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2008年6月

2008年6月30日 (月)

若きロックンローラー

Title:泥水のメロディー
Musician:a flood of circle

【ポイント3倍 6/30 am9:59迄】泥水のメロディー / a flood of circle

若いなぁ・・・。

いやね、これがまだ2枚目となるデビューしたてのバンドなだけに、当たり前の感想と思うかもしれないですけどね。

でも、本当にいろいろな意味で「若さ」を感じさせるバンドなんです。

基本的には、ミッシェル・ガン・エレファントあたりの直系、となりそうなロックンロールバンドで、ガレージパンクやブルースロックの要素を多く取り入れたバンドなのですが、そのガレージパンクやブルースなどの取り込み方がとても初々しいんです。

自分のものにする、というよりも、純粋なあこがれの要素が強いみたいで、「この音楽をやりたい」という気持ちはよく伝わってくるのですが、その一方で、どこかその音楽に対して、おそるおそる接しているような、そんな印象を受けます。

また、ボーカルも、ガナリ声でシャウトしている・・・はっきりいえば、ミッシェルのチバの影響を感じさせるよなボーカルなんですが、これも純粋な憧れから来ているんだろうなぁ。いろんな側面でミッシェルのパクリ的要素も感じられるのですが、それ以上に憧れの要素を強く感じ、ある意味、好感はもてるバンドでした。

ただ、その一方、後半は、ガレージパンクというよりも、オルタナ以降のギターロックの影響を感じる曲も多く、ここらへんのいい意味での節操のなさも、いまどきのバンドだな、と感じました。

まだまだ未熟な要素も強く、成長が必要な側面も大きいと思うのですが、好感が持てるいいバンドだと思います。これからの成長が楽しみな若手バンドでした。

評価:★★★★

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2008年6月29日 (日)

インストバンドはロックの未来形か?

Title:Phantasia
Musician:LITE

Phantasia

ほぼ同時期の記事なので、偶然だとは思うのですが、「ROCKIN' ON JAPAN」と「bounce」の両方で、全く同時期にインストバンドの特集が掲載されました。

確かに、ここ最近、日本のロックシーンにインストバンドが目立ちます。YOUR SONG IS GOODやSPECIAL OTHERS、ROVO、MONOなどなど、このサイトでも多くのインストバンドを紹介しています。

ただ、インストロックというスタイル自体、特に斬新というわけではありません。例えば、ロックの黎明期から、ベンチャーズみたいなインストバンドは活躍し、日本でも大きな人気を博していました。

それとも、ロックシーンが成熟し、ジャズみたいに、メロディーや歌詞ではなく、演奏を楽しむスタイルが定着した、ということでしょうか。

いいえ、演奏を楽しむスタイルなら、プログレッシブロックというジャンルもありましたし、ともすればビートルズの時代から、バンドとしての演奏に着目するリスニングスタイルは定着しています。決して、ここ最近、急に演奏という側面からロックを楽しむスタイルが出てきたわけではありません。

インストバンドが(特に日本において)注目されてきているのは、日本のロックシーンが多様化し、いままでマイナーな存在だったインストロックが相対的に浮かび上がってきたのではないでしょうか。

もっと突っ込んで言えば、インディーズバンドも、CDを容易に全国流通できるようになった結果、インストバンドみたいな、マイナーな存在も、広くリスナーの耳に届くようになったのかもしれません。

また、少々いじわるな視点から考えると、日本語をつかわないインストロックバンドは、比較的、世界という舞台で受け入れられやすく、結果、ロック雑誌なども喜んでとりあげる傾向にあるのではないでしょうか。

例えば前述のMONOなども、欧米でもツアーを実施するなど、一定の支持を確保していますし、今回紹介するLITEも、アルバムをイギリスで発売し、話題になったそうです。

そんな訳で、インストバンドというのは、ロックの未来形、というよりも、ロックの多様化に伴い浮かび上がってきた存在、といえるかもしれません。

さて、そんな流れの中で今回はじめて聴いてみたのが、このLITEのニューアルバムです。

インストロックといっても、フュージョンみたいに、わかりやすいメロディーが流れている「ただ歌のないポップス」では決してありません。

しかし、かといって、ポストロックのように難解でも、サイケロックみたいに、音の洪水で攻めてくるわけでもありません。

楽曲としては、むしろシンプルなロックといっていいかもしれません。特に、ギターのリフをメインに構成され、ファンキーなリズムを聴かせる楽曲などが多く、王道のロックンロールの流れを引き継いでいる、ともいえる側面も見て取れます。

「Shinkai」のような、サイケなノリを感じる曲もあれば、「Sequel to The Letter」のような、美しいバイオリンのストリングスを取り入れた曲もあるのですが、全般的には、シンプルでノリのよいロックナンバーがメインとなった本作。

決して難解ではないけど、決してコンビニやファミレスのBGMにもなりえない、そんなアルバムだったと思います。インストだから、という枠組みではなく、純粋に1枚のロックのアルバムとして評価したい1枚です。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

あぶらだこ/あぶらだこ

彼らのアルバムはすべて同じタイトルなので・・・(^^;;ここで取り上げるのは、今年6月にリリースされた、船のジャケットが特徴の、通称「舟盤」。

あぶらだこは、その独特なボーカルがどうも受け入れられなかったのですが、本作に関しては、ボーカルがあまり前に出ていなかったこともあって、純粋に前に出てきていた、サウンドを楽しめました。音数を絞りながら、サイケデリックな雰囲気をかもし出し、変拍子を多様することによって、独特な変態チックな音を作り出しています。ここらへん、はまりだしたら、ズブズブとはまっていきそうな世界だなぁ。

評価:★★★★

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2008年6月28日 (土)

心地よい優しさのあふれる音楽

Title:No.1
Musician:Tokyo No.1 Soul Set

No.1

約2年9ヶ月ぶりとなる新譜。

久しぶりとなった新譜をパッと聴いてみた感想は、いままでのTokyo No.1 Soul Setらしい曲が少ないなぁ、というものでした。

Tokyo No.1 Soul Setといえば、川辺ヒロシがつくるトラックにのる、渡辺俊美のポップなメロディーにBIKKEのポエトリーリーディングに近い、独特なラップが重なるという、彼らだけがなしえるスタイルが魅力的なユニットです。

しかし、本作で、そのスタイルが明確になっていたのは、「Just another day」「Dear My Friend」くらい。それ以外の曲は、BIKKEのラップが全面的に前に押し出された作品がメインとなっていました。

ただ、それはそれで、しっかりとTokyo No.1 Soul Setの個性、というのは出ているんですよね。やはりBIKKEの独特のラップによるところが大きいのでしょうか?

そして、本作でもうひとつ強く感じたのが、とても優しさがあふれた音楽だなぁ、ということでした。

アルバムは、日常や、恋愛模様を切り取った歌詞が多いのですが、ラブソングは、純粋に相手を思う歌詞が織り込まれています。つーか、冒頭の1曲目から、そのものずばり「Innocent Love」ですしね。

特に、本作の核となるのが、「Just another day~その時まで~」でしょう。少年の視点と、その父親の視点がBIKKEのラップと渡辺俊美のボーカルで交互に展開されていて、暖かく切ないその内容には、聴いていて、胸がキュンとなりそう。非常に魅力的な作品に仕上がっていました。

また、トラックに関しては、いつものラテンテイストよりも、テクノ、エレクトロニカ、ポストロックの流れを感じる作品が多かったのも本作の特徴でしょうか。特にラスト「Just another dub」は、エレクトロニカにダブの要素を加えた実験的なナンバー。Tokyo No.1 Soul Setの次の一歩をみすえた作品といったところでしょうか。

最初はいつもより地味だなぁ、と感じながら聴いていたのですが、2度3度聴くうちに、徐々にその魅力にはまっていってしまう作品でした。優しさのあふれる、とてもステキな作品でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

ミクロで行こう/オシリペンペンズ

バンド名だけでかなりのインパクトなんですが(^^;;

いわゆる「関西ゼロ世代」のバンドなんですが・・・。まあ、あふりらんぽとか聴いていて、ある程度はわかっていたのですが、正直、個人的にはいまひとつ壺にはまらないなぁ。ミドリからポップな部分を差し引いた感じ。とことん音数を絞りながらも、サイケデリックテイストを感じるバンドサウンドは確かにカッコいいとは思うのですが、ポップであることをとことん拒否した不条理なボーカルは、どうしても抵抗感を覚えてしまいました。

評価:★★★

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2008年6月27日 (金)

ポップでキュートな轟音ロック

Title:MASS OF THE FERMENTING DREGS
Musician:MASS OF THE FERMENTING DREGS

mass of the fermenting dregs

通称「マスドレ」

昨年のフジロックに出演し、大きな注目を集め、今年1月にこの1stアルバムをリリース。

今年はサマソニ、ROCK IN JAPAN FES.に出演したり、くるりとの対バンライブにのぞんだりと、今、もっとも注目を集めているバンドの一組です。

で、おくればせながら、この注目のバンドの音源を、ようやく聴いてみました。

このバンド、少々暴論気味ながら一言で言ってしまえば「チャットモンチー meets NUMBER GIRL」といったところでしょうか。

まず、特徴的なのは、女の子バンドらしい、ポップでキュートなメロディーライン。

特にかわいらしい声の女性ボーカルが入ることにより、一気に曲のポピュラリティーが増しますね。本作でも、とりわけ「skabetty」は、ポップでかわいらしいメロディーが特徴的なナンバーになっていて、このアルバムのひとつの核になっています。

その一方で彼女たちの大きな特徴なのが、迫力があるバンドサウンド。音のスキマを埋めるように次々に繰り出されるガレージやハードロックの影響を色濃く感じるロックサウンドは、圧巻のひとことでしょう。

本作では、3曲目までポップな作風で曲をつむいできたかと思えば、4曲目の「エンドロール」でいきなり雰囲気がかわります。ハードなバンドサウンドが炸裂するインストナンバーで、マスドレのロックバンドとしての実力を、これでもかというほどリスナーの耳にぶちこんでくる作品となっています。

その後も後半「I F A SURFER」「ベアーズ」はバンドサウンドを前に押し出した迫力のある曲がつづき、このアルバムは幕をおろします。全編、30分程度の作品なれど、緊張感のあるバンドサウンドが続き、最後まで耳の離せない作品となっています。

音的にもメロディー的にも、まだまだ荒削りな部分も多いのですが、これからが実に楽しみなバンドだと思います。この長いバンド名、覚えておいて損はないかと思います。

評価:★★★★★

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2008年6月26日 (木)

もう少しまじめにやればおもしろいのに。

Title:もう少しまじめにやっておくべきだった
Musician:ロマンポルシェ。

10周年記念BEST ALBUM「もう少しまじめにやっておくべきだった」

ロマンポルシェ。初のベスト盤

ロマンポルシェ。といえば、ニューウェーヴ風の楽曲にのせて、掟ポルシェが、ステレオタイプな(しかしどこかずれている)「男論」を語るユニットで、このベスト盤にも、2枚目には、30分にもわたる掟ポルシェの説教が入っています(笑)。

ただ、ベスト盤を聴いて思うのは、音楽的にもネタ的にも、いまひとつ中途半端なんだよなぁ、という点でした。

音楽的には、ニューウェーヴの影響を受けたテクノポップという感じなのですが、初期の作品はかなりチープで、今聴くと、少々辛い点もあります。

ネタ的にも、こちらも初期の作品に関しては、勢いばかりで乗り切ろうとする作品が多く、ネタ的にこなれていない感じは受けました。

はっきりいって、ここらへんの作品に関しては、完全に、劣化版電気グルーヴなんですよね・・・。

もっとも、それらは最近の作品になると、徐々に音的にも成長してきて、ネタの内容も、ロマンポルシェ。らしさが出てくるように感じられます。特に最新シングルでもある「男は橋をつかわない」は、歌詞の内容も、ロマンポルシェ。らしい、ピントのずれた男論がユニークに展開されていますし、音的にも、大きな成長を感じられます。

とはいえ、2枚目に収録されている説教も含めて、個人的には、もっとネタ的に煮詰めて、変に勢いに頼らず、もっと話の展開で笑わせればいいのになぁ、と思いました。ロマンポルシェ。らしい個性はしっかり持っているんですが、少々暴走気味なんですよね。そういう意味で、皮肉にもタイトル通り、「もう少しまじめになればもっとおもしろくなるのに」と思ってしまうベスト盤でした。

評価:★★★

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2008年6月25日 (水)

耳慣れない名前が多い・・・。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

シングルチャートの売上が低迷してから、聴いたことない名前のミュージシャンが上位に食い込んでくるケースは、ここでも何度も取り上げましたが、また、初耳のミュージシャンがランクインしています。

ってか、1位のテゴマスからして誰??と思ったのですが、もうこれが3枚目になるジャニーズ系のユニットなんですね(^^;;初動売上9万枚と、ジャニーズ系としては、さほどのビックヒットとはいえないながらもしっかりと1位を確保しています。

それに続いて、いきなり3位に入ってきてビックリしてしまったのが、DOES「曇天」。アニメ「銀魂」のタイアップ効果というところでしょうか。ただ、彼ら、前作も同じアニメタイアップで9位にランクインしているだけに、ある程度は予想通りといったところでしょうか。

ただ、アニメタイアップって、その曲と、タイアップがつかなかった曲の差が激しいんだよなぁ。どうも極端に曲ばかりが注目される傾向があるみたいで。なんでなのかは少々謎なんですが。リスナーが「アニメの曲」程度の認識しかしていないからかなぁ。(タイアップである以上、その認識もあながち批判できないのですが)

それに続く4位SS501は韓国のアイドルユニットですか。韓流ブームははるか遠くに去ったのですが、韓国系アイドルは、一定レベル定着したみたいですね。

もうひとつ新顔。10位のRevo&梶浦由記は、最近、(特にネット上などで)時々話題に聴く、同人音楽って分野と捉えればいいのでしょうか?インディーズとどこが違うの?なんて思いながらも、ひとつの興味深い流れだなぁ、とは思います。ただ、この曲に関しては、完成度は高いけど、面白み少ないなぁ、と感じました。まあ、1曲聴いただけなんで、それだけで判断するのは早計なのですが。

初登場がもう1曲。7位にDragon Ashがランクイン。かつての勢いはありませんが、固定ファンはしっかり確保しましたね。ただ、そろそろまた、大きなヒットが一発ほしいところですが。

さて、他に今週のシングルチャートを見ると・・・

GReeeeNが、またもや2位にランクアップ。これはまた、本格的なロングヒットの兆しが・・・。さらにもう1曲、童子-Tもなんと6位にランクアップし、ロングヒットの兆しを見せています。この2曲、今後の動向に注目です。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週の1位は、B'zのベストアルバム「B'z The Best "ULTRA Pleasure"」が危なげなく1位を獲得しました。20周年を記念してリリースした、オールタイムベストで、相当の宣伝もうっていましたが、初動わずか56万枚は、正直なところ、惨敗といっていいのではないでしょうか?

さすがに、記録的売上をあげた「B'z The Best "Pleasure"」の初動270万枚にはおよばなくても、あれだけの宣伝と、デビュー以来の代表曲を網羅という内容を考えれば、100万枚近くは売れると思っていたのですが、まさかEXILEのベストにも(初動68万枚)多く下回るとは思いませんでした。

ただ、さすがに今回のベストに関しては、amazonのレビューでも否定的意見が目立っていて、ファンにも見放されている様子。そうだよなぁ。あれだけベストを出し続けて、さらに他のベスト盤とも収録曲が大きくかぶるベストをリリースされれば、いくらファンでもひいちゃうよなぁ・・・。

さて、このB'zのベスト盤発売日は、アルバムの販売ラッシュ。当日、私も大量のCDを買い込んだのですが、私が買いに行った新宿のタワレコでもレジに長蛇の列が出来ていました。

ちなみに、今回の新譜ラッシュの結果は・・・

2位 BUMP OF CHICKENのB面ベスト
8位 MEG
9位 柴田淳
10位 AAA
11位 モトリークルー
14位 グループ魂
16位 LOVE PSYCHEDELICO
18位 GRAPEVINE
20位 SEAMO
42位 Shing02

ちなみに、太字が私が買ったアルバムです。

B'z以外では、やはりバンプ強しといったところでしょうか?あと、しばじゅんも、この新譜ラッシュの中、しっかりベスト10入りしてくるところ、強さを感じます。また、ベスト10以下では、GRAPEVINEがベスト20をキープ。こちらも固定ファンのついた強さを感じます。

一方、少々心配なのが20位SEAMO。B面ベストという企画盤とはいえ、ギリギリベスト20入りというのは気にかかります。同日発売のシングルも、残念ながらベスト10入りできませんでしたし、ここらあたりがふんばりどきのようです。

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2008年6月24日 (火)

味わいのある作品

Title:Sing
Musician:GRAPEVINE

Sing

かなりあっさりとした薄味の作品だな。

ソウルのグルーヴを全面に押し出したアルバムだったり、あっさりとした雰囲気が特徴的なアルバムだったり、アルバムによって色合いの異なる作品をリリースしてくる彼らですが、本作は、「Here」や「From a smalltown」に近い作風と言えるでしょうか。

ただ、この2作に比べても、本作は、さらにあっさりな風味に仕上がっていました。

そんな中でも、ソウル風のグルーヴを楽しめる「鏡」や、ロックンロール風の「フラニーと同意」など、バンドサウンドをしっかりと聴かせる作品もあるのも彼らの大きな魅力なのですが。

そして、それに加えて、歌詞もかなりわかりやすくなった印象を受けました。

タイトルチューンの「Sing」も

「空はうたい
風はうたい
ただそれを
誰がうたう」

(作詞 田中和将 「Sing」より)

さわやかな雰囲気ながら、どこか孤独感を歌い上げる内容がしっかりと伝わってきます。

もともと、田中和将の書く歌詞は、文学的な雰囲気をもちながら、リズムとの融合をはかった、「韻」を重視した歌詞になっていて、歌詞の内容については、難解といえば難解、深読みできるといえば、いくらでも深読みできそうな、そんな歌詞が特徴的でした。

本作も、そんな文学的な雰囲気や、「韻」を重視した歌詞はそのままながら、比較的平易な言葉をつかって、アルバムの世界を構築していました。

このアルバム、はっきりいってしまえば、すごく地味な作品です。しかし、地味ながらも、聴きこめば聴きこむほど味が出てくるような、実にGRAPEVINEらしい作品だったと思います。

彼らの作品の中でも、正直「最高傑作!」というレベルではありませんが、ファンならば安心して受け入れられる、実に彼ららしい佳作だったと思います。

評価:★★★★★

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2008年6月23日 (月)

一緒に歌いたくなってしまいます。

Title:虎の穴2
Musician:GO!GO!7188

虎の穴2

GO!GO!7188のカバーアルバム第2弾。

歌謡曲の大ヒットナンバーを中心にカバーしていますが

完全にカラオケレベル

「カバー」というよりも「コピー」に近いレベルで、原曲そのまんまにカバーしているため、GO!GO!7188らしさは皆無。曲によっては、ボーカルの歌い方も「物まね」テイストになっていたりします。

ただ、コピーといっても、原曲を忠実に模倣した完コピからも程遠く、そういう意味では中途半端な出来になっています。

そんな訳で、完全にカラオケレベルのカバーアルバム。ただ、それでも楽しく聴けちゃうのは、やはりヒット曲が持っている圧倒的なポピュラリティーと、メンバーが楽しんで曲を歌っているからじゃないでしょうか。

まあ、それなりに歌が上手い人が、とても楽しそ~うにカラオケしている姿を見ているような感じかな?思わず一緒に歌いたくなってしまいます。

ライブだと盛り上がりそうだな。CD音源としては凡作だと思うけど・・・。

評価:★★★


ほかに聴いたアルバム

FROM HERE TO EVERYWHERE/Northern 19

最近、いろいろな媒体にも取り上げられ、注目の新人バンド。

で、聴いてみたわけですが、「う~~ん・・・」。冒頭、メタル風の曲からスタートし、中盤はメロコア風、最後はオルタナ系のギターロック風と、壁をつくらない幅広い音楽性は、ある意味、「今風」のバンドといえるのですが、どれをとっても、個性が感じられない。メロディーといいアレンジといい、そこそこよくは出来ているのですが、「よくあるレベル」を超えておらず、いまひとつ面白みに欠けました。

評価:★★★

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2008年6月22日 (日)

ファンからの贈り物

Title:present from you
Musician:BUMP OF CHICKEN

present from you

この手のタイトルって、普通、「present for you」か、「present to you」だよなぁ。それを、「present from you」(=あなたからのプレゼント)ってつけちゃうところが、とてもBUMP OF CHICKENらしいなぁ。

そんな訳で、BUMP OF CHICKENのB面ベスト。

正直言ってしまうとね、個人的にBUMP OF CHICKENのベストはいまだに「THE LIVING DEAD」だと思っているし、インディーズ時代のファンタジックな物語性ある歌詞が大好きだったりするんですよ。

で、なぜかこのB面ベストでは、その時代をストレートに感じさせる曲が多いなぁ、と感じました。

でも、それって当たり前で、彼ら、インディーズ時代の人気曲を、よくアコースティックにアレンジし、シングルのカップリングとして収録していたから、インディーズ時代の人気曲が多く、B面ベストで収録されちゃったんですよね。

この作品でいえば「Everlasting lie」「ガラスのブルース」なんかがそれ。

それに「ラフ・メイカー」が収録されていたり、「THE LIVING DEAD」の「Opening」「Ending」の元となった「プレゼント」が新曲として収録されていたりするから、アルバム全体として、インディーズ時代のスタイルを強く感じさせる出来に仕上がっています。

ただ、それらの曲に限らず、「スノースマイル」「銀河鉄道」など、彼らのカップリング曲って、アルバム収録曲やシングル曲以上に、具体的描写やドラマ性のある作品が多いような印象を受けました。

ひょっとしたら、カップリングということで、シングル曲やアルバム曲以上に、彼らの素直な心情が、ストレートに反映された曲が多いのかもしれません。

そういう意味では、B面ベストながらも、とてもBUMP OF CHICKENらしさが出たアルバムだと感じました。

ファンズアイテム的な扱いではなく、BUMP OF CHICKENの1枚のアルバムとして、チェックしておきたい1枚でしょう。

評価:★★★★★

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2008年6月21日 (土)

ロックの壺

Title:STRENGTH IN NUBERS
Musician:THE MUSIC

STRENGTH IN NUMBERS

4つ打ちのテンポのよいダンサナブルなリズムに、ハードでノイジーなギターサウンド、そして意外とポップなメロディー

マンチェスター・ムーブメントから続く、イギリスのギターポップの潮流をそのまま受け継いだTHE MUSICのサウンドは、まさに、イギリスのギターポップ系バンドが好きなら、壺とついたサウンドといえるでしょう。

あと、ロバート・プラントばりのハイトーンボイスも大きな魅力です。

あ、ツェッペリンもイギリスのバンドだな。そういう意味では、まさにイギリスのロックの壺をしっかりとついたバンドなのかもしれません。

4年ぶり、久しぶりの新譜となった本作も、どしょっぱなであり、タイトルナンバーである「STRENGTH IN NUBERS」から、そんな壺をつきまくったナンバーでスタートします。

その後も基本的には、ダンサナブルなビート、ハードなギター、ポップなメロディーという、THE MUSICらしさを感じる曲が続くのですが、本作は、以前の作品と比べると、音数も絞り、勢いで押していくというよりも、しっかりと曲を聴かせる方向性を感じました。

例えば「IDLE」は、アコースティックな雰囲気のサウンドになっていますし、「THE LEFT SIDE」も、アップテンポな曲が多い彼らの作品の中では、かなりダウナーな雰囲気の曲となっています。

どれも、新機軸、といえるほどではなく、あくまでも、THE MUSICらしい枠組みの中におさまってはいたのですが、THE MUSICの新しいベクトルも感じられる作品でした。

全体的には、大絶賛、というレベルではないものの、THE MUSICの新作としては、納得が出来るレベルの佳作といったところでしょうか。本当にロックの壺をついてくるバンドですね、彼らは。

評価:★★★★★

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2008年6月20日 (金)

日本語のHIP HOP

Title:歪曲
Musician:Shing02

●Shing02“歪曲”CD(2008/6/18)

日本のHIP HOPというスタイルを本当の意味で模索する。

前作「400」から約6年。Shing02が目指したものは、HIP HOPという音楽を日本という国で演る意味、そして日本という国で行うべきHIP HOPの形ではなかったでしょうか。

そして出来上がってきたこの作品では、徹底的に日本でのHIP HOPというスタイルを追求した結果を聴くことが出来ます。

カタカナ英語を含めて、徹底的に外来語を排除し日本語にこだわったリリック、尺八や琵琶、三線といった和楽器を取り込んだトラック、この作品のハイライトともいえる「美獣」では、薩摩琵琶の弾き語りすら、楽曲に取り込んでます。

本作は、いままでの作品に比べて、ライムを踏んだリリックが比較的多く感じられるのですが、それも、日本語でライムを踏むことにより、日本語HIP HOPのさらなる可能性を模索した結果ではないでしょうか。

しかし、これだけ日本のHIP HOPというスタイルを追求していながら、アルバム自体、日本的であることをほとんど意識しないで聴けてしまいます。

それは第一に、「日本的」であることを意識することによってよくやりがちな、「ベタな和風の音を入れる」「富士山、桜など日本的なものを無意味に取り入れる」などといった安直な和風テイストを取り入れていないからでしょう。

また、和楽器にしても、このアルバム全体に流れるジャズ風のトラックの中に、実に自然に取り込まれてます。そのため、和楽器であることを意識しないで、トラックの音のひとつとして、自然に聴くことが出来るのです。

日本におけるHIP HOPの姿を明確に提示した傑作だと思います。Shing02によって、日本HIP HOPはさらにひとつ上の次元に到達したのではないでしょうか?普段、「日本語のHIP HOPってカッコワルイなぁ」なんて斜に構えてる方にこそ、聴いて欲しいアルバムです。

さて、このアルバムの内容をもっと具体的に見ていきたいと思います。

基本的にトラックは、ジャズをベースにした、生音主体のサウンドとなっています。25名にも及ぶ参加ミュージシャンにより奏でられた生音を、サンプリングの手法で構築していくトラックは、単純なバンドサウンドとも異なり、圧巻であり、独特の世界が築かれています。

ただ、このサウンドに関しては、後半になると少々単調気味になる印象を受けました。しかし、一方、後半になるに従い、リリックが印象的な曲が増えていきます。ひょっとしたら、リリックを際立たせるため、トラックを抑え気味にしたのかもしれません。

本作でのリリックは、内省的な内容が多くなっています。もちろん「焦燥」みたいな社会風刺的な内容もあるのですが、人の内面に切り込んだ作風が多いのが特徴的。また、「櫛と簪」「玉響」のような、ストレートなラブソングも収録されています。このラブソングが、意外や意外、かなり純情でストレートなのがおもしろく、特に「玉響」なんて、そのまま結婚式でつかえちゃいそうな内容になっています。

彼がつむぐ日本語のラップはひとつひとつの言葉がとても丁寧につむがれていて、思わず聴き入ってしまうドラマ性もあります。HIP HOPを普段聴かない方も含めて聴いて欲しい作品。間違いなく、今年を代表する傑作の1枚でしょう。

評価:★★★★★

余談。

「接近」で参加している女性ラッパー、誰かと思ったらたむらぱんかよ・・・

たむらぱん

ブタベスト(初回限定盤)

ラッパーとしてもめちゃくちゃカッコいいんだけど(^^;;意外だ・・・。

余談2

「銃口」の歌詞の内容が、露骨に「北斗の拳」なのがおもしろい。

「あたたたたたたた十六分音符
羅列、頭破裂する殺し文句」

(「銃口」より 作詞 Shing02)

なんて、そのまんまだし。つーか、Wikipediaで調べると、自分より1歳年上なだけなんですね。あぁ、同世代・・・・・・。

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2008年6月19日 (木)

現役ロックンローラー

Title:入門編
Musician:忌野清志郎

入門編

忌野清志郎の、ソロデビュー後の作品をまとめたベストアルバム。

喉頭がんから無事復活し、武道館での「完全復活祭」で、見事再起を果たしたキヨシローの、ある意味、再出発を飾るともいえるベスト盤です。

いやね、ベスト盤であらためて彼の作品を聴いて感じるのは、ロックミュージシャンとしての反骨精神、ポピュラリティー、ユーモアセンス、そして常に新しいことにチャレンジし続けるフロンティアスピリッツ、どれをとってもキヨシローって、本当に他に類を見ないミュージシャンだよなぁ、ってこと。

そして、彼がすごいのは、RCとしてのデビューから、そろそろ40年近くが過ぎ、そろそろ60歳に手が届きそうな今でも、いまだに現役感が全く衰えていません。ベテランミュージシャンって、ある程度、キャリアを重ねると、自分の型をつくってしまって、その型の中で、曲をつくっちゃうんですよね。だから、曲はどれもクオリティーが高く、ファンの要望に応えているんですが、「大いなるマンネリ」になってしまって、現役感が薄れちゃうんです。

しかし彼は、自分のスタイルを時々ぶっつぶしながら、いまなお、若手ミュージシャンのような緊張感を曲に漂わせながら曲を作り続けています。実際、このアルバムでも、正統派ロックから、ニューウェーヴ風の曲や、実験的なトリップ・ポップ、ポップスナンバーまで、キヨシローらしさを保ちながらも、いろいろなスタイルを試している姿を垣間見ることが出来ます。本作には収録されていませんが、最近では、RHYMESTERとのコラボレーションでHIP HOPとのコラボにも挑戦していますしね。

また、「3部作(イ)人類の深刻な問題(ロ)ブーム ブーム(ハ)ビンジョー」ではユーモアたっぷりの強烈な社会批判が聴けますし、一歩間違えばブーイングものの(笑)親バカソング「プリプリ・ベイビー」なんかをしっかり歌えちゃうのも、彼だからこそ。

唯一無二のロックンローラー、忌野清志郎を思う存分楽しめるベスト盤。収録曲数もちょうどいい塩梅ですし、オールタイムベストで、彼のソロ名義以外の曲も数多く収録されていますし、タイトル通り、「入門編」として文句なしのベスト盤だと思います。

評価:★★★★★

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2008年6月18日 (水)

ベスト10総入れ替え

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

新譜ラッシュとなった今週のシングルチャート。なんとベスト10のうち8曲までが新譜という、まさにベスト10総入れ替えというチャートとなりました。そんな中で1位を獲得したのが、GLAYのニューシングル「VERB」でした。どうも最近は、いまひとつタイアップも地味で、以前ほど話題にのぼることが少なくなった彼らですが、まだまだ根強い人気を確保しているみたいです。

・・・以下、倖田來未、UVERworld、T.M.Revolutionと、ここらへんはチャートの常連が並んでいます。UVERworldはいつの間にか、コンスタントにヒットを飛ばすミュージシャンになってしまいましたね。T.M.Revolutionは、一時期人気が下降線気味だったのですが、最近、まだ人気が上向きになってきていますね。てか、いまだにちゃんと作曲は浅倉大介なんだ。しっかりとしたサポートが人気の長続きのひけつなのでしょうか。ここらへん、浅倉大介の師匠はしっかりと見習ってほしいところです。

ってか、T.M.Revolutionがコンスタントに人気を確保している今、浅倉大介って、師匠より稼いでそうだなぁ(苦笑)。

相変わらずロングヒットを続けるGReeeeNを挟んで、以下、正直初耳のミュージシャンや意外な面子も。

6位のHigh-Kingは初耳のミュージシャンなのですが、最近、初耳ミュージシャンがベスト10入りしてこれば、8割方、ハロプロ系のアイドルだったりするのですが、案の定、彼女たちもそう。てか、完全に粗製濫造ですね。

7位童子-Tは、初登場ベスト10入りにビックリ!前作もベスト20入りしているみたいなんで、人気が出てきたということでしょうか。ただ、この曲、どー考えても「そばにいるよ」の2匹目のどじょうをねらっているよなぁ(苦笑)。

大橋卓弥のソロ3作目は8位に初登場。前2作が3位→3位なので、順位的にはここでガクっと落ちてしまいましたね。新譜ラッシュも大きな理由なのですが、もうひとふんばりしてほしいところか。

で、9位Angeloは、元PIERROTのメンバーが結成した新バンド。PIERROTのギタリストのバンドLM.Cが先週3位ということを考えると、ベスト10入りしてきたとはいえ、少々皮肉な結果になってしまいました。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

アルバムチャートで見事1位を獲得したのは、氷室京介のソロベスト。彼にとっては約10年半ぶりの1位獲得で、グループ出身のソロとしては、1位獲得最多枚数になったそうです・・・・ってまた、オリコンらしい重箱の隅をつついたような記録だなぁ。だいたい、その前の記録保持者が山下達郎って、確かに彼は以前、シュガーベイブというバンドに所属していたけど、彼が人気が出たのは、ソロになってからだし・・・。

というわけで、今週のチャートはシングルもアルバムも、ビートロック勢が1位獲得という結果になりました。「ビートロック」という言葉も死語になりつつあるけど、なんだかんだいっても、この手のミュージシャンって日本では人気あるんですね。最近のビジュアル系も、この流れを受けたバンドが多いし。

それに続いたのが、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのミニアルバム。そして、今週も海外の大物勢の新譜がランクイン。アメリカのメロパンクバンド、オフスプリングの新譜が3位、先日も当サイトで紹介した、イギリスのロックバンドCOLDPLAYの新譜が5位となりました。

COLDPLAYって、もっと日本人受けしていいバンドだと思うんですが、海外と比べて日本の人気が低いですよね。本作は、「Lovers In Japan」って曲まで収録されているのに。

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2008年6月17日 (火)

何度目だ?TMベスト

Title:TM NETWORK THE SINGLES 1
Musician:TM NETWORK

TM NETWORK THE SINGLES 1(初回生産限定盤)

一体、何枚ベスト盤をリリースすれば気が済むのでしょうか(苦笑)。今度は、彼らのシングルを販売順にならべたベスト盤で、第2弾も、冬ごろに発売を予定しているとか。でも、この企画は、既に「TIME CAPUSLE」でやっているんだよなぁ。

なんていいながら、きちんとチェックしている私も私ですが・・・(^^;;

なんだかんだいっても、やはりTM NETWORKはいいなぁ、なんてことをベスト盤を聴いていると思ってしまうんですね。もっとも、こう思うのも、ちょうどTM全盛期がこういうヒット曲を聴き始める時期とかぶっていて、思いいれがある、というのが大きな理由だと思うんですけどね。

デビュー作「金曜日のライオン」から、ブレイクした「Get Wild」を経て、「SEVEN DAYS WAR」までの作品(+「BE TOGETHER」)を収録した本作は、デビュー以来ブレイクまでの、TM NETWORKの模索の様子が感じられます。

デビュー当初から、テクノポップの路線を貫いている彼らですが、デビュー当初は、歌謡曲、あるいは80年代のニューウェーヴのテイストが強く感じられます。それが、シングルを発売するに従い、徐々に、ダンスチューン、あるいは、ロックテイストの強いナンバーが増えてきます。

特に「DRAGON THE FESTIVAL」以降、その傾向が強くなり、「Come On Let's Dance」あたりで、TM NETWORKとしてのスタンスが固まった、といってもいいでしょう。そしてその後、「Self Control」を経て、「Get Wild」の大ブレイクへとむすびつくわけです。

シングル曲を発売順にならべたシンプルなつくりだけに、初心者にピッタリ・・・・・・といいたいところなのですが、TM NETWORKの本領といえば、小室の作るダンスチューンと並んで、やはり木根のつくるバラードを忘れてはいけません。しかし、キネバラは基本的にシングル曲ではないだけに、この手のベストになると収録されないんですよね・・・。

ちなみに下の評価は、手を変え品を変えベスト盤をリリースし続ける、レコード会社の売り方も含めて。TMのベストだと、解散直後に出した「BLACK」「RED」「BLUE」の3枚が、一番ベスト、かなぁ?

評価:★★★

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2008年6月16日 (月)

1曲目でノックアウト!

Title:THE BEST COLLABORATION
Musician:DOUBLE

THE BEST COLLABORATIONS(DVD付)

先日、ベストアルバムをリリースしたDOUBLEが次にリリースしたのが、彼女が他のミュージシャンたちとコラボレーションした曲を集めた企画盤です。

このアルバム、聴き始めて、まず1曲目でノックアウトされました!

安室奈美恵とのコラボレーションの「BLACK DIAMOND」。今風の、ノリがよくて、かつ、ビートを前に押し出したR&Bなのですが、カッコいいの一言。途中、DOUBLEの最初のヒット曲「Shake」がサンプリングされていて、この企画の冒頭を飾るにふさわしいナンバーでした。

その後も、A.I.やZEEBRA、KREVAなどといった豪華な面子とのコラボレーションが続きます。

ただ、コラボレートされた面子を見ればわかる通り、基本的にはR&BやHIP HOPの世界の住人ばかり。個人的に、HIP HOP勢の村社会的な仲間意識に疑問を感じていて、m-floやRHYMESTER、KREVAみたいなジャンルを問わないコラボレーションに魅力を感じるだけに、正直言うと、その後のコラボ曲には(いい曲も多いとは思いますが)大きな魅力は感じませんでした。

まあ、そんな中、特によかったと思ったのが

De La Soulとのコラボレート作「Say "I Gotta Believe!"」と、m-floとのコラボレート「Life is Beautiful」でした。

De La Soulとのコラボに関しては、やはり日本勢との格の違いを感じました。S-WORDやZEEBRAとのコラボ曲も収録されていましたが、テンポの良さといい、トラックの音の選び方といい、並べて聴くと、やはりまだまだHIP HOPに関しては、本場との差があるんだなぁ、ということを実感させられます。

一方、m-floとのコラボは、昔のJazzテイストを入れた、ポップで楽しいナンバーで、エンタテイメント性という観点から見た時、本作の中では一番の出来。HIP HOPやR&Bの枠組みに捕らわれず、楽しめるナンバーだったと思います。

全体的には、企画盤ということもあって、アルバムとしてのまとまりはいまひとつ。「DOUBLEのほかの側面を見れる」という意味においても、似たタイプのミュージシャンとのコラボがほとんどなだけに、特にこれといった新しい発見もありませんでした。

まあ、ただ、ここに取り上げた3曲を筆頭に、いい曲が多いのは間違いないと思うので、気になる方はチェックして損のない1枚であると思います。

評価:★★★★

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2008年6月15日 (日)

大物の貫禄

Title:Viva La Vida or Death And All His Friends(美しき生命)
Musician:Coldplay

Viva la Vida

先日、はじめてColdplayが出演しているi Tunes+i PodのCMを見たのですが

そこに漂っていた大物の貫禄に、驚いてしまいました。

そうだよなぁ。本国イギリスでは、デビュー作以来3作連続1位、前作は、イギリスに続き、アメリカでもチャート1位を獲得。デビュー当初のRADIOHEADのフォロワー的見方は完全に消えて、いまや押しも押されぬトップミュージシャンなんだからなぁ・・・。

そのCM曲も収録された本作は、そんな大物としての貫禄を感じさせる安定感とスケール感、そして、彼らのメロディーラインの美しさを、これでもかと聴かされた作品でした。

まずこの作品で聴いていて心地よかったのが、作品全体にちりばめられているピアノとヴァイオリンの美しい音色でした。曲によっては、バンドサウンドや、ともすればメロディー以上に主張しているこれらの音色は、良質なクラッシック・ミュージックのよう。これらのサウンドがバンドサウンドに加わることにより、曲にスケールを持たせることに成功していました。

一方では(日本人にとってはうれしいタイトルの)「Lovers In Japan/Reign Of Love」のように、シューゲイザー系を彷彿とさせるような甘美なギターノイズの音が魅力的な曲も。このギターノイズも含めて、全体的に、とてもメロディアスで美しいアレンジが、アルバム全体を通じてほどこされていました。

そして、本作の強みはやはりメロディーラインでしょう!

もともと、その美メロには定評のある彼らでしたが、決して派手でインパクトがあるわけではないのに、しっかりと心にしみこんでいくその美しいメロディーラインは、本作で完成された、といっていいかもしれません。前述の、i Tunes+i PodのCMソングとなっている「Viva La Vida(美しい生命)」を筆頭に、歌をしっかりと聴かせてるポップソングの本質でしっかりと勝負している彼らの姿がこのアルバムでは感じられます。

大物の貫禄が、いい意味でアルバムに反映された、彼らの最高傑作。ミュージシャンとして、人気の面でも音楽の面でも、ひとつ上の次元に到達した、といっていいかもしれません。前作は、各国のきなみ1位を獲得する中、日本だけベスト3入りすら出来なかったのですが、日本でももっともっと売れてもいい作品だと思います。

評価:★★★★★

余談。

Dragon Ashのアルバムと、ジャケットがほぼ同じ点について。

Viva La Revolution

まあ、言うまでもなく、元ネタは、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」なんですが。でも、Dragon Ashの方もアルバムタイトルが「Viva La Revolution」と、微妙に似ているのは偶然の一致??


ほかに聴いたアルバム

Booming Back At You/JUNKIE XL

全編心地よいダンスチューン。難しいこと抜きとして、トランスのナンバーが楽しめる楽しい作品でした。

評価:★★★★

ERA VULGARIS/QUEENS OF THE STONE AGE

あれ?ストーナーロックというよりも、フツウのオルタナ系のギターロックになっている・・・。いや、ギターロックというよりも、むしろギターポップにすら近い作品すら。いや、個人的には結構この路線も好きですけどね。QUEENS OF THE STONE AGEが、ポップなメロディーラインが大きな魅力であることが再認識できた作品でした。

評価:★★★★

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2008年6月14日 (土)

童話の世界

Title:クロニクル
Musician:安藤裕子

chronicle.(DVD付)

安藤裕子の最高傑作!!

だと思いますよ、本作は。

今回の作品、アルバム全体でイメージされているのは、ファンタジックな童話の世界。

ただ、童話とはいっても「よい子のえほん」みたいに、毒を抜いて「めでたしめでたし」で終わるような話ではありません。どこか毒の入った、「童話」というよりは「民話」に近いような、そんな雰囲気をかもしだしているアルバムでした。

この作品、「六月十三日、強い雨」ではピアノの弾き語りからスタート。前半は、ピアノの音色が印象的なナンバーが続きます。

そんな中で違和感を感じるのが2曲目の「HAPPY」です。SUEMITSU&THE SUEMITHの末光篤作曲の本作は、軽快なピアノロックのナンバーながらも、ピアノの音に不協和音がまじっていて、不思議な雰囲気をかもしています。(ってか、末光も、自分の作品として、このくらいの曲をつくってほしいなぁ(苦笑))

その後は、ソフトロックやジャズ、フォークなどの影響を感じるような、ポップでメロディアスなナンバーが続くのですが、その中にも違和感が。6曲目「お祭り-フェンスと唄おう-」は、本作の中で一番童話風の、チャイルディッシュで明るいナンバーながらも

「私以外の女の子に 色目を使われることも
きっとあるでしょうから
今日は私から行く
私に付いてきて」

「クルノヨ クルノヨ クルノ クルノ クルノ
あー秘密のおまじない」

(「お祭り-フェンスと唄おう-」より 作詞 安藤裕子)

と、どこか不気味な雰囲気を感じさせます。

その後も、ポップなソフトロックの路線が続くのですが、「パラレル」のラストでは、いきなり不協和音のピアノのアルペジオが入り、このアルバムは決して明るいだけのおとぎ話ではないことを実感させられます。

全体として、ポップで楽しげな雰囲気が流れているにもかかわらず、どうにも消えようのない違和感と不気味さも同居する毒を持ったアルバムでした。

いや、これは本当に癖になりそうな、傑作のポップスアルバムだと思いますよ。

ちなみにオザケンの「ぼくらが旅に出る理由」のカバーもなかなか秀逸。こちらもあらためていい曲だなぁ、と実感させられました。

評価:★★★★★

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2008年6月13日 (金)

狂乱のサウンド

Title:PLANET PIMP
Musician:SOUL&"PIMP"SESSIONS

PLANET PIMP

以前、チラッと書いたことあるのですが、最近、少しジャズにも手をひろげて、いろいろかじって聴いていたりします。全く聴き始めたばかりなんで、ジャズに関しては素人同然なのですが、そんな流れの中、SOIL&"PIMP"SESSIONSの曲を聴くと、いまさら当たり前のことかもしれませんが、なにげにしっかりとジャズのフォーマットをくんだ、れっきとしたジャズバンドなんだな、ということにあらためて気がつきました。

しかし、その上で、彼らのサウンドは、ジャズという以上に、ロック寄りのテイストを強く感じます。それはおそらく、彼らのサウンドが、ジャズのように、個々のプレイヤーの演奏を聴かせるというよりも、バンド全体としての「ノリ」を重視している、という点から来るのではないでしょうか?(いや、ジャズも「ノリ」を重視しているような曲もあるでしょうが)

彼らは、自らのジャズのことを「デス・ジャズ」と呼んでいるそうです。その名称がピッタリとくる、まさに狂乱といもいえるサウンドが展開されています。特に本作の前半では、どのプレイヤーも、大音量で、勢いを重視したプレイが展開され、ジャズのアドリブというよりも、ロックのインプロビゼーションに近いものを感じます。

一方では「Struggle」は、おそらく一般的にイメージするようなジャズのナンバーですし、ラストの「Sorrow」も、ムーディーな雰囲気が、彼らの音楽性の幅の広さを感じさせます。

個人的には、本作は、特に前半のノリのいいナンバーでの、サウンドの「狂乱」さが増したように感じて、とても楽しめる1枚になっていました。ここらへん、基本的にロック好きの人間なので、ジャズ寄りの方はどう感じるのか気になるところなのですが・・・ロック、ジャズ、ジャンル問わず、楽しめる作品だと思います。

評価:★★★★★

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2008年6月12日 (木)

ポップソングの金太郎飴

Title:COMPLETE SINGLE COLLECTION 1998-2008
Musician:GOING UNDER GROUND

COMPLETE SINGLE COLLECTION 1998-2008(初回限定盤)

GOING UNDER GROUNDとしては2作目となるベスト盤。インディーズ時代の作品から、最新シングルまでが発売順に並んでいる・・・まあ、おなじみな構成なのですが・・・彼らの歩みがわかる2枚組みのベストアルバムとなっています。

久しぶりのインディーズ時代から彼らの作品を聴きなおしたのですが、インディーズ時代の作品の音には少々ビックリ。ギターノイズを全面に出したアレンジとなっていて、完全にポップスバンドとなった最近に比べると、パンクテイストの強い作品になっています。そういえば、GOING UNDER GROUNDって名前、THE JAMからとっているんだっけ・・・彼らの音楽の原点が、あくまでパンクであることを再認識させられます。

ただ、メジャーになってからの彼らのシングルって、良くも悪くも紋切り型。似たタイプの曲が多いんだよなぁ。いわゆる「胸キュンポップス」なんて形容詞がピッタリくるような、切なさを感じさせるポップなメロディーラインに、少々オーバーアレンジ気味のバンドサウンドという楽曲のオンパレードになっています。

最近の曲になればなるほどこなれてきて、安定感のある無難な佳作が多いのですが、2枚組のボリュームで続くと、やはり最後の方は飽きてきてしまいました。1曲1曲を切り取って聴けば、名曲が揃っているのですが、似たタイプの曲がこれだけ続くとやはり・・・。

「大いなるマンネリ」って路線もアリだとは思うのですが、残念ながら、大いなるマンネリでリスナーをひきつけられるだけの卓越したメロディーセンスを持っているか、といわれると、微妙なところで、テンポをおそくすることによって、サビを盛り上げようとする安易な手法も目立つし、残念ながら、そこまでのメロディーセンスは現段階で感じられる曲はわずかでした。

既に10年選手のベテランバンドだし、ベスト10ヒットも武道館公演も経験しているバンドなだけに、決して実力がないとは思わないけど・・・そろそろ、次の一手を打たないと、次の10年が厳しいかも。もうひとふんばり、がんばってほしいところです。

評価:★★★★

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2008年6月11日 (水)

ジャニーズ系、敗れたり!その2

今週のシングルチャート
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先週、V6をおさえて見事1位を獲得したGReeeeN「キセキ」ですが、なんと2週目の今週も7万枚超を売上げ、2位のタッキー&翼を抑え、1位を死守しました!まさかタキツバも2週目GReeeeNに負けるなんで思わなかったでしょうね。ただ、初動6万8千枚というのは、ジャニーズ系としては決していい数字ではないのが気にかかりますが。

3位に入ってきたLM.Cは、元PIERROTのギタリストAijiらが結成した、ビジュアル系ロックバンド。アニメタイアップもあり、いきなりの大ブレイク・・・といいたいのですが、そのアニメタイアップもこれがはじめてじゃないんですよね。なぜ、いきなり?

ただ、楽曲自体は、90年代ビジュアル系ブームあたりから、何一つかわっていない音やメロディーラインに、逆にビックリ。最近、再びビジュアル系がブームになりつつありますが、ブームの火付け役的存在のDir en greyみたいに、ヘヴィーでカッコよくて、ビジュアル面も含めて、一種の「毒」をもったバンドじゃなくて、毒抜きされたポップバンドが結局売れちゃうのがヒットシーンの限界なのかなぁ・・・。

まあ、ビジュアル系バンドについては詳しい訳じゃないので、あくまでも印象論なんで、異論反論大歓迎なのですが、90年代のビジュアル系ブームの時も、最初、XだとかBUCK-TICみたいに、楽曲、ビジュアル面両方とも、一種のやばさを持ったバンドが火付け役となったけど、その後、LUNA SEA→GLAYとどんどん「やばさ」が薄れ、ポップス路線に意向しちゃって、結局、アイドルポップスみたいな扱いになっちゃって、衰退しちゃったんですよね。今回のブームも、なんとなく、以前と同じルートをたどっているような印象を受けちゃいます。

清水翔太の2枚目が無事4位にランクイン。とりあえず、これで「一発屋」の汚名からはまぬがれたか?

5位BoA、6位柴咲コウは、この新譜ラッシュで少々低調気味。7位に入ってきた米米CLUBの新曲も、ドラマ主題歌というタイアップの良さを考えると、少々低調気味かな?それでも、しっかりベスト10入りできるだけ、まだまだ人気の強さをうかがえます。

そしてなんと10位にウルフルズトータス松本のソロ作「涙をとどけて」がランクインしてきました。シングルとしてはソロ初となる作品。ドラマ主題歌というタイアップの良さもさることながら、根強い人気のほどもうかがえます。


今週のアルバムチャート
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シングル同様、アルバムも新譜ラッシュとなった今週のヒットチャート。シングルではジャニーズ系が敗れてしまいましたが、アルバムでは、KAT-TUNのニューアルバムが初動24万枚で見事1位を獲得しています。でも、先日のシングルの初動を考えると、シングルを買うけど、アルバムは買わないというファンが、3分の1もいるということか・・・。

2位はMINMIのベスト盤。彼女、なにげに根強い人気がありますね~。

それに続いて3位に入ってきたのが、菅野よう子によるアニメ「マクロスF」のサントラ盤。アニメサントラ盤としては、エヴァンゲリオン以来、11年ぶりのベスト3入りとか。「ベスト3」入りと限定して、「エヴァ以来」をわざわざ強調しているがオリコンニュースらしいんですが(苦笑)。ベスト10に広げれば、もっともっとランクインしているんだろうなぁ・・・。とりあえず、菅野よう子や、坂本真綾の人気や、「マクロス」というアニメを見ない私でも名前くらい聞いたことあるレベルの知名度の高さが、ブレイクにつながった、といった感じなのでしょうか?

また、以下、4位にBEAT CRUSEDERSの新譜が、先日、当サイトでも紹介したWeezerの新譜が9位にそれぞれランクイン。日米の人気パワポバンドの対決は、日本勢の勝利に終わりました。

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2008年6月10日 (火)

ジャンルレスのおもしろさ

Title:SEEING SOUNDS
Musician:N.E.R.D.

Seeing Sounds

ロック、HIP HOP、ジャズ、ソウル、クラッシック、歌謡曲・・・音楽には、いろいろなジャンルというものがあります。普通、ロックのミュージシャンはずっとロックを演奏しますし、ジャズのミュージシャンはずっとジャズを奏でています。しかし、そんな中で、ジャンルに捕らわれず、様々な音楽にチャレンジするため、そのミュージシャンのジャンル付けが困難となるミュージシャンがいます。

彼ら、N.E.R.D.はまさにどのジャンルか、はっきりと明確に出来ないような、ジャンルレスな音を鳴らしているミュージシャンです。

まあ、基本的にはネプチューンズのファレル・ウィリアムスを中心としたユニットなので、HIP HOPやR&Bをベースとしています。しかし本作は、1曲目「Time For Some Action」こそ、ダンサナブルなHIP HOPチューンからスタートしていますが、軽快なギターリフ(それも、どこかThe Knackの「My Sharona」を思い起こさせる)を中心とした曲づくりをしている「Everyone Nose」はむしろロックというカテゴリーに入りそうな曲ですし、「Yeah You」はメロウなR&Bチューンとなっています。

その後も「Happy」はギターロックですし、「Kill Joy」はHIP HOPながらも、トラックはギターのリズムを全面に出していて、むしろロックの色合いが濃い曲になっています。また、「Love Bomb」は、アコースティックなソウルナンバーながらも、どこかAORやポップスのテイストの感じられるナンバーとなっています。

このように、どの曲もロック、HIP HOP、ソウル、ポップスといったジャンルを自由自在に行ったり来たりするような楽曲が本当に魅力的な作品となっています。

さらに、それに加えて、このアルバムが魅力的なのが、メンバーが純粋に音楽を楽しんでいる点ではないでしょうか。どの曲も、楽しくポップな楽曲が並んでいて、聴いていてハッピーになれる曲ばかりですし、なによりメンバーが音楽を楽しんでいるなぁ、というのを実感できる作品になっていました。

HIP HOPリスナー以上に、ロックリスナーから高い支持を受けそうな、とても楽しい傑作。ジャンルにとらわれない音楽の楽しさというのが実感できる1枚だと思います。

評価:★★★★★

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2008年6月 9日 (月)

その音世界に圧巻です。

Title:NUOU
Musician:ROVO

NUOU

ROVOのサウンドには、いつも圧巻されるのですが、また本作も、その音の世界に圧巻されました。ま、正直言ってしまって、いままでのアルバムと比べて、新しいことを展開しているわけでないのですが、そういうことすら些細な事と感じられる、次から次へと展開されるサウンドの応酬に、全く別世界に引きずりこまれるような・・・オーバーな表現だなぁ・・・だけど、それだけの迫力を感じた作品です。

基本的に、どの曲も、最初は音数を絞った静かな雰囲気からスタートします。それは例えば1曲目の「KOO」では、電子音とギターのからみから、「OUO」では、バイオリンとドラムスがからんだ形で、展開されていきます。

その後は徐々に音数が増えていき、ギター、ドラム、そしてバイオリンや打ち込みの電子音などがからみあい、壮大な音の世界をつくりあげ、最上級まで盛り上がりを見せる、というのが、アルバム全体を流れる展開。特にラスト「CADO」では、それまでの総集編のようなダイナミックなサウンドでこのアルバムを締めくくっています。

この作品で(というかROVOの作品全体にいえることでしょうが)特に魅力的なのは、バイオリンの音色でしょう。美しいバイオリンのメロディーラインが、楽曲全体にまとまりを与えていて、ともすればバラバラになりそうなサウンドをひとつにまとめあげています。

また、バイオリンと同様にこの作品の軸になっているように感じたのはドラムスの音。一定のリズムを刻むドラムスの存在によって、楽曲を踊れるリズミカルなものへと変えています。この心地よいリズムがあるからこそ、このアルバムが変に小難しい存在にならず、いい意味でのポピュラリティーを与えてくれていました。

CDを聴いているだけでも文句なしの傑作だと思うのですが、このアルバムをライブで、それも野外で聴けたら気持ちいいだろうなぁ~。まさに人力トランスの心地よさが体感できる1枚です。

評価:★★★★★

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2008年6月 8日 (日)

音楽性を広げたかったんだろなぁ。

Title:Here We Stand
Musician:the Fratellis

Here We Stand

「タララタララタラタラタラタ~♪」が耳から離れなくなってしまう「Chelsea Dagger」が、iPodのCMにも起用され大ヒットし、一躍注目を浴びたthe Fratellis。その作品が入った「Costello Music」は、個人的にも昨年、もっともはまったアルバムだっただけに、2ndアルバムとなった本作も、かなり期待していたのですが・・・。

率直にいってしまうと、完全に期待はずれでした。

というのも、まず本作、全体の雰囲気からして、前作と全く異なった雰囲気になっています。具体的には、ハードロックテイストをベースとした曲づくりがメインとなっていました。冒頭の「My Friend John」こそ、軽快なサウンドが楽しめたのですが、その後、「A Heady Tale」は、ボブ・ディランの影響すらうかがえるフォーク調のナンバーになっていたり、「Mistress Mabel」はメロパンク調になっていたり、「Babydoll」はカントリー調に仕上がっていたり・・・前作で私たちを楽しませてくれたダンスポップ風の作品は影をひそめ、かわりに、様々なタイプの曲が乱立しているアルバムになっていました。

彼らが何をやりたいか、ということはすごくよくわかるんですよ。おそらく、the Fratellis=ダンスポップというイメージを払拭したかったんだろうなぁ、と思います。また、幅広い音楽性を模索しようとするスタンスはミュージシャンとして間違ってはいません。(もっとも、「大いなるマンネリ」を目指す手もあると思うのですが)

しかし、残念ながら、まだ2枚目となる本作では、全ての曲の根底に流れるような、the Fratellisとしての個性を感じられませんでした。そのため、アルバムの曲調はバラバラ。結局、どの曲も中途半端におわっていて、1枚目で感じたthe Fratellisの良さというのが、本作ではほとんど生かしきれていませんでした。

「Costello Music」の時のようなポップスセンスを持っているというのは非常に貴重だと思うだけに、この方向性はとても残念でした。せめて、2作くらい同じ方向性でアルバムをつくって、きちんとthe Fratellisらしさというのを確立させてほしかった・・・。3作目がどのような方向に向かうのかはわからないけど、もうちょっと足元をかためたアルバムをつくってほしいなぁ。

評価:★★★

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2008年6月 7日 (土)

パワポの一言ではおさまらない

Title:Weezer
Musician:Weezer

Weezer (Red Album)

これで3作目となるセルフタイトルの新作。

昨年は、リヴァース・クオモ名義のアルバムをリリースしましたが、Weezerとしては、3年ぶりとなるニューアルバムです。

ちなみに、日本人女性と結婚したらしいリヴァース・クオモ。今回のアルバムの日本盤には、BoAの「メリクリ」のカバーが収録されて、話題になっていたりします。

Weezerが新作でBoA「メリクリ」を日本語カバー (ナタリーより)

私は輸入盤を購入し聴いたので、この「メリクリ」のカバーに関しては、ノーコメントということで(^^;;

さて、そのWeezerの新譜。Weezerといえば、パワーポップ、パワーポップといえばWeezerというくらい(?)、特に日本では、パワーポップバンドの代名詞的存在の彼らですが、しかし、本作は、そんなパワーポップの一言では片付けられない多様な音楽性と、どの音楽にも共通する、絶妙にポップなメロディーが大きな魅力となっています。

それがもっとも顕著にあらわれているのが冒頭の2曲目「The Greatest Man That Ever Lived (Variations on a Shaker Hymn)」。ピアノの音色ではじまったかと思えば、中盤では教会音楽をイメージさせるような合唱があったり、また、テンポが急に速くなったり遅くなったりと、最後まで様々な展開を見せ、スケール感のある楽曲に仕上げています。

また、「Thought I Knew」は、表面的には普通のポップスながらも、バックに流れている打ち込みのサウンドが微妙にアンバランスに流れていて、不思議な雰囲気をかもし出しています。

一方で、王道のパワーポップナンバーももちろん数多く収録していますが、「Pork and Beans」では、AメロBメロではバンドサウンドを抑え気味にし、メロディーを強調し、一方、サビでは一気にバンドサウンドを響かせ、盛り上げる、という小気味よい緩急のあるサウンドが魅力的。

また、「Everybody Get Dangerous」は、メロディアスなギターリフを中心とした曲構成になっており、彼らのハードロックからの影響を一番強く感じさせるナンバーとなっています。

このように、パワーポップという一言では片付けられない点が彼らの大きな魅力。そしてその傾向は、本作ではより強く感じられました。

音楽性の幅をさらに広げ、確実に次の一歩に進んでいる新作。しかし、前述の通り、ポップなメロディーも健在で、そのバランスの良さも感じられます。Weezerの魅力を再確認できるアルバム、といっていい新作でした。

評価:★★★★★

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2008年6月 6日 (金)

意外とまとまっていました。

Title:The Best Of
Musician:RADIOHEAD

ザ・ベスト・オブ(2CDエディション)

RADIOHEAD初となるベスト盤。

いや、正直、もっともベスト盤から遠いミュージシャンだと思っていました。

だって、リリースするアルバムによって曲の雰囲気はバラバラ。デビュー作「Pablo Honey」から2作目「the bends」でも変化していましたが、特にその後、「OK Computer」で大きく変貌をとげ、続く「KID A」は大胆にエレクトロニカを導入。いままでとガラっと雰囲気のかわった作品になっています。

それだけにベスト盤という形で世に出すことはまずないと思っていたんですけどね。レコード会社移籍後、原盤権を持っている前のレコード会社が勝手にCDを出しちゃうっていう、よくあるパターンですかね。イギリスの著作権事情は詳しくは知らないのですが。

ちなみに、各アルバムの収録状況は・・・

「Pablo Honey」・・・1曲
「the bends」・・・6曲
「OK Computer」・・・4曲
「KID A」・・・2曲
「Amnesiac」・・・1曲
「Hail To The Thief」・・・2曲

・・・って、「the bends」と「OK Computer」で過半数って、わかりやすすぎ!

ま、「KID A」からの3部作は、アルバムの出来良し悪しよりも、曲の雰囲気的に、前半の3作とからませにくかった、というのは非常によくわかるんですけどね。

もっとも、「the bends」と「OK Computer」も、結構な違いがあると思うのですが、それでも、ベスト盤として並べてみると、意外としっくりとくる内容に仕上がっていました。

特に冒頭、「Paranoid Android」から「Karma Police」を経て「Creep」に続く名曲3連発は、もう最高の一言!RADIOHEADの中でも、もっとも心に響く曲を濃縮して並べた展開は、少々あざとさもあるものの、RADIOHEADの魅力にあらためてはまってしまいました。

こうやって彼らの名曲を並べて聴いてみると、なんだかんだ言っても、アルバムによって雰囲気が違っても、その根本に流れているものは共通しているんだなぁ、と、あらためて当たり前のことながらも感じてしまうベスト盤になっていました。

ただ、RADIOHEADをはじめて聴く人が、最初に聴く1枚としては、やはり素直に「the bends」を薦めたいところですけどね(^^;;

評価:★★★★★

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2008年6月 5日 (木)

狂気と正常の狭間で

Title:大公式2
Musician:
筋肉少女帯

大公式2

オーケンの書く歌詞は間違いなく、どこか狂っている。

筋肉少女帯の楽曲を聴いていると、オーケンの狂った歌詞に非常にひきつけられます。

今回、復活した筋肉少女帯が、「大公式」に続いてリリースした本作は、いわゆる「裏ベスト」的な企画盤。ファンに人気のあるナンバーを中心に収録したアルバムで、「大公式」で筋少を知った人にとっての、次の一歩ともいえるアルバム・・・のようです。

そして、本作の中で、間違いなく一番狂っているのが、「ハッピーアイスクリーム」でしょう。

ハッピーアイスクリーム 筋肉少女帯 歌詞情報 - goo 音楽
とりあえず、全部が狂っている歌詞なので、歌詞情報のサイトにリンクをはっておきます。

ただ、ここですごいのは、文字情報として歌詞を読む分には、かなりドギツイ内容になっているのに、実際に聴いてみると、かなりポップな印象を持ってしまいます。特に、アイドルっぽい女性のコーラス(?)を入れることによって、かなり柔かな雰囲気に仕上げています。

だからこそ、余計に、この曲は狂っていると感じるんですけどね。

もっとも、この曲に限らず、オーケンの歌詞って、人間の狂気性を描いているにも関わらず、どこか客観的な視点で見つめているんですよね。だからこそ、これだけ人間の狂気の部分を描きながらも、一方ではしっかりとエンターテイメントとして仕上げている、これこそが筋肉少女帯の魅力ではないでしょうか。

おそらく、大槻ケンジという人間は、かなり客観的に自分という存在を見つめられる人なんじゃないでしょうか。だからこそ、自分の中に潜む狂気性について、客観的な視点から描くことが出来るのでしょう。

基本的に「裏ベスト」であるがゆえに、筋少の本質ともいえる、ポップでありながらもその実、狂気性を帯びたような作品が目立った本作。サウンド自体も、王道のスラッシュメタルから、GSやポップ、ロック等々、幅広い・・・というよりは、全体的にまとまりのなさが目立ちますが、それこそまた、彼らの大きな魅力と言えるでしょう。

筋少のさらに奥深い世界に立ち入れる、そんな企画盤でした。

評価:★★★★★

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2008年6月 4日 (水)

ジャニーズ系、破れたり!

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の第1位は、V6の新作・・・ではなく、GReeeeNのニューシングル「キセキ」が1位を獲得しました!

ドラマ「ROOKIES」の主題歌という好タイアップながらも、「愛唄」のヒット以降は、「なんとかベスト10入り」程度の順位に落ち着いていただけに、ジャニーズ側としては、まさか、彼らに1位を取られるなんて・・・と思っていたでしょう。

もっとも、V6も、初動8万枚と、決して(ジャニーズ系の中では)好セールスではありませんし、ORANGE RANGEの発売日も同日だっただけに、特に1位を狙った訳ではないのかもしれないですが。

で、そのORANGE RANGE。初動7万3千枚は、前作を大きく上回っているようなのですが、アニメタイアップに恵まれた本作も、以前のような勢いは感じられません。というか、もっと高い人気で持続するように思ったんだけどなぁ。そのスタイルやら、「盗作疑惑」やらで、思ったほど幅広い支持を得られなかったというところでしょうか。

そしてそして、今後も来ました!!

the pillows「New Animal」、前作に続き、ベスト10入り!!!

本当に、完全にブレイクしちゃいましたね。複雑な心境なんですが、10年来のファンとしては、やはり今の活躍はうれしい!今回の作品も、彼ららしい軽快なロックチューン。6月にはニューアルバムがひかえていて、こちらもとても楽しみです。

ロングヒット系では、今週、残念ながら、羞恥心は11位にランクダウン。ジェロも26位まで落ちてしまっています。羞恥心はもうひとふんばりあるのか?一方、新たなロングヒットの予感があるのはAqua Timez「虹」で、今週も5位にランクイン。ここらへん、今後、ロングヒットとなるのか?


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

これからの夏に向け、大物ミュージシャン(特に洋楽)の新譜ラッシュが続きそうなアルバムチャート。今週もさっそく大物のアルバムがランクインしています。

しかし、そんな中1位を獲得したのが、なんとmihimaruGTのニューアルバムが1位を獲得。タイアップ曲なども多数収録されていて、最近、かなりレコード会社のプッシュが目立ちますね。かつては、レコード会社のプッシュに反比例して、なかなか売れなかったのですが、ようやく本格的なブレイクと相成りました。

2位は、DOUBLEのニューアルバム。先日、ベスト盤をリリースしたばかりの彼女ですが、今後は、彼女が他のミュージシャンとコラボレーションした作品を集めた企画盤になっています。

そして、冒頭に書いた大物洋楽ミュージシャンのアルバムが今週は2枚ランクイン。

それが4位のR&Bの大物ミュージシャンUsher「Here I Stand」と、7位RADIOHEADのベスト盤「THE BEST OF」です。Usherは前作「Confessions」が世界中で大ヒットしましたが、本作も、それに続き、またもや大ヒットが期待されます。RADIOHEADのベストは・・・ちょうど今聴いています(^^;;いかにもミュージシャン不在のレコード会社の企画って感じなのですが・・・。ただ、アルバム単位で注目を集めることが多い彼らですが、1曲1曲聴いても本当に名曲が多いですね~。

9位にランクインしてきたのが、これがデビュー作となる詩音の「Candy Girl」。なんでも、インディーズソロミュージシャンで、デビュー作がベスト10入りははじめてだとか。オリコンらしく、わざわざ「ソロ」と限定しているのは、バンドなら、MONGOL 800のデビュー作がベスト10入りしているから(他にもありそうだな)。というか、インディーズとメジャーの垣根がリスナーレベルでは有名無実化している今、「インディーズで」みたいなくくりに、かなり無意味さを感じるのですが。

10位には、ジャズピアニスト上原ひろみのニューアルバムがランクインしています。本作では、「Beyond Standard」というタイトル通り、ジャズのスタンダードに限らず、ロック、ポップス、クラッシックのスタンダードナンバーをカバーして作品になっているようです。

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怒れる人々

ちょっと思ったことを。

日本ラッパーに不満と怒り ZEEBRA「ユーチューブ」に動画アップ
http://www.j-cast.com/2008/06/03021113.html

確かに、「怒り」というのは、作品を作り出すための重要な原動力だと思うよ。

だけど、感情をむきだしのまま、怒りをそのまま表現するってのは、素人だと思うんだよなぁ。

プロだったら、その怒りを一度自分の中で消化した上で、エンタテイメントのレベルでまとめあげるのがプロだと思うんだけどなぁ。

例えば、怒りをそのまま音楽で表現するといえば、パンクとかがまさにそれなんだけども、ピストルズだって、そのデビュー作は、実はしっかりとしたプロによってサウンドメイキングがなされ、その世代の若者の怒りが、しっかりとエンタテイメントのレベルにまで昇華されているからこそ、今なお、多くの音楽ファンを引きつけるわけで。

ましてや、その怒りの内容が「MTVアワードで、主催者がスポンサーとばかり話していた」って・・・

知らんがな。

って思ってしまうんですよね。

以前から思っているんですが、とくにハードコアとジャンル付けされるような日本のHIP HOPミュージシャンって、ディスとか、向こうのスタイルばかりまねて、いまひとつ、自分たちの音楽を人に聴かせる=エンタテイメント性をつける、という努力を怠っているように感じるんですよね。そんな中で、ZEEBRAは、しっかりとエンタテイメントであることを自覚していると思っていたんだけどなぁ・・・。

もういっちょ。怒れる人。

「ROCK IN JAPAN」主催者、公式サイトで「RISING SUN」を批判。
http://narinari.com/Nd/2008069545.html

ちなみに、公式サイトの6月1日のメッセージを参照のこと。

音楽業界については、基本的に門外漢なのですが、おそらく、この手の約束事って、フェスに限らず、この業界にはいろいろありそうだし、そういうことは質問されても言わないのが「大人のお約束」だと思うんですよね。

まあ、そういう「お約束」を守らずに、本音ベースの話を公表しちゃうあたり、良くも悪くも、同人誌的な意識が抜けきっていないロッキング・オンらしいなぁ、なんて思ってしまいます。

もっとも、ロッキング・オンがカウンター的存在だった頃は、そういうスタンスの良い部分が作用していたのですが、既にロッキング・オンが音楽雑誌のメインストリームになってしまった現在、いつまでもこの手のスタンスは正直、どうなんだろうか、なんてことも思ってしまいます。(見方によっては、ロッキング・オンが大きなメディアになったからこそ、こういう話を公表できる、という見方もありそうですが)

問題は、上の記事でも指摘があるように、ロッキング・オンが、ライジング・サンを踏み台にして、ROCK IN JAPAN FES.を立ち上げちゃったことから、ややこしくなっているんですが・・・。

最後に。

ロックの創始者ボ・ディドリー死去、79歳
http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200806030016.html

彼のような、ロックの創始者がまだ存命だったということが、ロックがまだまだ若い音楽だということを感じさせます。(チャック・ベリーもまだ元気みたいですしね。)

ただ、最近は、ドラッグとか、事故とかではなく、純粋に年老いて亡くなっていくロック界の偉人が増えている点、ロック・ミュージックが次ぎの時代に入ってきているのかなぁ、なんて感じてしまいます。

素晴しい音楽、ロックンロールの偉人に、R.I.P.

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2008年6月 3日 (火)

デストロ~イ!!!

      
あらためまして、はじめまして、ミドリです。

アーティスト:ミドリ

あらためまして、はじめまして、ミドリです。

デストロ~~イ!!!

パンクバンド、ミドリ「らしさ」というものが、わずか1分程度で体感できるアルバムが本作。

当初、女性ボーカルのしんみりとした(ある意味ベタベタな)ラブソングからスタートしている本作ですが、その雰囲気は、わずか1分程度で終息を迎えます。

それが、このタイトルになっている一言。

いきなりボーカル後藤まり子の絶叫からスタートしたかと思えば、それ以前の雰囲気をめちゃくちゃに破壊するパンキッシュな轟音がスタートします。

後藤まり子のボーカルによって生じる「かわいらしさ」と、狂ったようなバンドサウンドによって生じる「凶暴さ」の両立。それこそがミドリの最大の魅力でしょう。

ただ、この新作に関しては、後藤まり子のシャウトはさえているものの、轟音のバンドサウンドは少々後ろに下がっています。そのかわり、これまた狂気を感じるようなピアノの音が全面に出てきています。

もっとも、凶暴だの狂っただのという表現をつかっていますが、ミドリのバンドサウンドは、パンキッシュではあるのですが、その裏に冷静さを強く感じます。ピアノの音にしても、パッと聴いた感じ暴力的な雰囲気を感じるのですが、よくよく聴くと、実はかなりメロディアス。そのピアノにからむバンドサウンドや後藤まり子のボーカルにしても、不協和音のようで、実はひとつひとつがジグソーパズルのピースのように、しっかりときれいにはまっています。

また、本編では、少々後ろに下がってしまったバンドサウンドについては、最後、「無欲の無力」でジャムサウンドを奏で、その本領を発揮しています。このラストも、ミドリのバンドとしての実力を感じさせる聴きどころといった感じでしょうか。

しかし、少々気になる部分も・・・

「清水」「セカンド」と比べると、音が少々きれいになりすぎちゃっているような感じがします。以前の作品は、しっかりと考えられたバンドサウンドながらも、そう感じさせないような勢いを感じさせましたが、残念ながら、本作ではそこまでの勢いは感じられませんでした。

また、歌詞も、露骨な性表現などが薄れてしまって、「セカンド」の時のようなエロティックな雰囲気が薄くなったのが(というか、ジャケットだけ妙にエロいのですが)残念。エロさはジャケットじゃなくて曲自体で勝負してほしかったかも。

評価:★★★★★

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2008年6月 2日 (月)

懐古趣味的なのが気になるなぁ。

      
Superfly

アーティスト:Superfly,Superfly×JET

Superfly

最初、出てきた時は、LOVE PSYCEDELICOの劣化版かと思いました(^^;;

まあ、「劣化版」という言い方は悪いし、失礼ですが、どこかLOVE PSYCHEDELICOと似た雰囲気は感じさせますよね。ストレートに60年代のロックの影響を受けたようなメロディーやサウンドといい、女性ボーカル+男性というスタイルといい(Superflyは、後に女性ソロとなりますが)。

ただ、同じ60年代ロックをストレートに体現化した楽曲とはいっても、Superflyに関しては、より懐古趣味的なものを感じました。

いかにもヒッピーといった感じのジャケットのスタイルといい、ウッドストックが開催され、ロックという音楽がもっとも幸福な瞬間をむかえた1969年への憧憬をそのまま歌った「1969」といい、露骨にヒッピーっぽいタイトルの「愛をこめて花束を」といい・・・。

しかし、彼らの60年代やヒッピームーブメントへの懐古趣味というのは、きれいな上澄みの部分だけをすくいとったようなイメージを受けてしまいます。

私自身、リアルタイムに60年代を経験したわけでもありませんし、その時代の文化について、専門的に勉強したわけではありません。しかし、例えばオルタモントの悲劇だったり、チャールズ・マンソンの事件だったり、ヒッピームーブメントには、強烈な影の部分があります。だからこそ、70年代以降、ヒッピームーブメントは幻想だったという意識が生まれ、この文化は衰退していくわけです。

60年代に対して素直にあこがれるスタイルは否定はしません。ただ、それから40年近くたった現在にその時代の文化を模倣しようとするのなら、単なる憧憬を形にしただけではいささか浅はかに感じてしまいます。だからこそ、数年前に出てきたロックンロール・リバイバルといわれたミュージシャンたちは、60年代の「サウンド」の部分だけを純化させ、現在流に解釈しようとすることにより、単なる60年代の憧憬から抜け出そうとしたのではないでしょうか(前述のLOVE PSYCHEDELICOも同じようなスタイルをとったように感じます)。

しかし、そういうスタイルを否定しても、このアルバムが魅力的と感じる点が2つありました。

ひとつはメロディーライン。ある意味歌謡曲的であり、新鮮味がない、という点ではマイナスともいえるのですが、ポップスとして非常に耳なじみがあって、すんなりと入り込めます。インパクトのあるメロディーを書けるという点では、彼女たちの大きな強みと言えるでしょう。

そしてもうひとつは越智志帆のボーカル。彼女のボーカルには声量があり安定感があります。表現力という面ではまだまだ未熟な点を感じるだけに、現段階で絶賛は出来ないのですが、今後のポテンシャルを感じます。そういう意味で、今後の彼女の成長次第では、非常におもしろくなるように感じました。

現段階では、いろいろと物足りなさを感じるSuperfly。それだけに、まだまだこれからといったところでしょうか。今後、60年代ロックへの単なる憧憬を、2000年代の今、現代流にどのように解釈できるかがポイントのように感じました。

評価:★★★★

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2008年6月 1日 (日)

没個性の中に、キラリと光るポピュラリティー

      
Discoveries(DVD付)

アーティスト:THE JETZEJOHNSON

Discoveries(DVD付)

SUMMER SONICの出演や、COUNT DOWN JAPANなどの出演で、今、ちまたで評判のロックバンド・・・だそうです。

が。

はっきり言ってしまうと、「そんなにいいかぁ~??」というのが素直な感想。

基本的に、ロックのフォーマットの中にエレクトロサウンドを自由自在に取り入れているという点が大きな特徴と感じましたが、現状としては、既存のスタイルの模倣で、彼ららしい新しさというものは感じられませんでした。

具体的に言うと、

「Quadra」は、そろそろ死後になっているデジロックという言葉を彷彿とさせるし、「Fairground」は、既存のエレクトロニカ、シューゲイザー系のミュージシャンがよく出してそうな音だし、「Vitalogy」は、まんまBoom Boom Satellitesだし・・・。

そういう意味では、現段階では彼らとしての個性はあまり感じられませんでしたし、事前の評判と比べて、少々期待はずれな1枚だった、といわざるを得ません。

ただし、一方では、キラリと光る部分も感じられたもの確か。

それは、彼らのサウンドが、リスナーの感性に非常に忠実であり、ポップで、素直に耳に入ってくるという点です。

まあ、それもそれで、いい意味での「期待を裏切るサウンド」というのがない、という点ではマイナスポイントとも言えるのかもしれませんが、彼らの持っているポピュラーセンスというのには、今後の可能性を感じました。

今後は、このポピュラーセンスという部分を伸ばして彼らの個性とするか、それとも、全くあたらしい独特の音を作り出すのか・・・どちらにしても、まだまだ越えなければいけない壁は多いと思います。ただ、まだまだデビューしたばかりの彼ら。今後の成長を見守りたいところでしょう。

評価:★★★

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