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2008年6月 8日 (日)

音楽性を広げたかったんだろなぁ。

Title:Here We Stand
Musician:the Fratellis

Here We Stand

「タララタララタラタラタラタ~♪」が耳から離れなくなってしまう「Chelsea Dagger」が、iPodのCMにも起用され大ヒットし、一躍注目を浴びたthe Fratellis。その作品が入った「Costello Music」は、個人的にも昨年、もっともはまったアルバムだっただけに、2ndアルバムとなった本作も、かなり期待していたのですが・・・。

率直にいってしまうと、完全に期待はずれでした。

というのも、まず本作、全体の雰囲気からして、前作と全く異なった雰囲気になっています。具体的には、ハードロックテイストをベースとした曲づくりがメインとなっていました。冒頭の「My Friend John」こそ、軽快なサウンドが楽しめたのですが、その後、「A Heady Tale」は、ボブ・ディランの影響すらうかがえるフォーク調のナンバーになっていたり、「Mistress Mabel」はメロパンク調になっていたり、「Babydoll」はカントリー調に仕上がっていたり・・・前作で私たちを楽しませてくれたダンスポップ風の作品は影をひそめ、かわりに、様々なタイプの曲が乱立しているアルバムになっていました。

彼らが何をやりたいか、ということはすごくよくわかるんですよ。おそらく、the Fratellis=ダンスポップというイメージを払拭したかったんだろうなぁ、と思います。また、幅広い音楽性を模索しようとするスタンスはミュージシャンとして間違ってはいません。(もっとも、「大いなるマンネリ」を目指す手もあると思うのですが)

しかし、残念ながら、まだ2枚目となる本作では、全ての曲の根底に流れるような、the Fratellisとしての個性を感じられませんでした。そのため、アルバムの曲調はバラバラ。結局、どの曲も中途半端におわっていて、1枚目で感じたthe Fratellisの良さというのが、本作ではほとんど生かしきれていませんでした。

「Costello Music」の時のようなポップスセンスを持っているというのは非常に貴重だと思うだけに、この方向性はとても残念でした。せめて、2作くらい同じ方向性でアルバムをつくって、きちんとthe Fratellisらしさというのを確立させてほしかった・・・。3作目がどのような方向に向かうのかはわからないけど、もうちょっと足元をかためたアルバムをつくってほしいなぁ。

評価:★★★

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