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2008年5月 9日 (金)

ゆず、人生を唄う

      
WONDERFUL WORLD

アーティスト:ゆず

WONDERFUL WORLD

表題はかなり大げさですが・・・。

本作でゆずがかかげたテーマは、まさしくゆずとしての人生論。「人間狂詩曲」「明日天気になぁれ」など、人生そのものをテーマとして読み込んだ作品が目立ったのが本作でした。

そしてそんなアルバムのラストを締めくくるのが、オーケストラアレンジで壮大に歌い上げるタイトル曲「ワンダフルワールド」「機関銃を抱きしめて眠る子供」などという、衝撃的なフレーズからスタートする本作は、まさにゆずなりの人生、そして人間への讃歌となっています。(まあ、ちょっとミスチルっぽいかなぁ、なんて思ったのはご愛嬌)

そして、彼なりの人生讃歌ではあるものの、単純な人間肯定にはなっていません。前向きな歌詞ながらも、人間としての表の部分も裏の部分も受け入れていこう、そういう意気込みが感じられる彼らの曲は、うすっぺらな人生応援歌とは一線を画しています。

1曲目が「WONDERFUL WORLD」からスタートし、ラストが「ワンダフルワールド」で終わるこの作品は、彼らとしてはコンセプトアルバムを目指したのではないでしょうか。しかし、そんな中でもポップなラブソングなども混ぜて、全体としては明るくポップないつもながらのゆずに仕上げているところが、彼らの実力といったところでしょう。

そんな訳で非常に興味深いアルバムのはずなのですが・・・

正直、上記の数曲の名曲があった以外は、少々あまりに軽いポップスが続きすぎていました。原点回帰といってしまえば響きはいいのですが、ちょっとマンネリ気味すら感じてしまう部分もチラホラ。

ひょっとして重いテーマなだけに、意識的に軽い曲を集めたのかもしれないのですが、結果、せっかくのテーマが上手くいかせず、かなり軽い印象を受けるアルバムになってしまっていました。

もうちょっとヘヴィーな内容でもよかったんじゃないかなぁ。聴き所によっては、かなりいい作品だと思うだけに、少々惜しいアルバムでした。

評価:★★★★

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