その音世界に圧巻です。
Title:NUOU
Musician:ROVO
ROVOのサウンドには、いつも圧巻されるのですが、また本作も、その音の世界に圧巻されました。ま、正直言ってしまって、いままでのアルバムと比べて、新しいことを展開しているわけでないのですが、そういうことすら些細な事と感じられる、次から次へと展開されるサウンドの応酬に、全く別世界に引きずりこまれるような・・・オーバーな表現だなぁ・・・だけど、それだけの迫力を感じた作品です。
基本的に、どの曲も、最初は音数を絞った静かな雰囲気からスタートします。それは例えば1曲目の「KOO」では、電子音とギターのからみから、「OUO」では、バイオリンとドラムスがからんだ形で、展開されていきます。
その後は徐々に音数が増えていき、ギター、ドラム、そしてバイオリンや打ち込みの電子音などがからみあい、壮大な音の世界をつくりあげ、最上級まで盛り上がりを見せる、というのが、アルバム全体を流れる展開。特にラスト「CADO」では、それまでの総集編のようなダイナミックなサウンドでこのアルバムを締めくくっています。
この作品で(というかROVOの作品全体にいえることでしょうが)特に魅力的なのは、バイオリンの音色でしょう。美しいバイオリンのメロディーラインが、楽曲全体にまとまりを与えていて、ともすればバラバラになりそうなサウンドをひとつにまとめあげています。
また、バイオリンと同様にこの作品の軸になっているように感じたのはドラムスの音。一定のリズムを刻むドラムスの存在によって、楽曲を踊れるリズミカルなものへと変えています。この心地よいリズムがあるからこそ、このアルバムが変に小難しい存在にならず、いい意味でのポピュラリティーを与えてくれていました。
CDを聴いているだけでも文句なしの傑作だと思うのですが、このアルバムをライブで、それも野外で聴けたら気持ちいいだろうなぁ~。まさに人力トランスの心地よさが体感できる1枚です。
評価:★★★★★
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