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2008年6月15日 (日)

大物の貫禄

Title:Viva La Vida or Death And All His Friends(美しき生命)
Musician:Coldplay

Viva la Vida

先日、はじめてColdplayが出演しているi Tunes+i PodのCMを見たのですが

そこに漂っていた大物の貫禄に、驚いてしまいました。

そうだよなぁ。本国イギリスでは、デビュー作以来3作連続1位、前作は、イギリスに続き、アメリカでもチャート1位を獲得。デビュー当初のRADIOHEADのフォロワー的見方は完全に消えて、いまや押しも押されぬトップミュージシャンなんだからなぁ・・・。

そのCM曲も収録された本作は、そんな大物としての貫禄を感じさせる安定感とスケール感、そして、彼らのメロディーラインの美しさを、これでもかと聴かされた作品でした。

まずこの作品で聴いていて心地よかったのが、作品全体にちりばめられているピアノとヴァイオリンの美しい音色でした。曲によっては、バンドサウンドや、ともすればメロディー以上に主張しているこれらの音色は、良質なクラッシック・ミュージックのよう。これらのサウンドがバンドサウンドに加わることにより、曲にスケールを持たせることに成功していました。

一方では(日本人にとってはうれしいタイトルの)「Lovers In Japan/Reign Of Love」のように、シューゲイザー系を彷彿とさせるような甘美なギターノイズの音が魅力的な曲も。このギターノイズも含めて、全体的に、とてもメロディアスで美しいアレンジが、アルバム全体を通じてほどこされていました。

そして、本作の強みはやはりメロディーラインでしょう!

もともと、その美メロには定評のある彼らでしたが、決して派手でインパクトがあるわけではないのに、しっかりと心にしみこんでいくその美しいメロディーラインは、本作で完成された、といっていいかもしれません。前述の、i Tunes+i PodのCMソングとなっている「Viva La Vida(美しい生命)」を筆頭に、歌をしっかりと聴かせてるポップソングの本質でしっかりと勝負している彼らの姿がこのアルバムでは感じられます。

大物の貫禄が、いい意味でアルバムに反映された、彼らの最高傑作。ミュージシャンとして、人気の面でも音楽の面でも、ひとつ上の次元に到達した、といっていいかもしれません。前作は、各国のきなみ1位を獲得する中、日本だけベスト3入りすら出来なかったのですが、日本でももっともっと売れてもいい作品だと思います。

評価:★★★★★

余談。

Dragon Ashのアルバムと、ジャケットがほぼ同じ点について。

Viva La Revolution

まあ、言うまでもなく、元ネタは、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」なんですが。でも、Dragon Ashの方もアルバムタイトルが「Viva La Revolution」と、微妙に似ているのは偶然の一致??


ほかに聴いたアルバム

Booming Back At You/JUNKIE XL

全編心地よいダンスチューン。難しいこと抜きとして、トランスのナンバーが楽しめる楽しい作品でした。

評価:★★★★

ERA VULGARIS/QUEENS OF THE STONE AGE

あれ?ストーナーロックというよりも、フツウのオルタナ系のギターロックになっている・・・。いや、ギターロックというよりも、むしろギターポップにすら近い作品すら。いや、個人的には結構この路線も好きですけどね。QUEENS OF THE STONE AGEが、ポップなメロディーラインが大きな魅力であることが再認識できた作品でした。

評価:★★★★

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