« 女性シンガー強し! | トップページ | 男のけじめ、なのか? »

2008年5月29日 (木)

とことんオールドスタイルにこだわった演出

      
ストップ・ドロップ・アンド・ロール

アーティスト:フォックスボロ・ホットタブス

ストップ・ドロップ・アンド・ロール

とんでない新人バンドがあらわれました!Foxboro Hot Tubsと名乗るそのバンドは、60年代初頭・・・どころか、50年代のサウンドを彷彿させる、とびきり軽快なロックンロールサウンドを、今の時代によみがえらせています。オフィシャルサイトで、先行シングルを無料ダウンロードさせるなど(無料ダウンロードは残念ながら、終了した模様ですが)、既に音楽シーンで大きな話題となってましたが、このたび、待望のデビューアルバムがリリースされました。

・・・・・・

なんてあおっても、おそらく、このアルバムを聴いた方はほとんどご存知ですよね。このバンド、実はあのパンクロックバンドGreen Dayの覆面バンド。古き良きロックンロールを自分たちで自由きままに楽しむために結成したのだとか。事実、タイトルチューンでもある「Stop Drop And Roll」は、シンプルなロックンロールのサウンドを楽しめるガレージパンクチューンですし、「Mother Mary」も、軽快なダンスナンバー。どちらも、ビートルズ以前の、例えばチャック・ベリーあたりからのダイレクトな影響を感じられる作品になっています。

ここらへん、Green Dayのファンのパンクキッズあたりは、少々度肝を抜かれるのではないでしょうか。

ただ、明確に、古き良きロックンロールなのは前半のみ。中盤「Red Tide」あたりから、どこかGreen Dayっぽさが漂いはじめ、「The Pedestrian」あたりになると、完全にGreen Dayの新譜、としても違和感のないパンクロックになってしまいます。ここらへんは、少々ネタ切れ気味かなぁ(^^;;

まあ、もちろん後半も、サウンドは基本的にシンプルだし、ノリのよいロックンロールチューンなのは間違いないので、最後の最後まで楽しめるアルバムには違いないんですけどね。

また、楽曲だけではなく、いろいろな面でかなりオールドスタイルにこだわっているのも本作の特徴になっています。

ジャケットも、50年代、60年代初頭を彷彿とさせるジャケットになっていますし、裏には、時代を感じさせる「汚し」までいれる凝りよう。

第一、どこを探しても「CD」の表記がないんで、一瞬、レコード盤を間違えて買ってしまったんじゃないか、とまでおもってしまいました(笑)。(ってか、12曲いりでこんな小さいレコード盤はないと思うけど)

曲も、一応、A面B面でわかれていますし、CDも、裏面はレコードをそのままプリントされていますしね。そんな遊び心のあふれた楽しいアルバムになっていました。

しかし、こういう「お遊び」の企画で、いつのも音楽と全く違うことをやっても、メロディー、バンドサウンド共に、しっかり耳に残るポピュラリティーの高いものを作り出せちゃうあたり、彼らの実力を再認識させられました。

とびきり楽しくて、ロックで、ポップな作品です。Green Dayのファンの方以外も、オールドスタイルのロックンロールに興味がある方は是非。

評価:★★★★★

|

« 女性シンガー強し! | トップページ | 男のけじめ、なのか? »

アルバムレビュー(洋楽)2008年」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: とことんオールドスタイルにこだわった演出:

« 女性シンガー強し! | トップページ | 男のけじめ、なのか? »