パワポの一言ではおさまらない
Title:Weezer
Musician:Weezer
これで3作目となるセルフタイトルの新作。
昨年は、リヴァース・クオモ名義のアルバムをリリースしましたが、Weezerとしては、3年ぶりとなるニューアルバムです。
ちなみに、日本人女性と結婚したらしいリヴァース・クオモ。今回のアルバムの日本盤には、BoAの「メリクリ」のカバーが収録されて、話題になっていたりします。
Weezerが新作でBoA「メリクリ」を日本語カバー (ナタリーより)
私は輸入盤を購入し聴いたので、この「メリクリ」のカバーに関しては、ノーコメントということで(^^;;
さて、そのWeezerの新譜。Weezerといえば、パワーポップ、パワーポップといえばWeezerというくらい(?)、特に日本では、パワーポップバンドの代名詞的存在の彼らですが、しかし、本作は、そんなパワーポップの一言では片付けられない多様な音楽性と、どの音楽にも共通する、絶妙にポップなメロディーが大きな魅力となっています。
それがもっとも顕著にあらわれているのが冒頭の2曲目「The Greatest Man That Ever Lived (Variations on a Shaker Hymn)」。ピアノの音色ではじまったかと思えば、中盤では教会音楽をイメージさせるような合唱があったり、また、テンポが急に速くなったり遅くなったりと、最後まで様々な展開を見せ、スケール感のある楽曲に仕上げています。
また、「Thought I Knew」は、表面的には普通のポップスながらも、バックに流れている打ち込みのサウンドが微妙にアンバランスに流れていて、不思議な雰囲気をかもし出しています。
一方で、王道のパワーポップナンバーももちろん数多く収録していますが、「Pork and Beans」では、AメロBメロではバンドサウンドを抑え気味にし、メロディーを強調し、一方、サビでは一気にバンドサウンドを響かせ、盛り上げる、という小気味よい緩急のあるサウンドが魅力的。
また、「Everybody Get Dangerous」は、メロディアスなギターリフを中心とした曲構成になっており、彼らのハードロックからの影響を一番強く感じさせるナンバーとなっています。
このように、パワーポップという一言では片付けられない点が彼らの大きな魅力。そしてその傾向は、本作ではより強く感じられました。
音楽性の幅をさらに広げ、確実に次の一歩に進んでいる新作。しかし、前述の通り、ポップなメロディーも健在で、そのバランスの良さも感じられます。Weezerの魅力を再確認できるアルバム、といっていい新作でした。
評価:★★★★★
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