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2008年6月 5日 (木)

狂気と正常の狭間で

Title:大公式2
Musician:
筋肉少女帯

大公式2

オーケンの書く歌詞は間違いなく、どこか狂っている。

筋肉少女帯の楽曲を聴いていると、オーケンの狂った歌詞に非常にひきつけられます。

今回、復活した筋肉少女帯が、「大公式」に続いてリリースした本作は、いわゆる「裏ベスト」的な企画盤。ファンに人気のあるナンバーを中心に収録したアルバムで、「大公式」で筋少を知った人にとっての、次の一歩ともいえるアルバム・・・のようです。

そして、本作の中で、間違いなく一番狂っているのが、「ハッピーアイスクリーム」でしょう。

ハッピーアイスクリーム 筋肉少女帯 歌詞情報 - goo 音楽
とりあえず、全部が狂っている歌詞なので、歌詞情報のサイトにリンクをはっておきます。

ただ、ここですごいのは、文字情報として歌詞を読む分には、かなりドギツイ内容になっているのに、実際に聴いてみると、かなりポップな印象を持ってしまいます。特に、アイドルっぽい女性のコーラス(?)を入れることによって、かなり柔かな雰囲気に仕上げています。

だからこそ、余計に、この曲は狂っていると感じるんですけどね。

もっとも、この曲に限らず、オーケンの歌詞って、人間の狂気性を描いているにも関わらず、どこか客観的な視点で見つめているんですよね。だからこそ、これだけ人間の狂気の部分を描きながらも、一方ではしっかりとエンターテイメントとして仕上げている、これこそが筋肉少女帯の魅力ではないでしょうか。

おそらく、大槻ケンジという人間は、かなり客観的に自分という存在を見つめられる人なんじゃないでしょうか。だからこそ、自分の中に潜む狂気性について、客観的な視点から描くことが出来るのでしょう。

基本的に「裏ベスト」であるがゆえに、筋少の本質ともいえる、ポップでありながらもその実、狂気性を帯びたような作品が目立った本作。サウンド自体も、王道のスラッシュメタルから、GSやポップ、ロック等々、幅広い・・・というよりは、全体的にまとまりのなさが目立ちますが、それこそまた、彼らの大きな魅力と言えるでしょう。

筋少のさらに奥深い世界に立ち入れる、そんな企画盤でした。

評価:★★★★★

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