ジャンルレスのおもしろさ
Title:SEEING SOUNDS
Musician:N.E.R.D.
ロック、HIP HOP、ジャズ、ソウル、クラッシック、歌謡曲・・・音楽には、いろいろなジャンルというものがあります。普通、ロックのミュージシャンはずっとロックを演奏しますし、ジャズのミュージシャンはずっとジャズを奏でています。しかし、そんな中で、ジャンルに捕らわれず、様々な音楽にチャレンジするため、そのミュージシャンのジャンル付けが困難となるミュージシャンがいます。
彼ら、N.E.R.D.はまさにどのジャンルか、はっきりと明確に出来ないような、ジャンルレスな音を鳴らしているミュージシャンです。
まあ、基本的にはネプチューンズのファレル・ウィリアムスを中心としたユニットなので、HIP HOPやR&Bをベースとしています。しかし本作は、1曲目「Time For Some Action」こそ、ダンサナブルなHIP HOPチューンからスタートしていますが、軽快なギターリフ(それも、どこかThe Knackの「My Sharona」を思い起こさせる)を中心とした曲づくりをしている「Everyone Nose」はむしろロックというカテゴリーに入りそうな曲ですし、「Yeah You」はメロウなR&Bチューンとなっています。
その後も「Happy」はギターロックですし、「Kill Joy」はHIP HOPながらも、トラックはギターのリズムを全面に出していて、むしろロックの色合いが濃い曲になっています。また、「Love Bomb」は、アコースティックなソウルナンバーながらも、どこかAORやポップスのテイストの感じられるナンバーとなっています。
このように、どの曲もロック、HIP HOP、ソウル、ポップスといったジャンルを自由自在に行ったり来たりするような楽曲が本当に魅力的な作品となっています。
さらに、それに加えて、このアルバムが魅力的なのが、メンバーが純粋に音楽を楽しんでいる点ではないでしょうか。どの曲も、楽しくポップな楽曲が並んでいて、聴いていてハッピーになれる曲ばかりですし、なによりメンバーが音楽を楽しんでいるなぁ、というのを実感できる作品になっていました。
HIP HOPリスナー以上に、ロックリスナーから高い支持を受けそうな、とても楽しい傑作。ジャンルにとらわれない音楽の楽しさというのが実感できる1枚だと思います。
評価:★★★★★
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