« ロック・クラッシック入門 | トップページ | 「90年代」を感じるベスト盤 »

2008年4月23日 (水)

PerfumeブームはJ-POPの変換点か?

タイトルに関しては、アルバムチャートで。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の1位は、予想通り、B'zの新曲がランクイン。

これで19年連続41作目の連続1位記録だそうです。

正直、B'zに関しては、「LOVE PHANTOM」以降、「これは」といったシングル曲はないし、ここ最近は完全に固定ファンだけでランクインしている感じですが、そこらへんを差し引いても、純粋にすごい記録ですね・・・。

ただ、それに続いているのが、2位の羞恥心

デイリーチャートでは既にB'zをも上回っており、結果的には、浜崎やB'z以上の売上記録を叩きだしそう。今年を代表するヒット曲になりそうな予感がします。

他にベスト10圏内で気になるところといえば・・・

いきものがかりが7位にランクイン。シングルを出せば、しっかりベスト10圏内に入ってくるような人気を確保しちゃいましたね。

他に、以前から注目していたロングヒット組は、今週、数多くの新曲に囲まれて苦戦気味。安室奈美恵が8位に転落した他、ジェロはなんとか9位を保ったものの、青山テルマはついに11位に。今後の粘りはあるか?


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週、1位を獲得したのが、ネットで大きな話題となっている、アイドルユニットPerfumeのニューアルバム「GAME」でした。

今、もっとも話題となっているミュージシャンで、ネットでも話題沸騰。メインストリームからの人気というよりも、むしろサブカルチャーからの支持の高さが際だっており、話題となっています。

そんな彼女たちが、多大な支持を得ている理由を、Wikipediaを参照に見てみると↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/Perfume

「中田ヤスタカのクオリティーの高いサウンド」

「レベルの高いダンスパフォーマンス」

というところがメインとなるんでしょうか。

要するに、彼女たち含め、Perfumeを取り巻くプロフェッショナルたちの仕事ぶりが大きな評価を得ている、ということでしょうか。

ただ、私は彼女たちの今の評価に、J-POPのひとつの変換点を感じました。

というのは、日本のいままでのポップスシーンというのは、60年代のフォークソングブームから以降、「自作自演」「素人による表現」が音楽ファン、特にサブカルチャーから高い支持を集めており、逆に、プロによる楽曲提供や、プロのボーカリストによる楽曲というのは、「歌謡曲」という枠組みで、「商業音楽」的に見られ、音楽ファンやサブカルチャーからは、場合によっては、敵視さえされていた流れがありました。

そして、80年代になって、そういう素人信仰を逆手にとって、商業音楽に組み入れたのが秋元康。素人っぽさを売りにした「おにゃんこクラブ」が社会的な現象にもなったのはご存じの通りで、その流れは、モーニング娘。にも引き継いでいるわけです。

一方、自作自演信仰はその後もJ-POPシーンに根強く続いていて、「自分で作詞作曲してこそ本当のアーティスト」みたいな風潮は続きました。結果、例えばビーイング系のZARDや、浜崎あゆみのように、歌詞については自分で書かせることによって「アーティスト」として人気を確保しようとする傾向は続く訳です。

しかし、そんな中、Perfumeが支持される理由は全く逆。彼女たち自身はあくまでもパフォーマーであり、楽曲をつくっているのはあくまでも中田ヤスタカ。ある意味「プロ」がつくって「プロ」が歌うスキームは、いままで、特にサブカルチャー周辺では「商業音楽」として反発を受けていたスキームでした。

そういう意味で、Perfumeが、音楽ファン、あるいはサブカルチャー周辺で多大な支持を得ているという事実は、いままでの大きな変換点となる流れではないかと思います。「自作自演」「素人」が絶大な支持を得ていたいままでの流れが一変し、今後は、かつての歌謡曲のような、プロによる楽曲をプロによって歌う、そんなシステムが多大な支持を集める、そんな時代が来るのかもしれません。

ただ、タイトルでPerfumeブームと書いたように、私自身は、この流れが現段階ではあくまでもブームと言われるレベルと感じています。

それは、先日のoriconでの下のアンケートに関する記事を見かけたからなんですが

30代男性からの関心高まるPerfume新作
http://www.oricon.co.jp/news/rankmusic/53450/

このアンケート結果からわかるように、現段階で彼女たちの人気は30代男性の人気が突出しており、それ以外には、まだまだ浸透していません。そういう意味では、おそらくネット上でそれなりの割合を占める30代男性の支持が高いため、特に騒がれているように感じるのですが、広く一般層の支持という意味では、まだまだこれから、というレベルではないでしょうか。

今回のチャート1位という結果は、確かに現段階での彼女たちの人気を象徴した結果となりましたが、Perfume人気が確保され、この流れが本格化するためには、今後、どれだけ一般層に支持を広げられるか、が勝負ではないか、と思います。

アルバムチャート2位以下は・・・

2位HY。ってか、シングルも切っていないし、メディアにもほとんど登場していないんですが、根強い人気を保っていますね。正直、ここまで人気があるというのは驚きです。完全に固定ファンを確保しましたね。

一方3位ゆずはちょっと苦戦気味か?個人的にはもっともっと支持されていいミュージシャンだと思うんですけどね。いまひとつ、「さわやかなフォークデュオ」みたいな誤解をされている印象が。

マライア・キャリーのアルバムも7位と苦戦気味。ただ、本国アメリカでは、先行シングルはしっかりビルボードで1位を獲得するなど、人気を見せているのですが。

あとACIDMAN9位は健闘かな?しっかりと固定ファンを獲得した模様ですね。

|

« ロック・クラッシック入門 | トップページ | 「90年代」を感じるベスト盤 »

ヒットチャート」カテゴリの記事

コメント

 ご無沙汰しております。
 なにげに、Perfumeのアルバム買いました。やたら耳に残るメロディーと作り込まれたアレンジがプロの仕事を感じさせました。歌は既にアレですね、楽器。楽器の1つという印象です。

投稿: げどー | 2008年4月24日 (木) 00時31分

>げどーさん
アルバム、買いましたか~。
中田ヤスタカがいい仕事しているみたいですね。capsuleとしても、最近、勢いありますからね・・・。
とりあえず、僕も近いうちに聴いてみようかなぁ、と思っています。

投稿: ゆういち | 2008年4月24日 (木) 23時26分

アイドル系って基本的に好んで聴くことはほとんどないんですが、
今回、いきなりブレイクしたPerfumeは結構気になりますね・・・。

とあるレコード店で、サラっと聴いた感じだと、中々好印象の曲だった感じで、
プロデューサーの中田ヤスタカ氏も結構注目集めてる見たいなので、
僕もレンタル出たら、是非借りて聴いてみようかなあと考えています。

投稿: HK | 2008年4月25日 (金) 00時02分

>HKさん
中田ヤスタカが気になるのなら、capsuleをおすすめします~。昔のはいまひとつだったけど、最近のはいいですよ。
僕も、Perfumeはとりあえずレンタルででも聴いてみる予定です。どうなんだろう・・・?

投稿: ゆういち | 2008年4月25日 (金) 23時51分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: PerfumeブームはJ-POPの変換点か?:

« ロック・クラッシック入門 | トップページ | 「90年代」を感じるベスト盤 »