'zもそうなのですが、彼女たちもある意味、日本人が思い描く洋楽ロックの形を、体現化したユニットだよなぁ。

でも、B'zと違うところは、B'zはその上で、あくまでもエンタテイメントに徹している一方、彼女たちはある意味中途半端に本格派指向なんだよね。だから、人気の面では、B'zにかなわないんじゃないかな。ま、もっとも、日本人は、ロックといえば、LOVE PSYCHEDELICOのような60年代ガレージよりも、B'zのような、80年代ハードロックをイメージする人が多いから、という理由もあるのかもしれないですが。

評価:★★★★

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