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2008年6月 3日 (火)

デストロ~イ!!!

      
あらためまして、はじめまして、ミドリです。

アーティスト:ミドリ

あらためまして、はじめまして、ミドリです。

デストロ~~イ!!!

パンクバンド、ミドリ「らしさ」というものが、わずか1分程度で体感できるアルバムが本作。

当初、女性ボーカルのしんみりとした(ある意味ベタベタな)ラブソングからスタートしている本作ですが、その雰囲気は、わずか1分程度で終息を迎えます。

それが、このタイトルになっている一言。

いきなりボーカル後藤まり子の絶叫からスタートしたかと思えば、それ以前の雰囲気をめちゃくちゃに破壊するパンキッシュな轟音がスタートします。

後藤まり子のボーカルによって生じる「かわいらしさ」と、狂ったようなバンドサウンドによって生じる「凶暴さ」の両立。それこそがミドリの最大の魅力でしょう。

ただ、この新作に関しては、後藤まり子のシャウトはさえているものの、轟音のバンドサウンドは少々後ろに下がっています。そのかわり、これまた狂気を感じるようなピアノの音が全面に出てきています。

もっとも、凶暴だの狂っただのという表現をつかっていますが、ミドリのバンドサウンドは、パンキッシュではあるのですが、その裏に冷静さを強く感じます。ピアノの音にしても、パッと聴いた感じ暴力的な雰囲気を感じるのですが、よくよく聴くと、実はかなりメロディアス。そのピアノにからむバンドサウンドや後藤まり子のボーカルにしても、不協和音のようで、実はひとつひとつがジグソーパズルのピースのように、しっかりときれいにはまっています。

また、本編では、少々後ろに下がってしまったバンドサウンドについては、最後、「無欲の無力」でジャムサウンドを奏で、その本領を発揮しています。このラストも、ミドリのバンドとしての実力を感じさせる聴きどころといった感じでしょうか。

しかし、少々気になる部分も・・・

「清水」「セカンド」と比べると、音が少々きれいになりすぎちゃっているような感じがします。以前の作品は、しっかりと考えられたバンドサウンドながらも、そう感じさせないような勢いを感じさせましたが、残念ながら、本作ではそこまでの勢いは感じられませんでした。

また、歌詞も、露骨な性表現などが薄れてしまって、「セカンド」の時のようなエロティックな雰囲気が薄くなったのが(というか、ジャケットだけ妙にエロいのですが)残念。エロさはジャケットじゃなくて曲自体で勝負してほしかったかも。

評価:★★★★★

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アルバムレビュー(邦楽)2008年」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
私も「デストロ~~イ!!!」にやられてついアルバム
を買ってしまった人間です。
こんなにも狂気を感じてしまったアルバムを聞いたのは
久しぶりの様な気がします。雑誌やネットでセーラー
服を着た女の子がいるというのは知っていたんですが。
ある意味、椎名林檎がさらに狂ったという印象を持って
しまったんですけどね。

これは今までリリースされたアルバムも聞いてみたい
と思いました。

投稿: cozey | 2008年6月 8日 (日) 01時39分

>cozeyさん
「デストロ~~イ!!!」はやられますよね(笑)。
椎名林檎が狂った感じ、というのは言いえて妙です。
いままでの作品は、これ以上に狂っている(特に「セカンド」)なんで、是非是非、聴いてみてください!ただ、少々この作品に比べて癖が強い部分もあるので、その点は要注意かも。

投稿: ゆういち | 2008年6月 9日 (月) 00時02分

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