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2008年4月17日 (木)

「斬新な楽曲」を生み出し続けるのは難しいなぁ。

      
Quaristice

アーティスト:Autechre

Quaristice

Autechreといえば、エレクトロニカというジャンルの中でも、特に斬新な音を生み出して、音楽の新たな可能性を切り開く、というイメージを持ったミュージシャンだと思います。

特に私が一番最初に聴いた「confield」は衝撃的ですらありました。

音楽の中でも重要な要素といわれている、リズムをバラバラに切り刻み、鋭利な刃物で音を切り刻むかのように、ひとつひとつの音を切り刻んで再構築していく様は、いままで聴いたどの音楽とも異なるような印象を受け、最初こそ抵抗を感じたのですが、気がつけば、その世界にはまっていました。

本作も基本的には、音の使い方や描こうとする世界観は、「confield」の延長線上にあると思います。

しかし、「confield」の頃は、他のミュージシャンたちが作り上げた既存の音を破壊した彼らだったのですが、その後、彼らの中で、新しい音の世界を作り上げた結果、それがひとつのパターンになってしまったような印象を受けます。

要するに、私が彼らに期待しているのは、「既存の音」の破壊であり、そこに衝撃を感じました。しかし、彼らが本作で作り上げたのは、あくまでもAutechreとしての既存の音の枠組みの世界。これはこれで、他のミュージシャンたちと比べると斬新ではあるのかもしれませんが、Autechreとして新たな音を作り上げたか、といわれると、微妙な作品だったと思います。

もちろん、私が彼らに求めていることが、ともすれば理不尽とも言われかねない厳しい要求であることはわかります。しかし、そういう斬新さで世に出てきた彼らだからこそ、どうしても次の作品も期待してしまうのも事実・・・。次回作はどうでるのか、とりあえず、それを楽しみにしていたいところです。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

infinity on high/FALL OUT BOY

いわゆるメロコアのバンドなのですが、勢いで乗り切ろうというよりも、しっかりとメロディーラインを構築し、聴かせる曲をつくろうという姿勢が感じられて好印象。これから、まだまだ伸びそうな予感もします。

評価:★★★★

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コメント

確かに、confield以降のオウテカは失速の一途をたどっているような気がします。

LP5で大化けし、EP7、confield、までの流れは神がかっていたのに。

特に、「Quaristice 」を聴いた時は、オウテカもこれで終わりかと思ったほど。

オウテカの場合、不規則なリズムや先鋭性にばかり注目が集まっていますが、その中に、忍ばせていた美しいメロディーこそオウテカの音楽の本質だと思っています。

最近は、もっぱら師匠のbolaをよく聴いています。
日本人だと、matryoshkaやantihoneyあたりが良いですね。

投稿: フジイ | 2009年1月10日 (土) 21時04分

>フジイさん
本当に、「confield」は神がかった出来だったんですけどね・・・「Quaristice」は残念な内容でした。
>その中に、忍ばせていた美しいメロディーこそオウテカの音楽の本質だと思っています。

なるほど。「confield」は確かに密かに「メロディー」が流れていましたよね・・・。

>最近は、もっぱら師匠のbolaをよく聴いています。
>日本人だと、matryoshkaやantihoneyあたりが良いですね。

なるほど。是非、聴いてみたいです!!

投稿: ゆういち | 2009年1月11日 (日) 00時24分

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