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2008年5月19日 (月)

「スルメ」なアルバム

      
Adze of penguin(初回限定盤)(紙ジャケット仕様)

アーティスト:the band apart

Adze of penguin(初回限定盤)(紙ジャケット仕様)

なんか、今回のタイトル、ある意味そのまんまなタイトルなんですが、だって本当なんだもの。聴けば聴くほどに味が出る、まるでスルメのようなアルバムとは、まさに本作を言うと思います。

おそらく、あなたがこのアルバムを最初に聴いた時は、とても地味なアルバムだなぁ、という印象を受けるかもしれません。

ただ、そこでこのアルバムをCDラックの奥に押し込めるのではなく、2度3度と聴いてほしいのです。

ポップで耳をひくギターリフを中心に構成され、音数を絞ったシンプルなサウンドは、聴けば聴くほど深みにはまっていくような魅力を持っています。

特に前半、このギターリフが実にいい味を出した曲が並んでいます。前半の曲は、特にメロディーを盛り上げるわけではなく、淡々とした流れが続くのですが、曲をポップだと感じる要素は、決してメロディーだけではなくと気がつかされます。

中盤、実験的な作風の「bacon and eggs」をはさんで・・・

後半は、実にリズミカルで、かわいらしい、飛び跳ねるようなポップなナンバーが続きます。「Moonlight Stepper」や、「Waiting」あたりは、誰でもすぐに気に入りそうなナンバーかもしれません。

そんな感じで・・・

アルバム全体としてはシンプルで、淡々とした内容ながらも、全編、様々な作風の曲があり、リスナーを飽きさせません。以前と比べてパンク色は薄くなりましたが、シンプルなサウンドとギターリフを中心とした曲づくりは、むしろ以前よりもロックンロールテイストを感じさせるアルバムと言えるかもしれません。アルバムをリリースするたびに傑作を産み出す彼ら。まだまだこの勢いは止まらなさそうです。

評価:★★★★★

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» 野良猫CD批評the band apart「Adze of penguin」 [野良猫ロックンロール〜腹を見せるは一生の恥〜]
さて野暮用続きでほったらかし状態のこのブログですが、久しぶりはフェイバリットバンド、the band apartの新譜「Adze of penguin」の感想を書こうと思います。いや、書かせてください。  テンションコードの多用やメタルチックなギターフレーズから、「バンアパは似たような曲が多い」と人に言われたことがあります。確かに先に挙げたようなものを始めとしてこのバンドは「the band apartらしい」特徴を強く持っていますからそれが逆に曲が似ているという印象を受けさせることは理解できな... [続きを読む]

受信: 2008年5月20日 (火) 07時46分

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