「90年代」を感じるベスト盤
Title:COMPLETE BEST
Musician:LUNA SEA
LUNA SEAというバンドは、その位置づけが難しいバンドだと思います。
BOOWYを祖とするような、ビートロックバンドとは大きく異なるものの、かといって、正統派の実力派ロックバンド、といわれるのは、そのメロディーや河村隆一のボーカルはあまりにも歌謡曲的すぎます。
ただ、そういう意味では、BOOWYと異なった観点から、日本における独自の「歌謡ロック」というもの方向性を確立したバンドなのかなぁ、とも思います。
あ、ここで言う「歌謡ロック」は別にネガティブな意味での使い方ではないので、念のため。
本作は、シングルを集めたDISC1と、その他の代表曲を並べたDISC2からなる2枚組の、タイトル通り「コンプリート」なベスト盤。
DISC1を聴いてひとつ感じるのは
ああ、これが「90年代の音」だなぁ
という点。
特に初期のシングルからは強く感じます。
いわば「80年代の音」といえば、例えばマイケルジャクソンや、シンディーローパーみたいな、今ではチープに感じられるシンセサイザーの電子音で彩られたような音(日本でいえば、C-C-Bみたいな感じの)になるんでしょうが
「90年代の音」といえば、彼らの作品のように、80年代的なテイストを残した、軽い感じの音ながらも、もっと生音指向、みたいな。
グランジの影響が、日本のロックバンドに入ってくる直前、みたいな、そんな音が、いかにも「90年代」という印象を受けました。
あ、でも、「TONIGHT」は文句なしにかっこいいね。ここらへん、もっと本格的なロック指向だったメンバーと、歌謡曲指向だった河村隆一との方向性のずれが、解散の要因だったのかな、なんて邪推しちゃいますが。
評価:★★★★
ほかに聴いたアルバム
7/キリンジ
7枚目の作品だから「7」。
いつも以上に王道路線といった感じで、さらにポップステイストが強くなった感じ。そういう意味では、いつも以上に広い層に受け入れられそう。もちろん、どこかひねくれた文学的な歌詞もいい意味でいつも通り。しっかり彼ららしさに足をつけながら、マンネリを感じさせない、強いポピュラリティーを感じさせる作品です。
評価:★★★★★
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