クラウザー様はこれで満足されただろうか?
デトロイト・メタル・シティ トリビュートアルバム~生贄メタルMIX~ アーティスト:オムニバス,ELECTRIC EEL SHOCK,アナ,WAGDUG FUTURISTIC UNITY,Kahimi Karie,BEAT CRUSADERS,木村カエラ,スチャダラパー,ミドリ,YUKI,monobright | |
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「デトロイト・メタル・シティ」という漫画、おそらく、このサイトを見てくださっている方なら、ご存じの方も多いのではないでしょうか?それとも、すっかりはまってしまっている方もいるかも?
ネットを中心に話題となり、現在、人気沸騰中のギャグマンガ。数多くのミュージシャンたちもはまっているらしく、ついに、デトロイト・メタル・シティへのトリビュートアルバムが発売されました!
以前から本作のファンと公言していた木村カエラや、なんと、この漫画の主人公が愛してやまないカヒミ・カリィまで参加!他にもトミフェブやらビークルやら、かなり豪華なメンツが顔をそろえています。
が。
はっきりいって、前半、酷いです(苦笑)。
「U.S.A」を「D.M.C」と歌い直して収録しているビークルはまだしも、木村カエラやYUKIは、もともとの曲のアレンジを、ちょっとメタル風にかえただけ。ボーカルとアレンジがチグハグになっていて、やっつけ仕事が目に見える作品でした。
ミドリも曲自体は悪くないけど、MCを入れたおかげで全体が台無しに。
他もいまひとつ、「メタル風のギターを入れました」程度のリミックスで、トリビュートどころか、クラウザー様を冒涜しているのではないか、と思ってしまう内容でした。
ただ、一方、後半からはなかなかおもしろいリミックスが続きました。
特にTommy febuary6のリミックスは、アレンジは完全にメタル風にリミックスされ、ボーカルも、そんなリミックスにぴったりあって、おそらく、この内容は、普段メタルを聴いているリスナーにも受け入れられるのではないでしょうか。
その後のムックもキングギドラもはっきりいっていまひとつのやっつけ仕事だったのですが・・・
エレクトリック・イール・ショックは、ハードなギターサウンドをしっかりと聴かせるアレンジで、トミフェブと並んで、一番メタルテイストを出していたアレンジに仕上がっていましたし
WAGDUG FUTURISTIC UNITYも、メタルというよりデジタル・ハード・コアといった雰囲気ながらも重厚感あるサウンドは迫力たっぷり。
そしてなんといっても、ラストのカヒミ・カリィがよかった!
鳴り響く、フィード・バック・ノイズと彼女のウィスパーボイスとの対比が実に見事。まあ、メタルというよりは、ポストロックという感じの作風なのですが、Struggle For Prideでの彼女のボーカルも見事にノイズとマッチしていましたが、彼女の声って、こういうノイズに本当に合うんですね~。
全体的には、メタル色がかなり薄く、そういう意味では、「メタル」という部分に期待したファンには肩すかしだったかも。
どちらかというと、オルタナ色が強い作品になっていて、そういう方面から聴けば、前半は酷かったものの、後半は、なかなかおもしろいアルバムに仕上がっていたと思います。
ただ、本作にメタルのバンドが参加していないのは本当に残念。
確かに、ヘヴィメタのリスナー層には賛否両論の作品みたいですが・・・
でも、同じように、その「様式的」な部分をギャグにされていたヒップホップからは、2組も参加者がいるのに・・・。
次は、せっかくなんで、もっとバリバリのメタルを聴かせてほしいです。
評価:★★★★
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コメント
クラウザー様は店頭で一通り試聴しただけで
お腹一杯になって購入には至りませんでした(笑)
確かにほんのりメタル風味にしただけの曲達はどれもあっさり気味ですよね。
D.M.Cトリビュートにこんな人選が!?(主にカヒミカリィ)
って出オチになっていて中身まで手が回らなかったのかな、と思ってしまいますw
投稿: 501 | 2008年4月22日 (火) 01時10分
>501さん
メタルという感じで聞いてかかると、かなり肩すかしをくらいますね。
特に前半に関しては、中身のひどさが目に(耳に?)あまりました。
ただ、後半はなかなかよかったと思いますよ~。購入を・・・というまでおすすめできるかは微妙ですが、聴いてみて損のない内容だと思います。
投稿: ゆういち | 2008年4月22日 (火) 23時09分